こんにちは!しょーてぃーです!
今回は、橘玲さんと安藤寿康さんの
『運は遺伝する: 行動遺伝学が教える「成功法則」』について紹介をしていきます!
『運は遺伝する: 行動遺伝学が教える「成功法則」』について
本書の概要
本書はひとことで言うと
遺伝が私たちに与える影響の大きさを教えてくれる1冊です。
本書をオススメしたい人
・成功法則に興味がある人
・行動遺伝学や心理学に関心がある人
・教育・子育て・マネジメントに関わっている人
私たちは子供の頃に「努力すればなんとかなる」と言われて育ちました。
しかし中高生あたりから「何かがおかしい」と気づき始めます。
例えば、ものすごく勉強しているのに
全然勉強していない人にテストの点数で負けたり
自分よりも練習をしていない人の方が、サッカーや歌がうまかったり
同じことをやっているのに、できる人とできない人がいることを目の当たりにします。
これらの原因は、遺伝の影響が大きいです。
事実、最新の行動遺伝学では
身長や顔、運動神経、音楽のセンス、知能だけでなく
頑張れるかどうかや事故、犯罪、病気、運までもが
遺伝するということ分かっています。
そのため本書では、
「人生のあらゆるところに遺伝の長い影が伸びている」と書かれているのと同時に
そんな残酷な世界で豊かに生きる方法が書かれている1冊です。
『運は遺伝する: 行動遺伝学が教える「成功法則」』のまとめ
遺伝は人生の全てに影響を及ぼしている
まず行動遺伝学では、知能や性格、健康状態など
人間に関するありとあらゆる特徴は
「遺伝」「共有環境」「非共有環境」の3要素でできていると考えます。
そして結論からいうと、自分の性格や知能などの
あらゆることの30〜60%が遺伝の影響を受けています。
認知能力、学歴、やる気、アルコール依存、神経質さ、
勤勉性、事故、犯罪、肥満、友人、病気、お金の問題、恋愛面までもが
遺伝するということがわかっています。
ですが、遺伝は全てに影響を及ぼしていますが
割合としてはせいぜい30〜60%くらいになりますので
決して遺伝だけで全てが決まるというわけではありません。
なので正確には、遺伝で全てが決まるわけではないが、
全てのことに少なからず、遺伝の影響はあるということです。
環境や運も遺伝の影響を受けるが全てではない
次に、環境が私たちに与える影響についてですが
環境には「共有環境」と「非共有環境」の2つがあります。
共有環境とは、親や兄弟と一緒に過ごす環境のことで
親からのしつけ、教育、子育てなどがこれにあたります。
一方で、非共有環境とは、家族以外の友達や異性、
自分1人で過ごす環境のことです。
どんな友達と過ごすか、異性と付き合ったり、1人で旅に行ったりなど
親以外の他人や自分と共有する経験のことです。
そして、親と一緒に過ごす共有環境は、
0〜20%しか自分に影響を与えないのに対して
友達や異性、自分1人で過ごす非共有環境は
20〜60%くらいの大きな影響を自分に与えます。
つまり、親と一緒に過ごす時間よりも
友達や異性、自分1人で過ごす時間の方が影響が大きいということです。
たとえ同じ家庭で育ち、同じ食事をして同じ学校に通っている双子でも
性格や考え方が違ってくるのは、付き合う友達や異性などの非共有環境が違うからです。
意外にも、親の育て方が自分に与える影響は小さく
それよりも生まれつきの遺伝や友達の方が自分に影響を与えます。
しかし、遺伝する事柄によって影響度が異なるので
子育てが意味がないというわけではありません。
時間が経つにつれて遺伝の影響は大きくなる
30〜60%が遺伝の影響を受けるということですが
生まれたばかりの時からすぐに影響を強く受けるわけではないです。
特に幼少期は遺伝の影響が小さく
20歳になるにつれて、遺伝の影響が徐々に大きくなっていきます。
そのため子供のころであれば、教育熱心直哉の影響で
一生懸命勉強して南関中学校に入ることができますし
毎日スポーツをしたり、ピアノを習うことで、周りの人よりも活躍することができます。
ですが、中高生くらいから遺伝の影響が大きく出始めます。
そのため遺伝的に勉強や音楽、スポーツの素質があるかないかの方が
ただ努力することよりも影響が大きくなっていきます。
そして最終的には、素質がない人がいくら努力しても
素質がある人に勝てなくなってしまいます。
中高生くらいで勉強についていけなくなる生徒が出てくるのは
遺伝の影響が出始める時期に差し掛かることが理由です。
生まれつき持っているものを信じ、それに逆らわない
遺伝が大きな影響を及ぼすこの世界では
生まれつき持っているものを知り、それに逆らわないことが重要です。
30〜60%が遺伝の影響を受けるのであれば
私たちに唯一できることは、自分の遺伝的な特徴を知り
世の中にどう活かしていくのかを決めることです。
そこでまずはいろんな経験をして、自分が興味や関心を持てるものや
自分の向き不向きを知ることが大事です。
例えば、勉強が苦手で嫌いなら、嫌々努力するのではなく
他の自分が興味の持てることに手を出してみることです。
そして、自分が何に向いているか分からない場合は
とにかく環境を変えてみることが大事になります。
本書では「山に登ってみるのもあり」と書かれており
自分の視野の外にあることに手を出して、ガラリと非共有環境を変えてみることで
自分んが興味を持てるものにである可能性が上がりますし
自分の向き不向きが分かるので、自己理解進むといいます。
仮に環境を変えて悪い状態になった場合は
自分の特性を理解して、環境をまた変えればいいです。
そうして、いろんな経験を通じることで
自分の遺伝的な特徴を知ることが大事です。
向いていることを活かせるニッチな場所に移動する
自分の向き不向きや、興味が持てることがわかれば
次に大事なのは、それを活かせるニッチな環境に飛び込むことです。
ようは、大衆受けではなく、
狭くて分かる人にだけ分かればいい小さな市場のことであり
ペットの服を売るお店や、格闘ゲームに特化したゲーマーなどです。
そこは周りから見れば、理解されないような環境であったり
大企業が参入するほど儲からず小さな市場かもしれませんが
自分にとっては心地いいと感じる場所になります。
私たちは、ニッチな場所に移動して活躍することが大事で
本書では「避ける場所に動きなさい」と書かれています。
そしてニッチな場所にする理由としては
大体の人の向いていることや得意なことは、偏っていることが多いからです。
イーロンマスクのような向いていることを活かして
世界規模のビジネスを作り上げる人もいますが
大体の人の興味のあることや向いていることは
「人よりもたくさん食べれる」「化粧品が好き」のように偏っています。
なので、自分の偏った小さな特徴を活かすには
ニッチな市場に行くことが大事になります。
つまり、みんなには知られていないような
細々と活動している登録者1万人くらいのYouTuberのように
楽しく自分の向いていることを活かして生きていけたらいいということです。
そして、ニッチな場所が見つけられない場合は
自分の遺伝的な特徴を活かせるニッチな環境を、自分で創り出すことが大事になります。
遺伝を考慮しない方が残酷
「遺伝だから」という理由で、簡単に諦めるのはよくないと思う人もいます。
ですが、本書ではそれよりも「とにかく頑張れ」と言ったり
「結果が出ないのは努力していないから」と信じてしまう方が
よほど残酷であると指摘しています。
例えば、遺伝的に勉強が向いていない生徒に対して
「勉強ができないのは努力不足だ」と声をかけ続けることで
一時的にその生徒は必死に努力をするかもしれません。
ですが、結局向いていないことは継続できず、結果も出づらいので
「根性なし」「ダメなやつ」と言われ、精神的に大きく挫折しやすいです。
そもそも努力ができるかどうかも遺伝の影響を受けるので
遺伝の影響をあっさりと認めて、自分に向いていることに集中し、
向いていないことは諦める方が賢明な判断です。
そのため本書では、向いていないことへの努力続けるのではなく、
みんなが遺伝を考慮し、自分の向き不向きに気づいて
それぞれが自分の向いていることを活かすことで
豊かな社会になるのではないかと指摘しています。
最後に
ここまで本書について紹介してきました。
遺伝の影響の大きさだけでなく
遺伝と向き合って豊かに生きる方法が詳しく解説されていました!
本書が気になる方は
是非本書を手に取ってみてください!
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