こんにちは!しょーてぃーです!
今回は、山口周さんの
『人生の経営戦略』について紹介をしていきます!
『人生の経営戦略』について
本書の概要
本書はひとことで言うと
自分の人生を主体的に設計していくための方法を教えてくれる1冊です。
本書をオススメしたい人
・自己のキャリアや人生設計を戦略的に考えたい人
・時間の使い方や優先順位に悩んでいる人
・経営学の知識を実生活に応用したい人
現代は高度経済成長のような、一生懸命働けば、誰しもが賃金を上げ
車や家を買い、結婚できる時代ではなくなりました。
実際に日本のGDPの成長率は鈍化しており
伸びている業界と縮小している業界に成長格差が大きくなっています。
そのため、儲かっている会社に務めれば高給取りになる一方で
儲かっていない会社に就職すると低収入になってしまいます。
どの場所にいるかで人生の明暗が分かれる時代において
「石の上にも三年」と言った考えを盲信するのは危険です。
そこで本書では、時間という限られた資本を活かし
難しい現代を生き抜く術が解説された1冊です。
『人生の経営戦略』のまとめ
「いつか」ではなく「いつも」幸せな状態を築き上げる
まず前提として「人生の最終目標」についてです。
会社もマラソンも人生も、目標がはっきりしていなければ
どの方向に進めばいいか分からなくなってしまいます。
実際、著者によると目標設定は非常に重要で
もし間違った目標を設定してしまうと
どれだけ優れた戦略を立てても、最終的には破綻します。
そして本書で提唱している人生の目標は
「いつも幸せな状態を築き上げ、いつ余命を宣告されても
「自分らしい、いい人生だった」と思えるような人生を送ること」です。
いつも幸せな状態を築き上げる理由としては、
私たちはいつ死ぬか分からないからです。
事実「将来のために今は我慢する」と考えて生きても
いざ老後になったら、老眼や体力の低下によってやりたいこともできず
体調が悪く病院通いな日々によって医療費にお金を費やし
全然やりたいことができないまま人生を終える人は多いからです。
なので、急に明日事故で亡くなるとしても
「自分らしい、いい人生だった」と思えるような人生を送るべきです。
自己効力感・社会的繋がり・経済的安定の3つが大事
いつも幸せな状態を本書では「ウェルビーイング」という言葉で表現しています。
そしてこの状態を維持するためには
自己効力感・社会的繋がり・経済的安定の3つが大きな要素になります。
まず、自己効力感についてですが
これは「自分には能力があり、それを活かして誰かの役に立っている」という感覚です。
実際に仕事や家庭、ゲーム、スポーツなど様々な場面において
自分がやったことに対して、周りの人が喜んでくれると嬉しい気持ちになります。
これが、人が常に幸せでいるために必要な感覚です。
なので仕事をせずに、一日中ゲームをしたり、アニメを見ていると
虚しさや罪悪感を覚える感覚になります。
次に、社会的繋がりについてですが、これは職場の人や知人、家族など問わず
人と良好な人間関係を築けているという感覚のことです。
実際に幸せに最も大きな影響を与えるのは、人間関係だと言われています。
職場の人間関係が良好であれば気持ちよく働けますし
仲が良くてなんでも言い合える友達との食事は、お金では買えない価値があります。
逆に人間関係が悪ければ、仕事もしづらく
孤独だと痛みに敏感になりやすく、病気にもなりやすいです。
そして、経済的安定についてですが
これは経済的に安定していて、多少のことがあっても
生活を維持していくのに不安がないという感覚のことです。
平たく言えば、病気や事故、物価高や会社の倒産になっても
株や貯金などの金融資産があれば「まあなんとかなる」と思えます。
金融資産による心の余裕が「経済的安定性」であり
これもいつも幸せでいるための大事な要素になります。
人生は時間を別の資本に変えるゲーム
大前提として、いつも幸せでいるためには
自己効力感・社会的繋がり・経済的安定のすべてを手に入れたいですが
この世界はトレードオフでできているので
何かが欲しいなら、自分の持っているものを差し出す必要があります。
それが時間です。
例えば、仕事に時間を使えば、仕事の知識や能力が上がり
多くの人の役に立つことができるようになりますし
友達や恋人、仕事の仲間などに時間を使うと、人間関係が豊かになります。
また、株や不動産などを買い、時間をかけて増やせば
経済的な安定を得ることができます。
つまり、自分の欲しいものを意識して
そのために何に時間を使うのかを考えることが大事です。
私たちは誰もが自分という人生の経営者ですので
会社がお金をどう使うのかを真剣に考えるように
私たちも自分の持っている時間を、どう使うかを真剣に考えることが重要です。
そして著者は、時間の使い方について
「スジの良いものとスジの悪いものが存在する」述べています。
スジの良い選択をし、時間をスジの良い仕事、スジの良い学習に使えば
3つの資本を手に入れやすくなるいいます。
ですがスジの悪い仕事や学習に時間を使うと
10年20年経っても、何も手に入らないということになりかねません。
なので、私たちは自分の持っている時間という資源を
「この会社、この仕事、この人、今やっていること」に使っていいのか
その結果、自分の望む資本が得られるのかを常に考えることが大切です。
最初に「仕事のスキルや知識、経験」の獲得から始める
1日は24時間しかないので、
自己効力感・社会的繋がり・経済的安定の3つの資本のうち
優先順位をつけて、1つずつ確実に手に入れる必要があります。
そして、最初に優先して時間を使って獲得するべきなのは
仕事のスキルや知識、経験を積み重ねて自分の能力を高めることです。
なぜなら、仕事の能力が高ければ
自然と人が集まり、人脈も広がり、周りからの信頼も得られるからです。
実際に音楽が上手い人は、
上手い人同士でバンドを組んで結果を出そうとします。
同じように、仕事もできる人は
できる人と組んで結果を出していることが多いです。
このように仕事の能力を伸ばすことで
人から誘ってもらえるようになり、人脈が広がり、
さらに結果が出るので賃金が上がり
最終的には金融資産も手に入れやすくなります。
なので、まず仕事の能力や知識を上げることから始めて
それができたら人間関係を広げ、
最後に金融資本を獲得していくのがスジの良いやり方です。
逆に仕事の能力が低い状態で、人脈を築くのは難しいですし
収入が低ければ、デートや結婚だけでなく
金融資産を購入する余裕も生まれません。
実際に、著者は若い頃に先輩の「人脈が大事」という言葉に踊らされて
異業種交流会によく行っていましたが、何の実績もない状態では何も起こらず、
何度か参加した後に「一歩ずつ進むしかない」ということに気付きました。
また、少しややこしいのは、仕事のスキルアップだけでなく
ギターやサーフィン、ゲーム、カメラ、旅行などの趣味も入ると述べています。
趣味だとお金を稼ぐことはできませんが
趣味は直接的に幸福度に影響を与える要素なので
仕事だけでなく、趣味にも時間を使った方がいいです。
楽しめて、長く続けられる仕事を選ぶことが大事
他の人にはできないような抜きん出た仕事のスキルは
長い年月をかけて培われるものです。
だからこそ、仕事は楽しめて長く続けられるものを選ぶ必要があります。
なぜなら、キツイ努力している人は、楽しんでいる人に勝てないからです。
つまり、本当に抜きん出たスキルを身に付けるためには
楽しめて長く続けられる仕事でなければいけないということです。
前提として本書で定義している人生の目標は
「いつも幸せな状態を築き上げ、いつ余命を宣告されても
「自分らしい、いい人生だった」と思えるような人生を送ること」なので
毎日仕事が辛い状態では、すでに目標が達成できていない状況です。
さらに嫌な仕事を続けていると、ストレス発散のために
暴飲暴食をしたり、飲酒が増えたり、人にキツく当たったり
散財しないとやってられなくなります。
そうなると、結果的に人間関係が悪くなり、金融資産を買う余裕も無くなります。
なので、今の仕事が楽しめて、長く続けられる仕事ではない場合
別の道を模索した方がいいということです。
楽しいと思える仕事で競争せずに稼ぐ
自分が楽しいと思えることを仕事にするには、工夫が必要です。
その工夫とは、既に今ある要素を組み合わせて
自分をレアな存在に見せかけることです。
そもそも世の中は、需要と共有で価値が決まります。
みんなが欲しいけど、たくさん存在するものは価値が低くなり
希少なものは価値が高くなります。
ただそれだけであるので、お米の数が少なければ、お米の価値は高くなりますし
ロレックスも欲しい人が多いが、数が少ないから価値が上がっています。
そして私たちも労働市場では、人材という一つの商品になります。
なので自分を高値で売るためには
ロレックスのような欲しい人が多いが、希少な存在になる必要があります。
そして、自分をどのようにして希少な存在に見せるかというと
既に今あるいくつかの要素を組み合わせて、ユニークな存在になることです。
例えば、マキシマムザホルモンのような
パンク且つ様々な要素を組み合わせた唯一無二なバンドです。
そして、既に今あるいくつかの要素を組み合わせて
自分を唯一無二のユニークな存在に見せられれば
競争する必要すらなくなり、自分が楽しいと思うことで食っていくことができます。
ちなみにこの方法を、ブルーオーシャン戦略といいます。
さらに組み合わせるものは人によりますが
それは「自分がずっと好きでやってきたこと」の中にあります。
なぜなら、ずっとやってきたことの多くは時間を使っていることであり
他人が簡単に獲得できない知識やスキル、感性を獲得していることが多いからです。
ここでいうユニークな存在とは
周りの人から見て面白いと思える存在のことであり
既にある要素を組み合わせて、ユニークな存在に自分を見せることが
楽しいと思えることで食っていくために大事になります。
人生には春夏秋冬がある
人生も季節のように、時期にあった行動や選択があります。
まず人生の春についてですが
これは30歳までの間で、「試す」がキーワードです。
この時期は失敗を恐れずに
いろんなことに挑戦するベストなタイミングです。
自分が何に向いているのか、苦手なのか、楽しいと感じるのか、
興味が持てないのかを知るための時間になります。
次に人生の夏についてですが
これは30〜50歳の間で、「集中」がキーワードになります。
ここでは「面白い」「ずっと続けている」と感じた仕事や分野に
自分の時間と労力を一点集中させて、専門性を磨き
実力を高めながら、それを軸に人脈を築いていきます。
大体この時期にできる人とできない人の仕事の能力に差が生まれます。
そして人生の秋についてですが
これは50〜70歳の間で、「拡げる」がキーワードになります。
ここでは、磨き上げてきた仕事の能力や人脈を活かしながら
新しい仕事やプロジェクトを作ったり、後輩に仕事を任せる時期になります。
要は管理職のように、多くの人をまとめてプロジェクトを進めていく感じです。
最後の人生の冬についてですが
これは70歳以降のことで、「与える」がキーワードになります。
ここでは、培ってきた経験や知識を次世代にシェアして
人と人を繋げたり、若い人や後進を育てていく時期です。
もちろんすべての人が、この通りに上手く進みませんが
仕事をするうえで、適切なタイミングを意識して動くことが大事になります。
このような区分を知るだけでも
「自分は今どの段階にいて、次に何をすればいいのか?」と
客観視することできるので、視界が開けます。
特にこの中でも、春と夏がとても重要な時期になります。
なぜなら、ここで大体の仕事のキャリアが決まるといっても過言ではないからです。
最後に
ここまで本書について紹介してきました。
自分の人生を生きていくうえで直面する課題に対して
経営学の知見を活用したコンセプトによる生き方が解説されています!
本書が気になる方は
是非本書を手に取ってみてください!
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