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『三十の反撃』のあらすじと感想について | 2022年本屋大賞翻訳小説部門第1位!

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、ソン・ウォンピョンさんの

『三十の反撃』について紹介をしていきます!

 

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『三十の反撃』について 

本書の概要

本書は、2022年本屋大賞

翻訳小説部門第1位の作品です。

 

著者は既に、2020年の本屋大賞

翻訳小説部門第1位を獲得した『アーモンド』で

大ベストセラーになりました。

 

本書は、社会的弱者である主人公から

自分らしく生きていく勇気を与えてくれる作品です。

 

本書をオススメしたい人

・話題作が気になる人

・弱者に寄り添った作品が好きな人

・自分の生き方を見つめ直したい人

 

本書は、主人公だけではなく

過去に自分よりも権力がある人(上司・先生・クラスの人気者など)から

不当な扱いをされた人達が登場します。

 

その人達が団結して

力を持つものに対して「反撃」を始めます。

 

「反撃」と言っても

法を犯したり、SNSで拡散することもなく

全て自己満足のために行い

客観的にみれば、小さな声をあげるということです。

 

社会の理不尽に翻弄され

何もできない非正規雇用の女性が

人との出会いや「反撃」を通じて

自分自身の生き方を手に入れていく物語です。

 

『三十の反撃』のあらすじ

あらすじの概要

1988年ソウルオリンピックの年に生まれ、三十歳になった非正規社員のキム・ジヘ。

88年生まれに一番多い名前「ジヘ」と名付けられた彼女はその名の通り、平凡を絵に描いたような大人になっていく。

大企業の正社員を目指すジヘの前に現れたのは、同じ年の同僚ギュオク。

彼の提案する社会への小さな反撃を始めることになったジヘは、自身を見つめなおし、

本当にしたかったことを考えるように。

そして、ついに「本当の自分」としての一歩を踏み出すことになる。

引用元:三十の反撃

 

主な登場人物

キム・ジヘ

大企業DMグループ系列のスクール事業

「ディアマンアカデミー」のインターンとして働いています。

 

非正規職の30歳で、

半地下の部屋で一人暮らしをしています。

正社員を目指しながら、いつかDM本社で働くことを夢見ています。

 

ギュオク

「ディアマンアカデミー」に

新しく入社してきたインターンで、ジヘと同い年です。

 

愛想が良く、礼儀も正しく、人望があるものの

どこか妙な陰のある謎多き男性です。

 

ジヘをアカデミーのウクレレ講座に誘い

ジヘとそこで知り合った仲間たちに

社会への小さな反撃を提案します。

 

ムイン

30代のシナリオ作家です。

 

かつて自分の書いたシナリオをわずかな契約金で売ったものの

それが映画化されると、自分の名前が脚本ではなく

原案者として表記されていることが判明します。

 

ショックのあまり執筆ができない状態が続き、現在に至ります。

 

ナムン

50代で、中学生の娘がいますが

家族と離れて1人で暮らしています。

 

かつて食堂を営んでいたが、現在は閉店しています。

その理由は共同事業者に騙され

事業を乗っ取られたからでした。

 

現在は、動画配信で

サイバーマネーを稼ぎながら、細々と生きています。

 

『三十の反撃』の感想

弱者に寄り添った物語

主人公はDMという大手企業で

インターンを務める30歳ののジヘですが

実力が認められれば正社員になれるかもしれないという

淡い期待を抱き、居心地の悪い職場で

鬱々たる日々を過ごしています。

 

本書の根底のテーマは、深刻な格差社会であり

ジヘ自身も、非正規職員ながら安月給で

上司は尊敬できるような人ではない状況です。

 

生きていて誰しもが

「これは間違っている」と思っても

権力者の前では黙るしかなかった経験があると思います。

 

ジヘ自身も過去の出来事から

自分のことを平凡だと思っていて

それにより、自分の声を出せずにいました。

 

それでも、ギュオクをはじめとする登場人物との出会いから

社会に対する小さな「反撃」を通して

段々と自分らしさを取り戻していく姿は

読者として、応援したくなりました。

 

間違っていると思っても

諦めて声をあげなくなった人へ

小さくてもいいから声に出すと

何かが変わるかもしれないという

メッセージを優しく教えてくれる作品です。

 

疎外感を感じる人には刺さる

本書は、社会から少しでも

疎外感を感じている人には

刺さってくる内容だと思いました。

 

社会に対して何もできない

どうせ私なんて と

思っている人は一定数いると思います。

 

著者自身も本書を書くときに

疎外感を感じていたと述べています。

 

 この作品を書くとき、私の置かれた境遇は、不公平感、疎外感、焦りを感じているキム・ジヘとさほど変わりませんでした。私自身、とても長いこと努力してきた仕事の面で、何の成功もなしえず、失敗を重ねる中で自分自身を疑っていました。フリーランスという特性も重なって、同年代の人たちと比べてもとても出遅れていました。

引用元:著者インタビュー

 

著者自身が正直に感じていたことだからこそ

読者には優しいメッセージながらも

強く感じるものがあるなと感じました!

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

本書では、自分の気持ちに

正直になる重要さを感じました。

 

また、人は結局1人では生きていけず

他人との関係によって進歩していくことが

ものすごく伝わってきました!

 

本書が気になる方は

是非手に取ってみてください!

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