こんにちは!しょーてぃーです!
今回は、黒尾誠さんの
『腎臓が寿命を決める 老化加速物質リンを最速で排出する』について紹介をしていきます!
『腎臓が寿命を決める 老化加速物質リンを最速で排出する』について
本書の概要
本書はひとことで言うと
80歳,90歳まで健康を維持する方法を教えてくれる1冊です。
本書をオススメしたい人
・腎臓の重要性を知りたい人
・高齢になっても健康でいたい人
・腎臓を健康でいたい人
健康であるためには、胃、腸、肝臓などの
臓器がしっかり機能する必要がありますが
なかでも特に歳を取るとダメになりやすいのが腎臓です。
実際に日本の慢性腎臓病の患者数は約1,330万人と推定されており
腎臓が機能しなくなった人が受ける透析の患者数は
2021年末時点で約35万人になっています。
腎臓は血液の中の老廃物や余計な水分、塩分、カリウム、
カルシウム、リンなどを尿として排泄し、
必要な栄養分やミネラル、水分は身体に戻すという
言わば血液の浄水器のような働きをしています。
そのため腎臓がやられてしまうと、異常のある血液が全身に回り、
血管トラブルや慢性炎症、動脈硬化、筋肉量の減少、認知症、寿命の短縮など
一気にさまざまな不調が起きます。
特に現代は食事の乱れによって腎臓をやられる人が増えています。
本書では、抗加齢医学研究部の教授である著者による
腎臓を守る方法が解説された1冊です。
『腎臓が寿命を決める 老化加速物質リンを最速で排出する』のまとめ
リンが多すぎると老化が早まる
まず1991年に著者が老化の原因を調べるために
実験用のマウスを誤って突然変異したことがありました。
この突然変異したマウスですが、普通のマウスと比べて
毛並みが悪く、早く筋力が衰え、制欲も弱く、オスメスともに不妊で、
体も小さく、認知症になりやすいなど老化が早いマウスでした。
そこでこのマウスに何があったかを詳しく調べると
このマウスは遺伝子変異によってリンというミネラルを排出できずに
体内に溜め込んでいたことが分かりました。
つまり本来、腎臓によって余分なリンを排出できるのですが
このマウスは遺伝子変異によって
腎臓でうまくリンを排出できなくなっていたということです。
そこでこのマウスの餌に含まれるリンを減らしたところ
やはりマウスの老化が緩やかになりました。
そこからリンを摂りすぎることが
私たちの老化を加速させるということが分かりました。
リンとは、肉や魚、乳製品などに多く含まれているミネラルになります。
リンの約80%はカルシウムと共に骨や歯を作っている成分で
残りの20%はDNAや細胞膜の主成分になっています。
リン自体は必要なミネラルですが、多すぎると毒となり
血管トラブルや慢性炎症、動脈硬化、筋肉量の減少、認知症、寿命の短縮など
老化を加速させる大きな原因となります。
リンが多すぎると腎臓に負担がかかる
腎臓からしても、大量のリンは有害物質なため
処理をするのにかなりの負荷がかかります。
腎臓が余分なリンを排出するときに、ネフロンというものを使っているのですが
大体生まれた時点で一人当たり約200万個のネフロンを持っているところ
大量のリンを処理するごとにネフロンが段々と減っていきます。
そして50歳、60歳くらいにはネフロンの数が減り
徐々に腎臓も弱くなっていくので、処理能力が下がります。
そして最終的にネフロンの数が少なくなれば、腎臓病になります。
またネフロン自体を増やしたり、回復させることはできず
生まれつきの個人差で人によって多い少ないも異なります。
そのうえで私たちが腎臓を80,90歳まで維持するためにできることは
リンの入った食べ物を制限しておくことです。
できるだけ加工食品を避ける
リンというミネラルはほぼ全ての食べ物に含まれています。
その中でも特に多く含まれているのは
肉や魚、乳製品、ジャンクフード、加工食品、スナック菓子などです。
ここで大事になるのは、リンには無機リンと有機リンの2種類があることです。
有機リンとは肉や魚、牛乳などの天然の食べ物に含まれており
体内への吸収率は20~60%になります。
一方で無機リンは、ソーセージやハム、ベーコンなどの加工肉や
コンビニの弁当、チョコ、ポテチなどのお菓子、
インスタント麺、ファストフードなどの加工食品に含まれており
体内への吸収率が90%以上になります。
つまり無機リンが含まれる食品を食べると
含まれるほぼ全てのリンを体内に吸収してしまうということです。
これらの食品に無機リンが含まれる理由は、食品を腐らせないためです。
これにより、昔に比べて腎臓病が増えている1つの原因に
加工食品を口にする機会が増えたことが挙げられ
本書では「現代の普通の食生活をしていれば
ほとんどの人が必要量をはるかに超えるリンを食べている」と書かれています。
あくまでも、健康的な人や生まれつき腎臓が強い人であれば
そこまで気にする必要はありませんが
80,90歳まで健康寿命を延ばしたいのであれば
意識して加工食品を避けることが大事になります。
無機リンは見えない敵
加工食品に含まれている無機リンは、
食品のラベルにさまざまな表記がされており
一見すると含まれているかどうかが分かりづらいです。
実際に無機リンには、リン酸塩、メタリン酸、ポリリン酸、
ピロリン酸、かんすい、酸味料、香料、乳化剤、pH調整剤、強化剤など
非常に多くの名前で表記されています。
基本的に「〜料」や「〜剤」と書かれているものは
無機リンが含まれている可能性が非常に高いので、警戒した方がいいです。
またリンは塩や砂糖とは違い、無味無臭のため
気付かないうちに大量摂取をしていることが多いです。
リンを摂りすぎているかを調べる方法
リンの撮りすぎかどうかのポイントは
血液検査でFGF23というホルモンを調べることです。
FGF23とは、私たちがリンをたくさん摂取すると
それを感知して骨の細胞から出るホルモンです。
そしてそのホルモンを受け取った腎臓が
余計なリンを尿として排出するという身体のつくりとなっています。
そのため、1番最初にリンが多いと反応するのがFGF23の数値になります。
この数値の上昇を無視してリンを摂取し続けると
腎臓が耐えきれなくなり、血液中のリンの濃度が上がります。
ただ血液のリンの数値が高い時点で
既に腎臓は危険な状態になっていることから
予防としては、最初のサインであるFGF23の数値を調べることです。
しかしながら、FGF23を測定できる医療施設は限られており
保険適用外となってしまうので高額になります。
保険適用内で調べるのであれば、尿のリンの濃度や
血中クレアチニンの値をチェックするのがおすすめです。
腎臓が弱っているときに控える食べ物
ここでは、もし既に腎臓が弱っている場合、
加工食品以外に注意すべき食べ物についてです。
まずは肉です。
基本的にリンはタンパク質の量と比例しやすく
なかでも赤みの肉はリンが多く含まれています。
しかし赤みの肉は貴重なタンパク質であり、栄養も豊富なので
健康な人が減らしすぎることはよくないです。
次に牛乳です。
牛乳はカルシウムが多いのですが、リンも同じくらい多いです。
成長期の場合、骨にリンが使われるので別にいいのですが
身体の成長が止まった大人がカルシウムやリンを
たくさん取り入れてもそこまでいいことはありません。
また、チーズやヨーグルトなどの牛乳以外の乳製品もです。
乳製品は基本的にリンが多く含まれており
特にプロセスチーズは無機リンが入っているので
どうしてもチーズが食べたいときは、ナチュラルチーズを選ぶ方がいいです。
他にも、しらすやししゃもなどの小魚、いくらやたらこなどの魚卵、ナッツ類、
アーモンド、ピーナッツ、カシューナッツ、そばやラーメンにもリンが多く含まれています。
ただしこれらは、あくまでも既に腎臓が弱っている人が意識するべきことであり
健康的な人が制限しすぎると、タンパク質不足になります。
45,50歳くらいからリン制御をしていく
若い頃は誰でも腎臓のヘフロンの数が多いので
荒れた食生活をしても問題ありませんが
歳を取れば腎臓が弱り、リンをうまく処理できなくなることが多いです。
なので歳を取ったら、リンの多い食べ物に気をつける必要があります。
例えば「毎日のようにラーメンを食べるのをやめる」や
「加工食品をなるべく買わないようにする」などの
小さいことからでいいので、リンの多い食べ物と距離を取ることがおすすめです。
リンを摂りすぎて腎臓が機能しなくなると
透析という腕に週3回、1回4~5時間ほどかけて
腎臓の代わりに人工的に血液を濾過することをしなければならなくなります。
また、透析をすることで吐き気、嘔吐、だるさなどの症状は出ますし
腕には注射の後でいっぱいになりますし
保険を掛けても1ヶ月1万円ほどかかります。
ちなみに保険がなければ、1ヶ月40万円ほどかかるため
日本で透析にかかる医療費は年間1兆6000億円と
医療費の4%ほどを占めているくらいです。
そうならないためにも45,50歳あたりから
自分の腎臓の状態をチェックして、リン制限をしていくことがおすすめです。
最後に
ここまで本書について紹介してきました。
健康寿命を維持するうえで腎臓が重要であることが
本書を通じてよく理解できました!
本書が気になる方は
是非本書を手に取ってみてください!
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