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『朱色の化身』のあらすじと感想について | 塩田武士さん著書

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、塩田武士さんの

『朱色の化身』  について紹介をしていきます!

 

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『朱色の化身』 について 

本書の概要

本書は「罪の声」や「騙し絵の牙」など

元新聞記者の経験から描く作品が人気である

塩田武士さんによる1冊です。

 

ライターである主人公が

行方不明となった女性について取材を行う中

事実と真実が大きく異なることが

次第に分かってくるミステリー作品です。

 

本書をオススメしたい人

・ミステリーが好きな人

・リアリティのある作品が好きな人

・現代社会の闇について気になる人

 

本書では、実際に起きた福井地震での火災や

自殺の名所で有名な土地である

東尋坊を背景に物語が始まります。

 

辻珠緒という

一世風靡したゲームを開発した女性が

突然行方不明になります。

 

そこで、主人公でライターの大路亨が

珠緒の元夫や大学時代の友人や

元職場の同僚に対して取材をしていきます。

 

すると、彼女の人生は

昭和31年に起きた福井の大火が

大きな影響を与えており

同時に現代社会の闇や複雑な親子関係などが

絡んでいたことを知ります。

 

辻珠緒が行方不明になった理由とは?

 

努力では変えられない過去について

親子3代に渡る2つの物語が最後に繋がります。

 

『朱色の化身』のあらすじ

あらすじの概要

「知りたい」――それは罪なのか。

昭和・平成・令和を駆け抜ける。80万部突破『罪の声』を超える圧巻のリアリズム小説。

「聞きたい、彼女の声を」 「知られてはいけない、あの罪を」

 

ライターの大路亨は、ガンを患う元新聞記者の父から

辻珠緒という女性に会えないかと依頼を受ける。

一世を風靡したゲームの開発者として知られた珠緒だったが、突如姿を消していた。

 

珠緒の元夫や大学の学友、銀行時代の同僚等を通じて取材を重ねる亨は、

彼女の人生に昭和三十一年に起きた福井の大火が大きな影響を及ぼしていることに気づく。

 

作家デビュー十年を経た著者が、

「実在」する情報をもとに丹念に紡いだ社会派ミステリーの到達点。

引用元:朱色の化身 

 

本書の主要な登場人物

本書では、辻珠緒に関する取材を通して

たくさんの人物が出てきます。

 

その中でも主要な登場人物を

ピックアップしていきます。

  • 大路 亨(おおじ とおる) 本書の主人公で元新聞記者のライターです。
  • 松江準平(まつえ じゅんぺい) 亨の実父で、元新聞記者です。
  • 辻 珠緒(つじ たまお) 「Realism」の社員で、元銀行員です。突然行方不明になります。
  • 辻 咲子(つじ さきこ)  珠緒の母で、旅館「松風荘」の元仲居です。
  •   静代(つじ しずよ) 珠緒の祖母で、旅館「白露」の元仲居です。
  • 谷口 芳雄(たにぐち よしお) 咲子の元夫です。
  • 谷口 慎平(たにぐち しんぺい) 芳雄の長男です。
  • 前川 勝(まえかわ まさる) 珠緒の実父です。
  • 前川 功(まえかわ いさお) 勝の長男で、珠緒の異母兄です。
  • 宝 直弘(たから なおひろ) 珠緒の大学時代の先輩です。
  • 成瀬 英彦(なるせ ひでひこ) 珠緒の元夫で、老舗和菓子店の御曹司です。

 

他にも挙げ出したらキリがないほど

たくさんの重要人物が登場してきますが

その中でも、キーパーソンとなる人物を

ピックアップしました。

 

それぞれの登場人物の

珠緒への関わり方が大きく異なります。

 

1人の女性の人生が

多種多様なものによって

大きく狂わされていることを痛感します。

 

『朱色の化身』の感想

以下、ネタバレを含む感想になります。

珠緒の人生について

なんと言っても本作の醍醐味は

なぜ辻珠緒が行方不明になったのか? です。

 

そして、行方不明になった理由を

珠緒を知る人物へ取材を重ねるうちに

辻珠緒という1人の女性の

壮絶な人生に突き当たります。

 

珠緒は、福井県の芦原温泉で育ち

複雑な家庭環境から逃げるように京大へ進学します。

 

また、時代的に当時珍しい

女性総合職として大手銀行へ就職した後に

京都の老舗和菓子店の御曹司である成瀬と

結婚して退社します。

 

その後、離婚してしまいますが

学生時代から好きだったゲームを

開発して成功を収めます。

 

珠緒の人生は

一見すると華々しく羨ましく思える部分も多いですが

取材を通じて、彼女が受けてきた多くの抑圧や

65年前に芦原を襲った大火をきっかけとする

因縁が明らかになっていきます。

 

塩田さんの世界観

本書は、元新聞記者である塩田さんの

世界観が溢れる作品です。

 

取材の証言をメインとした「事実」と

取材を通して大路亨が目の当たりにする「真実」の 2部構成であり

物語は大路亨目線で進んでいきます。

 

新聞記者のように

珠緒と繋がりがあった人物に対して

地道に情報を集めて、話を組み立てていくあたりが

元新聞記者だからこそ出せる世界観だなと

読んでいて強く感じました。

 

また、実際にあった事件や

その時代ごとの風潮なども捉えており

読んでいて「本当にあった話なのでは?」と

思えるくらいリアルな世界観でした。

 

塩田さん自身も本作には

かなり力を入れられた模様で、以下のように述べています。

 

専業作家になって今年で10年。今作の執筆が「今までで一番しんどかった」と苦笑する。

取材に2年、執筆に1年をかけ、亨の一人称で進む初稿を書き上げたが、

編集者からは「事実に寄りすぎて読みづらい」と全面改稿を求められた。

証言と一人称を分ける2部制に書き直し、雑誌掲載後も改稿を重ねた。

「6稿目でやっと納得できた。節目となる作品で、自分がいかにちっぽけかを

思い知らされました」

引用元:潮田武士さんのインタビュー

 

構成から世界観まで

元新聞記者である経験があるからこそ

リアリティを追求した作品にできたのではないかと

個人的には感じました。

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

リアリティを追求した作品であり

次々に謎が解けていくあたりが

読み応え満載の1冊でした。

 

細かい設定や時代背景なども相まって

個人的にはめちゃくちゃ良書だと感じました!

 

本書が気になる方は

是非手に取ってみてください!

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