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『さよならも言えないうちに』のあらすじと感想について

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、川口 俊和さんの

『さよならも言えないうちに』について紹介をしていきます!

 

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『さよならも言えないうちに』について 

本書の概要

本書はひとことで言うと

「コーヒーが冷めないうちに」シリーズの4作目です。

 

本書をオススメしたい人

・「コーヒーが冷めないうちに」シリーズを読んだ人

・感動する話が好きな人

・泣ける話が好きな人

 

本作もこれまでのシリーズと同様で

喫茶店「フニクリフニクラ」にて

過去に戻りたい登場人物たちが

タイムスリップをして後悔を晴らす物語です。

 

また本作も4編で構成されており

共通するテーマは「さよならを言えなかった」です。

 

研究に明け暮れて家庭を顧みなかった門倉紋二は、

事故で植物状態になってしまった妻に

大切な一言を言えませんでした。

 

疋田スナオは、愛犬の最期を看取ることが出来ませんでした。

 

石森ひかりは、プロポーズを断ってしまった元カレの死を

後になって知らされました。

 

雉本路子は、酷い言葉で追い返してしまった

父親の震災死に後悔しています。

 

またこれまでは、『コーヒーが冷めないうちに』

『この嘘がばれないうちに』『思い出が消えないうちに』と

刊行順に作中の時間が経過していました。

 

しかし本作の『さよならも言えないうちに』は

『コーヒーが冷めないうちに』の翌年の物語として描かれています。

 

そして過去シリーズと同じく

感動できる話が好きな人は

涙無くして読むことはできないでしょう。

 

これまでのシリーズ作の感想が知りたい方は以下になります。

「コーヒーが冷めないうちに」はこちら

「この嘘がばれないうちに」はこちら

 「思い出が消えないうちに」はこちら

 

『さよならも言えないうちに』のあらすじ

あらすじの概要

「最後」があるとわかっていたのに、

なぜそれが「あの日」だと思えなかったんだろう——。

 

家族に、愛犬に、恋人に会うために

過去に戻れる不思議な喫茶店

フニクリフニクラを訪れた

4人の男女の物語。

 

とある町の

とある喫茶店の

とある座席には不思議な都市伝説があった

その席に座るとその席に座っている間だけ

望んだ通りの「時間」に移動ができるという

 

ただし、そこにはめんどくさい……

非常にめんどくさいルールがあった

 

1.過去に戻っても、この喫茶店を訪れたことのない者には会うことができない

2.過去に戻ってどんな努力をしても現実は変わらない

3.その席には常に白いワンピースを着た女が座っている

4.その席に座れるのはその女が席を立った時だけ

5.過去に戻っても、席を立って移動はできない

 

制限時間はカップにコーヒーを注いでから、

そのコーヒーが冷めるまでの間だけ

 

めんどくさいルールはこれだけではない

それにもかかわらず、今日も都市伝説の噂を聞いた客がこの喫茶店を訪れる

喫茶店の名前は、フニクリフニクラ

 

この物語は、そんな不思議な喫茶店で起こった心温まる四つの奇跡

第1話 大事なことを伝えていなかった夫の話

第2話 愛犬にさよならが言えなかった女の話

第3話 プロポーズの返事ができなかった女の話

第4話 父を追い返してしまった娘の話

あの日に戻れたら、あなたは誰に会いに行きますか?

さよならも言えないうちに より

 

第1話 大事なことを伝えていなかった夫の話

研究に明け暮れ、世界中を飛び回っていた

家のことも子育ても、妻の三重子に任せっきりでした。

 

そんな門倉を三重子はいつも笑顔で送り出して

帰ってくると門倉の話を

最後まできちんと聞いて、不満も贅沢も言いません。

 

しかしある日、事故で三重子は植物状態になってしまいます。

 

門倉は初めて、三重子の存在の大きさに気付き、

どうしても話せる状態の三重子に会って伝えたいことがあると

フニクリフニクラにやってきました。

 

第2話 愛犬にさよならが言えなかった女の話

スナオと坴男夫婦は

飼っていたゴールデンレトリーバーのアポロを亡くしました。

 

夫婦に子どもはおらず

アポロを本当の子どものようにかわいがっていました。

 

寿命がわかってからは、交代で寝ずに看病していましたが

妻のスナオが付き添っていた時、うたた寝をしてしまい、

その間にアポロが亡くなってしまいます。

 

アポロを看取ってあげられなかったことを悔やむスナオを見て、

坴男は、過去に戻れるという喫茶店フニクリフニクラを訪ねます。

 

第3話 プロポーズの返事ができなかった女の話

第三話の主人公・ひかりは

恋人の羊二からプロポーズされた時に

迷いがあり、返事を先延ばしにしました。

 

羊二は待ってると答えましたが

その半年後に、ほかに好きな人ができたと言って別れを切り出します。

 

ひかりは、羊二は待ってると言ったはずなのにと思い

自分はフラれたと思っていました。

 

しかしその後羊二の訃報がひかりに届きます。

 

そこでひかりは彼の性格を考えて、

もしかしたら自分が病気だとわかったことで

好きな人ができたと嘘をついて別れたのか?と考えます。

 

そして、羊二の本心を確かめるために

フニクリフニクラに訪れます。

 

第4話 父を追い返してしまった娘の話

路子は大好きだった母を亡くしてから

父・賢吾に育てられますが、父の小言に嫌気がさして

東京の大学に行くことで、地元である宮城県名取市を離れます。

 

そこから父と連絡も取らずにいましたが

父は大学を通じて連絡を取り、フニクリフニクラで会うことになりました。

 

しかしそこで路子は父を追い返してしまいました。

そして3日後に、賢吾は東日本大震災の津波にのまれて亡くなります。

 

路子は、あの時自分が追い返すことがなければ

父は生きていたのではないかと後悔します。

 

しかも賢吾は一度は避難していましたが、

路子のために貯金していた通帳を家に置いてきたことを

思い出して取りに帰ってしまいました。

 

後悔したまま6年が経ち、路子は婚約します。

 

婚約者は、フニクリフニクラの常連であり

過去に戻った経験のある二美子と知り合いでした。

 

父を助けたかった路子は

過去に戻っても現実は変えられないが

父に謝りたいということで、過去に戻ります。

 

『さよならも言えないうちに』の感想

本作も心温まる感動作!

本作の4つの物語も、

これまでのシリーズ作と同様で心温まる物語でした。

 

シリーズを通じて変わらず魅力的なところは

読者の気持ちに丁寧に寄り添い

「そういうことってあるなー」と思わせてくれるところです。

 

さよならがいつ訪れるかはわからないと

頭ではわかっていても、そのことを深く考えて

人と接している人は少ないと思います。

 

ですが、年齢問わずさよならが来る場合もあり

覚悟ができないことも多いです。

 

フニクリフニクラのルールのうち

「過去に戻っても、現実は変わらない」というのは

変わらない現実があったとしても

それを乗り越えられることを読者に伝えてくれています。

 

個人的に本作からは

必ず明日がくるとは思わずに

周りの人に、感謝の言葉をなるべくたくさん伝える重要さと

そうすることで、1つでも後悔を減らせるかもしれないということを学べました。

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

これまでのシリーズ同様

安定して読みやすく、感動作でした!

 

本書が気になる方は

是非手に取ってみてください!

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