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『家族解散まで千キロメートル』のあらすじと感想について

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、浅倉 秋成さんの

『家族解散まで千キロメートル』について紹介をしていきます!

 

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『家族解散まで千キロメートル』について 

本書の概要

本書はひとことで言うと

家族の再生と破壊について描かれた物語です。

 

本書をオススメしたい人

・家族について考えている人

・家族との関係性に悩んでいる人

・ミステリーが好きな人

 

結婚するまで実家を出てはならない、という暗黙のルールがある喜佐家では

末っ子の周が、結婚のために家を出ることとなります。

 

兄はすでに結婚して家を出ており、姉と周の結婚が決まったことをきっかけに

両親二人で老朽化した家を管理するのは無理だろうということで

実家の取り壊しが決定となりました。

 

もうすぐ家族が離れ離れになるというその年の元日に

父以外の面々が集まり家の片づけをしていると

庭にある倉庫から誰にも見覚えのない仏像が発見されます。

 

それが、青森の神社で盗まれたご神体とそっくりであり

いつも家にいない父は過去に謎の窃盗品を倉庫に隠した過去があることから

即座に父の仕業だと家族全員が確信します。

 

今日中にご神体を返せば犯行は不問とする、という宮司の言葉を信じ

彼らは山梨から青森までご神体を返しに行くを決意します。

 

本作では、ご神体が家に運ばれるトリックの解明だけでなく

家族のあり方についても考えさせられる作品となっています。

 

『家族解散まで千キロメートル』のあらすじ

あらすじの概要

〈家族の嘘〉が暴かれる時、本当の人生が始まる。どんでん返し家族ミステリ

実家に暮らす29歳の喜佐周(きさ・めぐる)。古びた実家を取り壊して、両親は住みやすいマンションへ転居、姉は結婚し、周は独立することに。引っ越し3日前、いつも通りいない父を除いた家族全員で片づけをしていたところ、不審な箱が見つかる。中にはニュースで流れた【青森の神社から盗まれたご神体】にそっくりのものが。「いっつも親父のせいでこういう馬鹿なことが起こるんだ!」理由は不明だが、父が神社から持ってきてしまったらしい。返却して許しを請うため、ご神体を車に乗せて青森へ出発する一同。しかし道中、周はいくつかの違和感に気づく。なぜ父はご神体など持ち帰ったのか。そもそも父は本当に犯人なのか――?

家族解散まで千キロメートル  より

 

本作は、車でご神体を返しに青森へ向かう

母親、長男、周、長女あすなの婚約者の様子を周の視点で描く「移動」チームと

家に残って父の行方の手がかりを探す姉と長男の妻の様子を

長女の視点で描く「家」チームの2つの視点で構成されています。

 

過去の家族の問題が原点となっており

「なぜ父親はご神体を青森から盗んだのか?」「どうやって盗んだのか?」というミステリー要素と

家族の在り方、考え方、捉え方にメスを入れた問いかけ要素でも構成されています。

 

『家族解散まで千キロメートル』の感想

家族の在り方を問いかける作品

本作は、あらすじだけをピックアップすると

父親が盗んだであろうご神体を返しにいく過程で

バラバラになっている家族が一致団結していくようなお話だと思わせられます。

 

ですが、個人的には「家族のあり方」について非常に考えさせられました。

 

もちろんご神体を返しにいく道中に発覚する家族間の問題や

「どのようにしてご神体が盗まれたのか?」が発覚していくあたりは

非常に読み応えがある部分になります。

 

ただ本作では、登場人物それぞれの過去や性格が掘り下げられているので

人格がかなり丁寧に描かれています。

 

それぞれの登場人物が今の性格や考え方になった理由や

その原因が家族にあるということを非常に鮮明に描かれており

同じ家に住んでいながらも大きく違ってくることに共感しました。

 

母親、長男、長女、そして主人公の周それぞれがそれぞれの立場から

家族というものを捉えており、違う考え方をしており

それが特徴的に描かれているのを見ると、自ずと納得してしまう部分もありました。

 

「家族」なので過ごす時間が誰よりも長くなることから

無意識に共通している考え方や部分はあるものの

立場や捉え方が異なるので、すべてが似ているわけではなく

「家族」への捉え方や熱量が異なるのもリアルだなと感じました。

 

もちろん仲が良いに越したことはありませんが

家族間の関係性のリアルを描いていると思えたので

本作は読者に家族の在り方について考えさせる作品だと感じました!

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

ミステリー要素だけでなく哲学的な要素も踏まえている本作は

読んでいて面白みのある作品でした!

 

本書が気になる方は

是非本書を手に取ってみてください!

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