こんにちは!しょーてぃーです!
今回はマイケル・サンデルさんの
『それをお金で買いますか 至上主義の限界』について
紹介をしていきます!
『それをお金で買いますか 至上主義の限界』について
本書の概要
本書はひとことで言うと
売買されるべきものと、されないべきものの
線引きを考察した1冊です。
本書をオススメしたい人
・価値について考えたい人
・市場主義について知りたい人
・お金に対する価値観を変えたい人
本書は「市場主義の限界」について解説している1冊です。
市場主義とは
「生産と消費の調整に政府が介入せず
市場の調整能力に任せる」という考え方のことです。
本書は、ほとんどのものがお金で買える現状で
「こういうものは売買されるべきでない」と主張していません。
むしろ、読んだ人に対して
「あなたはどう思いますか?」と問いかけるものです。
本書にて、市場主義についての解説から
市場の役割や売買することについて、考えさせられる1冊です。
『それをお金で買いますか 至上主義の限界』のまとめ
あらゆるものが売りに出される時代
世の中のほとんどものは、お金で買うことができます。
本書によると中国では、健康すら買えるとのことで
首都圏の病院では人が多すぎて
診察もらうために徹夜で並ぶこともあります。
そんな状況のなか、金持ちはダフ屋から
診察の順番を買うことで、並ばずに医者に診てもらっています。
また、学歴も裏口入学のような
親が金持ちで多額の寄付が見込める生徒を
入学させるケースも多々あります。
このように、世の中のほとんどのものは
お金で買えるようになりました。
そしてそのような状態になった原因は
現代の「市場主義」にあります。
至上主義では、物の売買に
政府はほとんど介入しません。
そのため消費者が「欲しい!」と思ったものは
なんでも売りに出される傾向があります。
このような状況に対して
「それはちょっとやりすぎじゃない?」と
メスを入れるのが、本書のメインテーマです。
違和感の原因は不平等
「お金がすべて」という考え方に
違和感を抱く人も一定数いると思います。
本書ではその違和感をもたらす原因の1つに
「不平等」を挙げています。
お金で買えるものが増えれば増えるほど
裕福な人と貧しい人の格差は広がります。
金持ちであることのメリットが
豪邸に住んだり、海外旅行に行ったりといった
「贅沢できる」ことだけならまだいいです。
しかし、お金がないと病院の診察を後回しにされたり
安全な地域に住めなくなったりすると
どうしても不平等さを感じます。
市場主義が広がることで
生活の根幹にまで影響を及ぼすようになると
裕福な人と貧しい人の不平等感が一気に強まります。
なので「お金がすべて」と言われると
不安な感情を抱くようになります。
このことから、売買の対象とするポイントは
「どれくらい自分の生活に密接してるか」になります。
売買されると腐敗する
「お金がすべて」に違和感を抱くもう1つの原因は
ものは売買されると腐敗するからです。
例えば、小学生のときに
テストで100点取ったら、お小遣いが100円もらえるとして
勉強がが好きでなくても
お金のために勉強をしたことはあると思います。
ですが、勉強してお金がもらえるということは
子供にとって「勉強 = 仕事」となってしまいます。
勉強は大事ですが、義務的に勉強しても
好奇心からの勉強ではないことから
将来の身になることが無かったり
本来の勉強の良さを感じられることは少ないです。
これが腐敗するということです。
ものによっては売買の対象になると
価値を失ってしまうことがあります。
このことから「売られることで腐敗しないか」も
売買の対象にするべきかどうかの判断基準となります。
健康とお金について
本書では、健康について中国での事例だけでなく
アメリカでの事例も紹介されています。
アメリカでは医療を受けるためには
何日も前から予約しなければならず
やっと診察してもらっても
短時間で慌ただしく診察されることが多いです。
そんな状況で誕生したのが
「コンシェルジュドクター」というサービスです。
これは高い年会費を払うことで
当日か翌日に診察してもらえるサービスです。
もちろん時間をかけて丁寧に診てもらえて
専門病院へ行く必要があれば、その手配までしてくれます。
普通、より良いサービスに
多くのお金を払うのは普通のことです。
ですが、病院でお金持ちが
優先されることに違和感を抱くのは
命や健康は誰もが平等に守られるべきという考え方があるからです。
このような理由より、医療の分野が
市場主義に入ってくることに批判の声が出てきます。
教育とお金について
アメリカには成績優秀者に対して
報酬を出す学校があります。
つまり、子供たちに対して
勉強をさせるためにお金で釣っており
やる気を引き出し、学校全体の成績を上げようとしています。
しかし、頑張った社員に対してボーナスを与えることは
一般企業では当たり前のことです。
それなのに学習の分野に対して
報酬を出すことへの違和感を抱くのは
「勉強はお金のためにするものではない」という考え方があるからです。
教育というのは、崇高なもので
金銭が絡むと価値が落ちてしまう気がします。
このことから学校教育の分野に
市場主義が入ることも賛否が分かれます。
サインの売買について
よく有名人のサインが
フリマやネットオークションで売買されています。
サインを転売することは
有名人の方の行為を踏み躙っています。
時間を割いて無償でサインしているのに
もらった側はそれを横流しにするだけで利益を得ています。
そもそもサインを売買するということに
意味があるのか?という問題もあります。
本来サインというものは
もらった時のストーリが大切です。
憧れの人に直接会って書いてもらったり
自分で応募して当選したことが
サインの価値があるのではと思います。
つまり、記念品や思い出の品にまで
市場主義が入ってくることの是非についても
わたしたちは考えなければいけません。
心の交流はお金で買えない
世の中のほとんどはお金で買えますが
それでもお金で買えないものがあります。
それは家族や友達・恋人のような心の交流です。
ただ近年ではそういう人たちが
担ってきた役割の一部が
サービスとして売買されています。
家族が分担してやっていた家事は
家事代行というサービスで賄うことができます。
また友人が近くにいなくても
お金を払えば、悩み相談ができるサービスがあります。
また、レンタル彼氏・彼女という
一定の時間、お金を払って擬似恋愛をすることもできます。
ですが、心の交流だけは
お金を払っても得られないことが重要です。
つまりお金で様々なものが買える時代ですが
決してお金で買うことのできない
「今周りにいる人との関係」は大事にするべきです。
最後に
ここまで本書について紹介してきました。
本書を通じて、お金で売買されるものについて
考えさせられるきっかけとなりました!
本書が気になる方は
是非手に取ってみてください!
コメント