こんにちは!しょーてぃーです!
今回は、石田明さんの
『答え合わせ』について紹介をしていきます!
『答え合わせ』について
本書の概要
本書はひとことで言うと
M-1チャンピオンによるお笑いのロジックと哲学が詰まった教科書のような1冊です。
本書をオススメしたい人
・漫才やお笑いに興味がある人
・M-1グランプリが好きな人
・お笑いのロジックが知りたい人
本書は、NON STYLEの石田明さんが、
漫才の歴史や技術、M-1グランプリの舞台裏、
そして漫才の未来について独自の視点で語る1冊です。
漫才を「ロジックで説明できるもの」と捉え、
ボケとツッコミの役割、ウケるネタの法則、
間の取り方などを理論的に解説されています。
また、M-1グランプリの審査基準や勝ち方、大会の呪縛と影響についても言及し、
芸人にとっての光と影を詳細に記しています。
さらに、SNSやYouTubeが漫才の形を変えつつある現代において、
芸人はどのように進化すべきかについても考察しています。
また本書全体で、漫才という芸を突き詰めながらも、
それが単なる技術論ではなく「人生そのもの」だとする視点が貫かれています。
『答え合わせ』のまとめ
漫才師・石田明が語るお笑いの哲学について
本書は、NON STYLEの石田明が自身の漫才人生や経験を振り返りながら、
漫才の歴史、技術、M-1グランプリの戦略、
そしてお笑いの未来について深く考察した1冊です。
単なる自伝ではなく、漫才という芸能の本質に迫る内容となっており、
お笑い好きだけでなく、笑いの構造や法則に興味がある人にも示唆に富んだ内容が詰まっています。
本書は大きく4つのテーマで構成されており、
それぞれの章で具体的な事例を交えながら詳しく解説されています。
1. 漫才の起源と進化
漫才の原点は「立ち話」であり、
かつては芸人が客を引きつけるために即興で会話を繰り広げていたとされています。
この「立ち話」スタイルが、次第に洗練され、
舞台芸としての漫才へと発展していきました。
特に、関西漫才と関東漫才の違いについて詳しく語られています。
- 関西漫才は、話し手(ボケ)と聞き手(ツッコミ)がテンポよく掛け合いをするスタイルが特徴。
- 関東漫才は、一人語りやシュールな表現を交えたスタイルが多く、落語に近い要素を含んでいる。
NON STYLEの漫才は関西スタイルを基盤にしているものの、
M-1での成功を機に全国的な人気を得たことで、
新しい形の漫才が広まったことが示唆されています。
2. 漫才の技術と構造
本書の中でも特に興味深いのが、漫才の技術論についての解説です。
石田さんは「漫才はロジックである」と述べ、
笑いの構造には一定の法則があることを示しています。
代表的な考え方として、以下があります。
- 「ベタが最強」:奇をてらったネタよりも、観客が親しみやすいベタな展開のほうが圧倒的にウケる。
- 「アホが才能」:ボケ役は「頭が悪いキャラ」を演じることで、ツッコミが活きる。
また、間の取り方、テンポの調整、声の使い方など、プロの視点で細かく分析されています。
特に、観客がどのタイミングで笑うのかを計算し、
それに合わせて言葉を選ぶことが重要だと強調されています。
さらに「システム漫才」いう言葉を使い、最近の漫才の傾向についても言及しています。
システム漫才とは、「型にはまった漫才」や「計算された展開」に頼りすぎた漫才のことであり
M-1グランプリを意識しすぎると、システム漫才になりやすいが、
逆に意外性を失うことになります。
3. M-1グランプリの分析
M-1グランプリについては、本書の中でも特に詳細に語られています。
石田さんは、M-1が「漫才師にとっての最高の舞台であり、最も過酷な試練でもある」と述べています。
なぜならM-1では、ネタの内容だけでなく、
「キャラクターの見え方」「コンビの関係性」も評価されるからです。
さらには、M-1の審査基準は年ごとに変化し、
時代の流れに応じてウケるネタも変わっていきます。
例えば、2008年のNON STYLEの優勝時の大会では
「テンポの良さ」と「ボケとツッコミの連携」が評価されていましたが、
時代の流れや大会の歴史を経て、
現代では「個性の強さ」や「意外性」が重視される傾向にあります。
また、M-1が漫才界に与えた影響についても語られています。
M-1があることで、若手芸人が短期間で知名度を上げるチャンスが生まれましたが
その一方で、1度M-1で注目されると、「M-1の呪い」として、
その後のキャリアがM-1の評価に縛られることもあります。
4. 現代の漫才と未来への展望
近年、YouTubeやサブスクリプションサービスの発展により、
漫才の見せ方も以下のように変化しています。
- YouTubeの影響:短尺動画の普及により、「短時間でオチがつく漫才」が求められるようになった。
- サブスクの影響:漫才は劇場だけでなく、映像コンテンツとしても消費されるようになった。
- SNSの影響:拡散力が強くなったことで、無名の芸人でもバズれば一気に人気者になれる。
石田さんは、「今後の漫才は、従来のテレビや劇場だけでなく、
インターネットとの融合が重要になる」と述べ、
今後の漫才の進化について独自の視点を提示しています。
『答え合わせ』の感想
漫才への情熱と探求心が詰まった1冊
本書を読んで最も強く感じたのは、
石田明さんの漫才に対する圧倒的な情熱と探求心です。
単なる漫才のハウツー本ではなく、
漫才師としての「哲学」や「人生観」にまで踏み込んだ作品であり、
芸人としての経験を通じて得た学びが詰め込まれています。
まず、漫才を「感覚的なもの」ではなく、
「ロジックで説明できるもの」として捉えており、その視点が本書の随所に現れています。
例えば、「漫才の技術と構造」の章では、
「ボケとツッコミの役割の違い」「ウケるネタの法則」「間の取り方の重要性」など、
漫才のテクニックが理論的に解説されていました。
特に印象的だったのは、「ベタが最強」「アホが才能」という考え方であり
これらの考え方は、単なる技術論ではなく、
長年漫才をしてきたからこそ見えてきた「笑いの本質」に迫るものだと感じました。
さらに本書の中でも、M-1グランプリに関する考察は非常に興味深いものでした。
石田さんは、M-1の存在が漫才界にとって
「最大のチャンスであり、最大の呪いでもある」と述べています。
M-1は、無名の芸人でも一夜にしてスターになれる可能性を秘めた大会ですが、
それと同時に、「M-1の評価基準に縛られる」というジレンマも生まれます。
例えば、ある年に流行った漫才のスタイルを
次の年に真似しようとすると、既視感が強くなりウケづらくなりますが、
まったく新しいスタイルを試すと、観客や審査員に理解されにくくなります。
このバランスを取る難しさが、M-1という大会の残酷さを物語っており
特に印象的だったのは、「M-1では勝ち方がある」という部分です。
これは、「ただ面白い漫才をすればいい」という単純なものではなく、
大会の審査基準や観客の心理を理解した上で、
どうすれば「一番ウケる」漫才ができるのかを考えなければならないということです。
例えば、M-1の審査員は「ストーリー性のある漫才」や
「意外性のある展開」を評価する傾向があるため、
ただボケとツッコミを繰り返すだけでは高得点は狙えない傾向があり
このような戦略的な視点があるからこそ、
M-1の結果は毎年ドラマチックなものになっているのだと改めて感じました。
また、M-1が終わった後の芸人の苦悩についても描かれています。
M-1で優勝した後に
「次のステップに進むためにはどうすればいいのか?」という新たな壁が生まれることや
優勝したからといって必ずしも売れるわけではないという現実など、
大会の裏にあるシビアな現実も見えてきました。
そして本書を読んで感じたのは、
漫才は単なる「笑いを取る技術」ではなく、「生き方そのもの」ということです。
石田明さんの言葉の端々には、
「漫才師とは何か」「面白さとは何か」という深い問いが込められており、
それが単なる技術論を超えて、人生論のように感じられました。
特に印象的だったのは、「お笑いとは、いかに人を惹きつけるか」という考え方です。
それはネタの作り方だけではなく、「人間的な魅力」や「個性の際立たせ方」にもつながり
面白い漫才を作ることと、売れる芸人になることは必ずしもイコールではなく、
そこには「キャラクター」や「時代性」といった要素も大きく関わってくるということです。
このような視点は、漫才だけでなく、仕事にも応用できる考え方だと感じました。
最後に
ここまで本書について紹介してきました。
本書は、単なる「お笑いの本」ではなく、
漫才の奥深さと、その裏にあるリアルな世界を描いた1冊でした!
本書が気になる方は
是非本書を手に取ってみてください!
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