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『勘違いが人を動かす 教養としての行動経済学入門 』の要約について

ビジネス

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、エヴァ・ファン・デン・ブルックさんとティム・デン・ハイヤーさんの

『勘違いが人を動かす』について紹介をしていきます!

 

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『勘違いが人を動かす』について 

本書の概要

本書はひとことで言うと

人をうまく動かすための行動経済学を教えてくれる1冊です。

 

本書をオススメしたい人

・人を思い通り動かしたい人

・行動経済学を学びたい人

・行動経済学を理解して、適切な行動を取りたい人

 

本書では、論理や感情よりも

人間は認知バイアスによって動かされることを論じています。

 

近年、認知バイアスに関する研究が進むにつれて

人間が無意識に行っている行動や心理的な傾向を

ビジネスや公共分野に活かそうとする動きが活発になっています。

 

そして行動経済学とは、認知バイアスにどのように影響されるかを理解し

これに基づいて意思決定のモデルを構築しようとする分野です。

 

本書では、行動経済学や認知バイアスについての理解を深めることで

相手への伝え方、様々なリスクから自分の身を守る方法が

事例と科学的知見をもとに、解説されている1冊です。

 

『勘違いが人を動かす』のまとめ

人は手間のかかるものより楽なものを選ぶ

人の脳は、できるだけ努力を避けようとする性質があります。

 

その理由は太古の昔、常に食料が手に入るか分からない時代に

常にエネルギーを節約することが、生き残るために重要だったことから

できるだけ楽な選択肢を選ぼうとする性質が、遺伝子レベルで身につきました。

 

実際にアイスランドの研究者が行った実験では

あるブランドのポテトチップスを

棚の下から取りやすい中段へ移動させただけで

売り上げが2倍上がったことが分かりました。

 

これはポテトチップスを手に取るときに

いちいちしゃがむのを手間だと感じる人が多く

それよりも手に取りやすい位置にある

ポテトチップスを選ぶ傾向があることが原因です。

 

またイギリスでは、解熱剤を大量に飲んで自殺を図る人が多かったのですが

解熱剤を少量のパッケージにして、1度に1錠しか出ないようにしたところ

たくさんの薬を一度に取り出すのが面倒になったため

自殺者数が大幅に減った事例もあります。

 

このように私たちは、少しの手間を避けて意思決定をする生き物です。

 

ビジネスの世界では、あえてお客さんにやって欲しい行動を簡単にして、

やって欲しくない行動を面倒にしている場合が多いです。

 

やって欲しいことを簡単に、やって欲しくないことを面倒にする

ジムや勉強などの本当はやった方がいいけど

めんどくさいと思っていることがあれば

それらをできるだけ簡単に、楽に実行できるように環境を整えます。

 

そうすることで、自然と行動力が上がります。

 

例えば、すぐに勉強や筋トレに取り掛かれるように

図書館やジムの近くに引っ越すとか

参考書を開いた状態で、机の上に置いておくとか

着替えやスニーカーを持ち歩かずに済むジムを使うなどです。

 

また「4時間勉強する」という大きな目標を掲げるよりも

「とりあえず図書館に行こう」とか「1問だけ解こう」などの小さい目標にすることで

簡単かつ楽に思えるようにして、行動しやすくさせる効果もあります。

 

このように楽に取り掛かれるように

目標を小さくすることで、行動力が上がります。

 

一方で、本当はやらない方がいいと思っている行動は

わざと手間がかかるようにするといいです。

 

例えば、勉強中にSNSをつい見てしまうなら

SNSを見終えたら、毎回ログアウトするようにすれば

いちいちログインをするのが面倒になって

見る回数を大幅に減らすことができます。

 

本書では「意思に頼るのではなく、環境を変えた方がいい」と書かれています。

もし自分が怠けてしまったりするのであれば

それは自分の意思ではなく、環境がそうさせている可能性があるということです。

 

行動力を上げるには「嫌だけどやらなければいけないこと」と「好きなこと」を組み合わせる

例えば、ポテチが大好きで、勉強がしたくない場合は

あらかじめ「勉強中だけポテチを食べられる」といった

オリジナルルールを設定することで、勉強しやすくなります。

 

実際に2013年にペンシルバニア大学が行った研究で

運動習慣を持たない226人の学生を集めて、3つのグループに分けました。

 

1つ目が「ジムに行ったときだけ面白いオーディオブックが聴けるグループ」

2つ目が「いつでも面白いーディオブックが聴けるグループ」

3つ目が「ジムに行ったら商品券がもらえるグループ」です。

 

その結果、もっともジムに通った学生が多かったのが

1つ目の「ジムに行ったときだけ面白いオーディオブックが聴けるグループ」でした。

 

グループ1の学生は、グループ2の学生より29%

グループ3の学生より51%もジムに通っていました。

 

ポイントは縛りを設けることです。

 

「〜のときだけ」と好きなことができるようにして

それ以外の時間では好きなことができないように、制限を設けることです。

 

例えば、勉強中だけポテチを食べられるけど

勉強中以外は食べられないといった感じです。

 

このようにいつでも好きなことができてしまうと

それがご褒美としての価値を失い、嫌なことに取り組む動機が減ってしまいます。

 

人を動かすには、損を強調するのがいい

人の脳は、得をする喜びよりも損をする恐怖の方が

約2.25倍強く感じる傾向があります。

 

例えば、50%の確率が当たりが出て

50%の確率でハズレが出るくじがあるとします。

 

そして当たりが出た場合は200万円をもらえるが

ハズレが出た場合は100万円を支払わなければいけない場合

合理的に考えると、くじを引いた方が得ですが

損することを恐れて「参加しない」という選択をする人が多いです。

 

なぜなら人は、200万円もらえることによる得よりも

100万円失うことによる損失を2.25倍大きく捉える傾向にあるからです。

 

そのため、ただでさえ面倒くさがりで

楽な方へと流れる人間を動かすためには、得よりも損を強調するのがいいです。

 

例えば「今買っておいた方が1万円お得です。」というよりも

「円安が進んでいるので、来月には1万円値上がりするかもしれません」の方が訴求力があります。

 

他にも、保険は割に合わないと知りつつも入ってしまったり

閉店セールや期間限定などを無視できないのも

「損を回避したい」という心理が働くからです。

 

そのため何かを買ったり、契約する際には

損に惑わされずに、一度物事を深く考えて決断することが大切です。

 

人は選択肢を求めるが、選びたくない

人は選択肢が多すぎると、選ぶのが面倒になったり

何かを選ぶと損してしまうかもしれないと感じて、結局何も選べなくなったりします。

 

実際にスタンフォード大学とコロンビア大学が行った実験で

スーパーマーケットでジャムを

24種類陳列した場合と6種類陳列した場合とでは

多くジャムが売れたのは、6種類のジャムを陳列した場合でした。

 

具体的には24種類のジャムを陳列していた場合は

その棚の前を通ったお客さんの2%が購入したのに対して

6種類の場合は、お客さんの12%がジャムを購入していました。

 

一方で、選択肢が少なすぎるのも良くないです。

 

なぜなら人間は自分で自由に決めたい、選びたいという

コントロール欲求があるからです。

 

実際に何から何まで支持をする会社は、従業員の離職率が高まるのに対して

出勤時間や休憩時間などのちょっとしたことを従業員本人に決めさせる職場では

従業員のコントロール感が高まって、離職率が減り、

仕事のモチベーションが上がることが分かっています。

 

そのため最適なのは、多くても10種類くらいの選択肢に絞って

その中から自由に決めることになります。

 

例えば、靴や服のレパートリーでも

多くて10種類くらいまでにすれば、サクッと決めて出掛けられますし

Amazonの売れ筋のランキングなどでも

各ジャンル大体トップ10くらいから選ばれます。

 

物事を伝える時はとにかく分かりやすくする

人間の脳は、難しいことを深く考えると疲れるので

簡単でわかりやすい情報を好む傾向にあります。

 

実際にノーベル賞を受賞したダニエル・カーネマンは

「人間にとっての思考とは、猫にとっての水泳だ。

できなくはないけど、あえてしたくないものだ」と言っています。

 

そのため、商品や自分の趣味などに興味を持ってもらうときは

相手に分かりやすく情報を伝えることが大事です。

 

分かりやすさは正義であり、とにかく相手に

「面倒くさい」「分かりづらい」「難しい」と思わせないことが大切です。

 

どれだけ素晴らしい情報や知識であっても

それを複雑で難しく伝えると台無しになってしまうということです。

 

人はお金や時間が足りないと頭が悪くなる

お金がない、時間がない、健康ではない、食事がないなど

必要なものが不足している状態であると

足りないことばかり考えてしまい、柔軟な思考ができなくなります。

 

実際に欠乏状態にあると、IQが13ポイントも下がることが分かっており

これは健常者と慢性アルコール中毒患者の差に匹敵する知識の低下です。

 

お金がない人ほど、宝くじを買ったり、ギャンブルに手を出したり

歯の定期検診を怠るなどの自滅的な行動を取るのも

お金の不足が原因で、頭が悪くなっている状態です。

 

どれほど頭のいい人でも切羽詰まった状況だと

先のことが考えられずに、目の前のことばかりに気を取られるようになります。

 

なので、タイムセールなどで相手を急かすと商品が売れやすくなりますし

締切に追われると、やってはいけないこともやってしまいます。

 

そのため何がなんでも、時間とお金の余裕を失わないことが大切です。

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

他にも本書では、人をうまく動かすための行動経済学がたくさん解説されています。

 

本書が気になる方は

是非本書を手に取ってみてください!

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