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『存在のすべてを』のあらすじと感想について

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、塩田武士さんの

『存在のすべてを』について紹介をしていきます!

 

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『存在のすべてを』について 

本書の概要

本書はひとことで言うと

誘拐事件の真相をめぐる長編ミステリー作品です。

 

本書をオススメしたい人

・ミステリーが好きな人

・芸術が好きな人

・本屋大賞にノミネートされた作品が気になる人

 

本作は30年以上前に起きた二児同時誘拐事件から始まります。

 

一方の児童は無事に保護され帰ってきましたが

もう一方の児童である4歳の内藤亮は

身代金の引き渡しに失敗したため帰ってきませんでした。

 

しかし、事件から3年が経ったある日、亮は祖父母の家に突然帰ってきます。

 

事件は犯人が見つからないまま時効を迎えたましたが

当時事件を追っていた新聞記者の門田は

週刊誌によって、亮が売れっ子の写実画家になっている暴露記事を知り

もう一度この事件の謎を追う決意をします。

 

当時は繋がらなかった線が、ある写実画家の存在とともに繋がり始めます。

 

事件の真相が分かっていくにつれて

亮が過ごしていた空白の3年間や権力に渦巻く画家の世界から

写実画の哲学、家族愛、警察の執念、新聞記者の意義など

あらゆる事実が判明していき、皆が葛藤しながらを生きていることを知ります。

 

『存在のすべてを』のあらすじ

あらすじの概要

平成3(1991)年に神奈川県下で発生した「二児同時誘拐事件」から30年。

当時警察担当だった大日新聞記者の門田は、令和3(2021)年の旧知の刑事の死をきっかけに、誘拐事件の被害男児の「今」を知る。彼は気鋭の画家・如月脩として脚光を浴びていたが、本事件最大の謎である「空白の三年」については固く口を閉ざしていた。

異様な展開を辿った事件の真実を求め、地を這うような取材を重ねた結果、ある写実画家の存在に行き当たるが――。

存在のすべてを より

 

主な登場人物

門田次郎(もんでんじろう)

54歳の大日新聞支局長です。

入社2年目だったときに記者として誘拐事件に遭遇します。

30年後、中澤の死をきっかけに未解決の誘拐事件に再び向き合い再捜査を行います。

 

中澤洋一(なかざわよういち)

2021年、失意のうちに亡くなった元刑事です。

誘拐事件では、誘拐された児童の憎親に寄り添いながら

現金を渡す際の指示を出すなど中心にいました。

定年を迎えた後も、1人で操作を続けていました。

 

如月脩(きさらぎしゅう)

素性が謎に包まれている人気の写実画家でしたが

週刊誌によって素顔とともに30年前の「二児同時誘拐」の被害者であることを暴露されます。

 

岸朔之介(きしさくのすけ)

画商であり、写実画家をたくさん抱えた画廊「立花」を経営しています。

 

野本貴彦(のもとたかひこ)

才能に溢れた写実画家です。

世渡りが苦手で不器用な性格であり、権力に潰されて疲弊します。

 

土屋里穂(つちやりほ)

かつて百貨店の美術画廊に勤務しており

現在は父親の経営する「わかば画廊」の手伝いをしています。

内藤亮とは高校の同級生です。

 

木島茂(きじましげる)

海陽食品創業者であり、孫の亮の面倒を見ることになります。

誘拐事件を機に警察の対応に不信感を抱きます。

 

内藤瞳(ないとうひとみ)

亮の母ですが、育児に無関心で育児放棄をします。

亮が誘拐された当時も他人事のような対応をします。

 

『存在のすべてを』の感想

ミステリーだけでなく人間ドラマを描いた感動作!

本作は事件の真相に迫るだけでなく

事件に巻き込まれた登場人物たちの人生を細かく描いています。

 

不可解な「二児同時誘拐事件」で、一人の児童はすぐに見つかるも

もう一人の児童である4歳の内藤亮の解放されることなく

生死不明のまま事件は迷宮入りになりました。

 

しかし3年後、突然亮は祖父母の家に帰ってきます。

 

亮がいなかった空白の3年間をはじめとする誘拐事件の真相を

かつて事件を取材した新聞記者である門田次郎が

懇意になった刑事である中澤の死と週刊誌の暴露記事をきっかけに

改めて事件の調査を始めていきます。

 

やがて野本貴彦という写実画家の存在が浮かび上がり

門田は、亮と野本の写実絵画を手掛かりに調査し、空白の3年間を迫っていきます。

 

本作の前半部分は門田の取材に沿って真相が徐々に明かされていきますが

一方で、駆け出し画商の土屋里穂の人生も描かれていきます。

 

里穂は高校時代に亮と同級生であり、彼に恋をしていました。

 

その情景には甘酸っぱさと切なさがあり

里穂の高校時代から画商になるに至るまでの人生が

物語により厚みを持たせるアクセントとなっています。

 

そして本作最大の場面である亮の空白の3年間の真相ですが

物語後半で明らかとなる真相は単なる極悪な誘拐事件ではなく、幸せな家族の物語でした。

 

描かれている情景や人間ドラマは

血縁関係はないものの全員が本当の家族として接する姿は

胸が熱くなり、思わず切なくなってしまいました。

 

そして真相が明らかになったクライマックスは

おそらく読者全員が「よかった・・」と安堵する結末となっています。

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

本作はミステリーとしての質が高いだけでなく

人間ドラマとしても感動できる物語でした!

 

本書が気になる方は

是非本書を手に取ってみてください!

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