こんにちは!しょーてぃーです!
今回は、佳奈さんの
『なぜ僕らは働くのか 君が幸せになるために考えてほしい大切なこと』について紹介をしていきます!
『なぜ僕らは働くのか 君が幸せになるために考えてほしい大切なこと』について
本書の概要
本書はひとことで言うと
「働く意味」を自分の言葉で考えるきっかけを与えてくれる1冊です。
本書をオススメしたい人
・働くことに漠然とした不安を感じている学生や若手社会人
・転職やキャリアチェンジを考えているが、何を軸に選べばいいか分からない人
・子どもや部下に「なぜ働くのか」を説明したい保護者や指導者
本書は、進路や将来について漠然とした不安を抱く若者や社会人に向けて、
「働くとはどういうことか?」をストレートに問いかける教育的かつ哲学的な書籍です。
漫画と図解を交えながら、社会の仕組み・職業の多様性・
お金と労働の関係・仕事のやりがいなどを平易な言葉で伝え、
読む人の視野を大きく広げてくれます。
また本書は「会社に入ること」がゴールではないと明確に語ります。
その代わり、「自分がどんな価値を社会に提供できるか」
「自分が何に幸せを感じるのか」という内省的な問いを中心に、
キャリア選択を考える視点を養います。
また、働き方改革やAIの進化といった現代のリアルな課題にも触れ、
旧来の価値観にとらわれず、「どうすれば自分らしい働き方ができるのか?」という
読者の悩みに寄り添う構成になっています。
若者だけでなく、働き方や生き方に立ち止まっているすべての人に読んでほしい、
人生と仕事の関係を考える上での教養書とも言える内容です。
『なぜ僕らは働くのか 君が幸せになるために考えてほしい大切なこと』のまとめ
ストーリーと構成
本書『なぜ僕らは働くのか』では、「なぜ働くのか?」という問いに
正面から向き合い、多角的な答えを提示していきます。
中学生の主人公・ハヤトが叔母から手渡された一冊の本を読み進める物語仕立てになっており、
温かみのあるマンガストーリーと豊富な図解による解説が交互に展開します。
読者もハヤトと一緒にその本を読み、視覚的な情報で
内容がすっと頭に入ってくる構成です。
池上彰氏が監修を務め、著者・佳奈さんによる
親しみやすいキャラクター描写とともに、読者は楽しく知識を吸収できます。
お金と労働の関係を考える
最初に出てくるのは、働く=お金を稼ぐというイメージへの疑問です。
なぜ人はお金がないと生きていけないのか? という根源的な問いからスタートし、
社会の中でお金が循環している仕組みを解説します。
例えば、ハヤトがゲームソフトを買うためにお小遣いを貯めるというエピソードでは、
「そのお金はどこから来て、何に価値を感じているのか」という視点が与えられます。
私たちが日常で手にする商品やサービスの背後に、
無数の仕事が連なっていることに気づかされる導入となっています。
働く人の姿と多様な価値観
ここではさまざまな職業人のインタビューが描かれ、
働くことの目的や喜びが人それぞれであることが強調されます。
医師や介護士、ゲームクリエイター、保育士などが登場し、
誰もが「役に立ちたい」「誰かに喜んでもらいたい」という
根源的な動機を持っていることが浮かび上がります。
大工として働く男性の「自分の建てた家で人が暮らすのが喜びだ」という言葉や、
保育士を目指す茜の真剣な姿勢など、
職業の大小に関わらず、人が働くことの意味は「社会とのつながり」にあることが伝わります。
AI時代の仕事と人間らしさ
AIの進化にも触れられています。
事務作業やレジ打ちといった仕事が自動化される中、
「人間にしかできない仕事」とは何かを考えさせられます。
本書では、感情を読み取る力、他者に寄り添う姿勢、創造力といった
人間らしさこそが、今後の仕事の価値になるとされています。
ハヤトがキャリア相談で「AIに仕事を奪われるのでは?」と不安を抱いた場面では、
「人間にしかできないことに目を向けてごらん。
誰かの気持ちを想像し、言葉を届けること。それこそ、働く喜びなんだよ」という言葉が印象的です。
「自分の軸」を見つけるために
働く意味を“外からの評価”ではなく、
自分がどう生きたいかという内面に転換して考えます。
ハヤトが職場体験で仕事のリアルに触れ、迷いながらも
「自分にとっての働く意味」を探っていく姿に、読者も共感し、自問自答するきっかけを得られます。
働くことが自分の成長や幸せにつながるものであること、
他人と比較する必要はなく、自分らしい生き方を見つけることが大切だというメッセージが
静かに、力強く語られます。
働き方の多様性と家族の姿
本書ではハヤトの家族や身近な大人たちの働き方も描かれます。
都会から地元に戻って働くフリーランスの叔母・優、
会社員から塾講師に転身した母・奈津、
単身赴任中の父・航太、そして退職後も学び続ける祖母・和子など、多様な働き方が紹介されます。
これにより、読者は「正しい働き方」などないことに気づかされ、
自分に合ったスタイルで働くことの肯定感を得られる構成になっています。
働き方の課題と未来への視点
「ブラック企業」や「ダイバーシティ」「SDGs」など現代社会のテーマにも触れ、
過酷な労働環境の危険や、性別・年齢・背景に縛られない働き方の重要性を伝えます。
また、人生100年時代においては学び直しが自然なことであり、
キャリアは何度でもやり直せるという柔軟な視点が示されています。
勉強の意義についても丁寧に描かれ、
将来の選択肢を広げるために学ぶという目的意識が明確に語られます。
英語や理科の学びが将来どのように仕事に結びつくかという具体例もあり、
「勉強する理由」が腑に落ちる構成です。
物語のクライマックスとメッセージ
ラストでは、ハヤトに本を渡した叔母・優が
実はこの本の制作に関わっていたことが明かされ、
すべての物語が一本の線でつながる感動的な展開となります。
そして最後には「夢は社会に出てからも見つけられる」
「一度つまずいてもやり直せる」という力強いメッセージが込められ、
若者だけでなく社会人にも大きな励ましを与える作品となっています。
最後に
ここまで本書について紹介してきました。
本書は、単なるキャリアガイドではなく、「生き方そのものに向き合う」一冊です。
働く意味や将来に悩むとき、進路に迷ったとき、
あるいは仕事に疲れて立ち止まりたいときに、
本書は自分を見つめ直す大きなヒントを与えてくれます。
本書が気になる方は、是非手に取ってみてください!
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