こんにちは!しょーてぃーです!
今回は、冨山 和彦さんの
『ホワイトカラー消滅 私たちは働き方をどう変えるべきか』について紹介をしていきます!
『ホワイトカラー消滅 私たちは働き方をどう変えるべきか』について
本書の概要
本書はひとことで言うと
ホワイトカラーの終焉と生き残るための働き方の変貌を教えてくれる1冊です。
本書をオススメしたい人
・キャリア形成に悩んでいる人
・組織改革を推進していきたい人
・日本の経済や労働市場の未来に関心のある人
本書は、デジタル化とAIの進展、
そして少子高齢化による労働市場の変化を背景に、
従来のホワイトカラー層の働き方が崩壊しつつある現状を指摘し、
今後のキャリアや企業のあり方について提言している1冊です。
著者の冨山和彦さんは、企業再生支援の第一人者としての視点から、
ホワイトカラーの業務の多くがデジタル技術に代替される未来を示唆し、
単純なホワイトカラー業務では、今後生き残れない時代に突入したことを強調します。
また「人手不足」と「人余り」 が同時に起こる日本社会において、
個人・企業・社会がどのように対応すべきかを論じています。
具体的には、ローカル経済の人手不足問題、
エッセンシャルワーカーの高度化、デジタル化に適応した働き方の推進など、
多様な視点から変革の必要性を説いています。
また、これからの時代に求められる
「学び続ける姿勢」と「専門性の確立」の重要性も強調されています。
ホワイトカラーとして働く全ての人に向けて、
「これからの時代にどう生き残るか?」という問いを投げかけ、実践的な指針を示す1冊です。
『ホワイトカラー消滅 私たちは働き方をどう変えるべきか』のまとめ
1100万人の人手不足と人手あまりが同時に起こる
2040年には、日本で1100万人ほどの労働者不足になるという試算が出ています。
ですが、1100万人もの労働者が不足しているにも関わらず
人が余って仕方がないという業界もあります。
それは事務や弁護士、税理士、会計、デザイン、
中間管理職、コンサルティングなどのホワイトカラーの仕事です。
このようなデスクワークの仕事は、AIに取って代わられる可能性が高く
著者は8割くらいのホワイトカラーの仕事がなくなると指摘しています。
一方で、猫の手も借りたいくらい人手不足になるのが
警察官、自衛官、介護、医療、農業、水産業、運搬、飲食などの
現場で働くエッセンシャルワーカーの仕事です。
これらの仕事のうち、一部AIに取って代わられるものもありますが
ほとんどのエッセンシャルワーカーの仕事は
どれだけAIを取り入れても、絶対に人の手が必要な部分が出てくるので無くなることはありません。
つまり今後は、高学歴で税理士やコンサルティングなどの
ホワイトカラーの仕事の価値は下がり
代わりに現場で働くエッセンシャルワーカーの価値が上昇するといった
価値の逆転現象が日本で起こる可能性が高いということです。
残るホワイトカラーの仕事は、優秀な経営者かクリエイターのみ
2040年には、8割ものホワイトカラーの仕事がAIによって無くなりますが
残りの2割は、今まで通りホワイトカラーの仕事を続けられます。
それは、優秀なクリエイターか経営者になります。
まずクリエイターは、AIには真似できないような
独自の才能を持つ人だけが生き残ることができます。
細田守さんの映画や、あいみょんさんの音楽のような
オリジナリティあふれる作品を生み出す人たちのようなことです。
ですが残念ながら、それ以外の平凡なクリエイターは
生成AIに取って代わられてしまいます。
次に経営者ですが、自分の頭で考え、世の中の問題や課題を見つけますし
組織を動かしたり、経営の責任や意思決定などの
人間ではいけない仕事があるので、今後も不可欠な職業です。
このように自分の頭で考えてやる仕事は残りますが
作業になっているようなホワイトカラーの仕事は、消滅していく運命にあります。
そのため著者は、学生でなんとなく文系を選んで
漠然とホワイトカラーの死後トォしようとしているのなら
考え直した方がいいとを述べています。
エッセンシャルワーカーは高い賃金になる
まず現在、医師以外の医療や介護、農業、物流などの
エッセンシャルワーカーの賃金は、比較的低い傾向にあります。
その理由は大きく2つあり
1つ目は、人材が多く、替えがたくさんいることで
2つ目は、テクノロジーの活用が難しく、生産性が低いことです。
ですが、ここに来てエッセンシャルワーカーの仕事が
酷い人手不足に陥っていますし、AIを活用することで
生産性を2〜4倍に上げることができると見込まれています。
イメージとしては、AIの活用によって
1人で20人以上の介護を担当したり、1人で広大な農地の管理が可能になるような感じです。
つまり学歴がなくても、現場でバリバリ働ける人の方が稼げるようになります。
ちなみに既にそのような事例はあり、北海道の猿払村のホタテ漁では、
村全体で価格維持とブランド化に成功しているので
漁獲量が多い時期には、40代で年収3000万円、
20代でも2000万円の収入を得ることができています。
世の中のエッセンシャルワーカーすべての仕事が
ここまでの賃金上昇になるかはわかりませんが
現場仕事の収入が上がっていくのは、ほとんど確実といっても過言ではありません。
ホワイトカラーは現場仕事への転換を検討する
前述の通り、今後8割のホワイトカラーの仕事が不要になる一方で
エッセンシャルワーカーの人手不足は深刻化します。
であれば、シンプルに余っているホワイトカラーをしている人たちが
オフィスを離れ、現場仕事に移行すれば人材のミスマッチを解消できます。
そこで現在ホワイトカラーの仕事をしている人たちは
まず今勤めている会社の、現場で活躍できる人材になることを目指すといいです。
もし今勤めている会社で現場の仕事に就けない場合は
スキルを1から学び直して、寿司職員やバスの運転手、
医療従事者、介護、ホテルマンなどの現場仕事に転職することが求められます。
もちろん、ノウハウだけではなく
AIの導入によって現場で必要なスキルも変わりますので
そのような新しいやり方を学びます。
オフィスワークをしていた人たちが
いきなり現場職へ転職するのは大変だと思います。
ですが、50代であれば逃げ切れるかもしれませんが
50代未満の人は、影響を受けることになるので
できるできないではなく、やるしかないのです。
ちなみに著者はこのような状況を
「明治維新による武士階級の消滅」に似ていると言います。
江戸時代では、武士は殿様に仕える存在でしたが
明治維新によって徐々に武士が不要になっていったことで
武士の賃金もどんどんと減らされていきました。
そうした状況の中、武士たちは政府に抵抗を示しながらも
やむを得ず武士を辞めて、官僚や軍人、教育者、商人などに仕事を変えていきました。
今ホワイトカラーの仕事をしている人は
この時の武士の状況と全く同じであり
パソコンでやる資料作成や事務等は、AIに任せて
現場に出て体で稼がなければならないということです。
東京から地方の現場仕事に目を向ける
放っておいても人が集まる東京都は違い
地方では人口が減少の一途を辿っています。
その結果、地方では1人が複数の役割を担わなければならないほど
人手不足が深刻な状況にあります。
これらの理由より、東京で仕事の争奪戦をするよりも
地方に目を向けた方が、いい仕事がある可能性が高いです。
さらに東京だと、家賃や生活費高く、自由に使えるお金が少なくなりますが
地方であれば、年収400万円でも貯金も結婚も育児も十分可能です。
だからこそ地方の経営者は、AIを導入し
エッセンシャルワーカーの生産性と賃金を向上させ
魅力的な仕事を作る必要があると述べています。
ちなみに著者自身も、経営難に陥った地元の企業を
AIなどで生産性を高め、再建する事業も手掛けています。
グローバルな大企業から地方の中小企業に目を向ける
日本のGDPの7割を占める中小企業が活性しなければ
日本経済そのものが良くならないです。
前提として、日本を代表するトヨタ自動車、ソニー、ユニクロ、任天堂などの
グローバルな大企業が日本を支えていると思っている人が多いです。
しかし、大企業だけが成長しても、そこまで国内の雇用は増えないですし
日本全体の豊かさにはつながりにくいです。
実際に、これらのグローバル企業は日本全体で生み出すGDPは
全体の3割程度にしか過ぎないからです。
一方で、残りの7割を地方の中小企業が占めています。
そのため著者は、「中小企業ひいては地域経済、地方経済が
全国的に回復することなしに日本経済の復興はありえない」と述べています。
地元の中小企業は、大企業と違いデジタル化がそこまで進んでいないので
AIなどを導入することで、生産性が2.3倍に成長する可能性がたくさんあります。
これらの観点からでも、地元の会社の経営者はAIを活用して
生産性と賃金を上げることは重要ですし
労働者は、地元のAIを活用している賃金の高い会社への転職を検討することが大事です。
最後に
ここまで本書について紹介してきました。
ホワイトカラーの職種の未来と
労働者の行動指針が詳しく解説されている良書だと思いました!
本書が気になる方は
是非本書を手に取ってみてください!
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