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『悪と無垢』のあらすじと感想について

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、一木けいさんの

『悪と無垢』について紹介をしていきます!

 

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『悪と無垢について 

本書の概要

本書はひとことで言うと

息を吐くように嘘をつき

他人を支配する女の物語です。

 

本書をオススメしたい人

・不穏な物語が好きな人

・不気味な小説が好きな人

・連作短編が好きな人

 

「1ミリの後悔もない、はずがない」や

「愛を知らない」などの著者である

一木けいさんの最新作です。

 

他愛のない嘘や冗談のような噓は

誰だってつくことがあります。

 

ですが本作の主人公である英利子は

相手を奈落の底へ突き落とすような嘘を

息をするように平気でつき続ける人物です。

 

さらに英利子の怖さは

嘘をつくべき相手とタイミングを

本能的に正確に見つけ出し

狙った人物を混乱と不安へ突き落とします。

 

そして、本作の凄さは

読み始めたときは各章がまったく違う

短編集のように感じますが

それは英利子が複数の顔を持っており

頻繁に変えていることから

まったく違う物語だと錯覚します。

 

奈落の底へ突き落とす嘘をつく登場人物と

それらに惑わされ翻弄された登場人物たちの物語は

読者ですら何が本当か分からないほどの

不穏で不気味な作品となっています。

 

『悪と無垢のあらすじ

あらすじの概要

彼女は無邪気に、優雅に、意味もなく、他人を不幸に陥れる。

「逃げなきゃ。この女のそばにいるのは危険すぎる」

新人作家、汐田聖が目にした不倫妻の独白ブログ。ありきたりな内容だったが、そこに登場する「不倫相手の母親」に感情をかき乱される。美しく、それでいて親しみやすさもある完璧な女性。彼女こそ、聖が長年存在を無視され、苦しめられてきた実の母親だった。ある時は遠い異国で、ある時は港の街で。名前も姿さえも偽りながら、無邪気に他人を次々と不幸に陥れる……。果たして彼女の目的は、そして、聖は理解不能の母にどう向き合うのか?

悪の無垢より

本作のもくじ

プロローグ

奈落の踊り場

馬鹿馬鹿しい安寧

戯れ

カゲトモ

きみに親はいない

悪の無垢より

 

『悪と無垢』感想

無意味に無意識に嘘をつき続ける女

悪意なく歌うように嘘をつく女

その女の名前は英利子。

 

ある時は自称イタリアンレストラン勤務の息子の理解ある母親

ある時は海外で暮らす優雅マダム

ある時はドイツの血を引くハーフ

ある時はいじめを助けるやさしい中学生。

 

場所ごとにまったく違う人物となり

一見ものすごく頼りになります。

 

「優雅で美しく、親しみのある完璧な淑女」と

帯に書かれていた通りの人物です。

 

しかし実際は、何が本当かがわからないほど

平気で嘘をつき続け

狙った獲物を不幸へ突き落とす人物です。

 

読み終わった後に小説にも関わらず

嫌な感じを思う存分味わえるのは

英利子が潔く平気で嘘をつき

その行為に一切の罪悪感を持たないからでした。

 

ここまで振り切った人物を描き

読者に不穏さや不気味さを感じさせる

一木けいさんに凄さを感じました!

 

英利子の多様性から成る面白さ

そして本作の面白いところは

読み始めたころは短編集であると錯覚させることです。

 

1話目を読み、2話目へ移ったときは

1話できちんと完結していると思いこんでしまいます。

 

しかし、読み進めていくうちに

話がつながっていることに気付きます。

 

また、連作短編集である本作にて

悪女である英利子は作品の核でありながらも

各話で主人公ではなく

ハンカチと左手の犬にかまれた傷の情報のみで

各章のそれぞれの人物が英利子だということを

読者は徐々に気付いていきます。

 

本作では、英利子とその息子が何をしてきたかを

2人の女性がブログと小説とで描きます。

 

ブログには被害者の目から見た事実

そしてそのブログから

嘘に翻弄された被害者たちの事実を

小説という形で描いていきます。

 

中学生時代・30代・50代と

年齢問わず嘘をつき続けていき

誰の何のエピソードが本当かすらわからない感じが

読者を思いきり惑わせます。

 

事実をそのまま記すと辻褄が合わない。不可解で無秩序。それが私の育った家だった

最後の一文こそが、この物語を表すすべてです。

 

辻褄の合わない事だらけで

解き明かされないまま謎は残り

登場人物が奈落の底に落ちていき

混乱の渦に巻き込まれていきます。

 

発言・質問・相槌さえも嘘で

全てが嘘の女である英利子は

まさに悪と無垢だと心底思いました。

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

読み進めるうちに

読者を混乱へ巻き込む本作は

噛めば噛むほどほど面白い作品でした!

 

本書が気になる方は

是非手に取ってみてください!

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