こんにちは!しょーてぃーです!
今回は、橘玲さんの
『臆病者のための億万長者入門』について紹介をしていきます!
『臆病者のための億万長者入門』について
本書の概要
本書はひとことで言うと
豊かで残酷な現代社会で、臆病者が堅実にお金を増やし
将来の不安に備える方法を教えてくれる一冊です。
本書をオススメしたい人
・投資に興味はあるけれど、なかなか始められない人
・株式や投資信託と聞くと「なんだか怖い」と感じてしまう人
・正しい金融知識を身につけたい人
本書は、宝くじ・年金・生命保険・株式・投資信託・為替・不動産からアベノミクスまで、
あらゆるお金のテーマを網羅し、経済的な不安が尽きない時代に
どうすれば自分の資産を守り増やせるかを示されています。
著者は「誰でも億万長者になれるが、
同時に貧乏は自己責任を問われる残酷な世界」を前提に、
臆病者=慎重派でも実践できる賢い資産運用術を指南します。
市場原理や金融の基本ルールを平易に解説し、
銀行や証券会社の宣伝文句や世間の「常識」に惑わされない判断力を養える内容となっています。
初心者でも金融リテラシーを高め、将来の予期せぬ経済変動から
自分と家族を守るための土台を築くことができる一冊となっています。
『臆病者のための億万長者入門』のまとめ
資産運用の基本原則:だれも教えてくれない「お金の常識」
慎重に資産運用を始めるにあたり、
著者はまず「金融の常識」にダマされないための心構えを伝授します。
その核となるのが次の「4つの原則」です
- 確実に儲かる話はあなたのところには絶対に来ない。
- 誰も他人のお金のことを真剣に考えたりしない。
- 誰も本当のことを教えてはくれない。
- 自分の資産は自分で守るしかない。
要するに「うますぎる話は信じるな」「自分のお金は自分で守れ」ということです。
世の中、ハイリターンでノーリスクなどという都合のいい儲け話は存在しません。
投資の世界ではリターン(収益)とリスク(不確実性)は常に見合っており、
高収益を期待できるものにはそれ相応の高リスクが伴うと肝に銘じるべきだと強調されます。
この大原則を踏まえれば、「ローリスクなのにハイリターン」などという
謳い文句の金融商品は疑ってかかるべきです。
さらに著者は、金融業界の現実にも踏み込んで解説します。
金融機関の窓口で勧められる商品は、
基本的に銀行や証券会社など売る側に有利なものだと考えて間違いありません。
残念ながら他人(営業担当者)はあなたのお金のことなど真剣に考えてくれないからです。
このため中途半端な知識で金融機関の巧みなトークに挑むより、
いっそ「儲け話はすべて無視」とシャットアウトしてしまう方が賢明だと述べられています。
また、自分の判断基準がしっかり定まるまでは、
誘惑に乗らないことがコストもリスクも最小に抑える秘訣です。
こうした原則に照らし、本書では
「では具体的にどんな商品なら大丈夫なのか?」を丁寧に解き明かしていきます。
例えば宝くじ。夢を買うと言われる宝くじですが、
著者は「宝くじを買う人は資産運用に成功できない」と断じています。
期待値がマイナスのクジに頼るようでは堅実な資産形成は望めない、というわけです。
同様に、銀行の定期預金(超低金利でお金を眠らせていて良いのか?)、
高額な生命保険(保険は本当に得か?)、マイホーム購入(賃貸との損得比較)、
投資信託(手数料や運用コストの問題)など、
私たちに身近なお金の選択肢について一つ一つ検証し、
「それは本当にあなたの大切なお金=虎の子を託す価値があるか?」を探っていきます。
本書を読み終えれば、そうした数々の金融商品の本質を見抜き、
自分で取捨選択できるだけの知恵が身につくはずだ、と著者は言います。
臆病者のための具体的な投資戦略
では、臆病者=慎重派にとってどんな資産運用法が現実的なのでしょうか。
本書の結論は明快です。
それは「市場全体をまるごと買う」こと。
つまり個別企業の株をあれこれ選ぶのではなく、
世界全体の株式市場に幅広く分散投資する戦略です。
著者は「もっともシンプルな戦略は、世界の株式市場をまるごと買うことだ。
そうすれば個々の国の経済がどうなろうと、
世界経済全体が成長すれば確実に恩恵を受けられる」と述べています。
具体的には、日本の個人投資家でも購入しやすい
東証上場の世界株インデックスETF(上場投資信託)を活用し、
日本株を含めたグローバル市場にまとめて投資する方法が紹介されています。
これなら専門知識がなくても市場全体の成長に沿って
資産を育てることが可能で、難しい銘柄選びをする必要もありません。
慎重な人ほど「株式投資は怖い。大暴落したらどうしよう…」と不安に思うかもしれません。
しかし本書では、暴落こそが投資の最大のチャンスであると説きます。
なぜなら、市場が下落しているときは
優良な資産を安く買える絶好のタイミングだからです。
過去を振り返れば、リーマンショック級の暴落が起きても
数年で市場は回復し新高値を更新しています。
むしろ慌てて売却するのではなく、
下落時こそ冷静に追加投資できる余裕こそが臆病者の武器になるのです。
著者は株価の決まり方など市場のメカニズムも丁寧に解説した上で、
腰を据えた長期投資の有効性を示しています。
そのため「ゆっくり考えることができる人」、
つまり目先の上下に一喜一憂せず落ち着いて判断できる人こそが
投資で成功できると強調されています。
為替やその他のリスクへの備え
為替相場というと難しそうですが、
著者は身近な例を用いながらその基本原理を説明しています。
中でも興味深いポイントは「長期的には高金利の通貨ほど安くなる」傾向があるという指摘です。
金利が高い通貨は一見魅力的ですが、
その分通貨価値が下落するリスク(インフレや信用不安など)が織り込まれているため、
長い目で見れば為替差損で金利分が相殺されてしまうことが多いのです。
この事実は、表面的な利回りの高さに飛びつくことの危うさを教えてくれます。
著者はこのような為替のカラクリを解き明かしつつ、
必要以上に為替変動を恐れたり高金利通貨に幻想を抱いたりしないよう読者に呼びかけます。
リスク分散のため外貨建て資産を持つことは有効ですが、
その為替リスクも理解した上で賢く付き合うべきだというわけです。
臆病者が億万長者になるために
本書は、そのタイトルに反して「簡単に億万長者になる裏技」を教える本ではありません。
むしろ、臆病で慎重な人こそ資産運用で成功できるという
力強いメッセージを与えてくれる本です。
金融業界ではタブーとされる本音も含め、
著者はお金の本質を明晰なロジックで解き明かしてくれます。
「億万長者になるのは簡単だ!」といった刺激的な見出しも登場しますが、
その真意は「正しい知識さえ持てば、お金の不安に振り回されずに済む」ということにあります。
実際、本書を通じて私たちは「うまい話」に踊らされない冷静さと
長期的視野に立った堅実な戦略の大切さを学ぶことができます。
投資初心者から中級者まで、ゆっくり考え、着実に行動できる人だけが
資産運用に成功するという教訓は大いに参考になります。
最後に
ここまで本書について紹介してきました。
将来に漠然とした不安を感じている「臆病者」にとって、
本書はお金との付き合い方を根本から見直し、
自分なりの経済的安心を築くための最良の入門書と言えます。
本書が気になる方は、是非手に取ってみてください!
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