こんにちは!しょーてぃーです!
今回は岩井勇気さんの「どうやら僕の日常生活はまちがっている」について紹介します。
本書の印象に残った部分や感想を記載していきます。
本書について
本書はお笑い芸人であるハライチの岩井勇気さんの
「僕の人生には事件が起きない」に続くエッセイ集になります。
デビュー作が10万部を超えられ、いきなりベストセラーになりましたが
本作も前作同様で、
たわいのない日常の出来事なのに、捉え方と表現が秀逸なため
読んでいて思わずクスッと笑ってしまう1冊です。
本書をオススメしたい人
・「僕の人生には事件が起きない」にハマった方
・芸人エッセイが好きな方
・クスッと笑えるお話が好きな方
本作も、芸能界でのエピソードや、お笑い論といったものは一切なく、
何気ない日常のエピソードだけなのです。
それでも面白さと共感が相まって、ページが進んでしまいます。
「どうやら僕の日常生活はまちがっている」のまとめ
やはり本当に事件は起きてない
「僕の人生には事件が起きない」同様で、
本当に何も事件は起きてないのですが
本作については一部抜粋ですが、下記のような内容について記載されています。
・喉に刺さった魚の骨がとれない
・1人居酒屋デビューした前乗りの夜
・混浴のセオリーに裏切られた屈辱
・脚立に気をとられ披露宴をすっぽかす
・夏休みの地獄の2日間の思い出
・地球最後の日に食べたいもの etc…..
「脚立に気をとられ披露宴をすっぽかす」はタイトル通り
事件というか事故っぽく見えますが、
通常だとテンパってしまう出来事です。
しかし岩井さんの目線は
「なんでそんなに余裕があるの?」と感じてしまいます笑
初挑戦の小説
最終章は「僕の人生には事件が起きない」というタイトルの小説で
実は岩井さん自身小説を書くのが初めてとのことですが
読んでいて、初めてとは思えないくらい面白いです。
内容としては
「僕」が表の世界から裏の世界に行ってしまう
不思議な設定なのです。
細部のリアリティが
すごく丁寧に描かれており
とても面白いです!!
なぜ岩井さんのエッセイは面白いのか?
ここからは私なりの意見になるのですが
なぜこんなに面白いのだろう?と考えました。
いくつかの面白い要素に分けると
まず、普通ではない雰囲気が滲み出ているのに、
決してそれを出さない品のよさがあるように感じます。
常に客観的視点で
少し冷めた空気感の演出がされているところも心地よいです。
エッセイを書くうえで難しい「日常で勝負する」という闘い方をしている点も
好感度を高く感じますが
岩井さんの性格が意地悪であることがストレートに伝わってくるのが1つの魅力であると思います。
また、独特のエッセイの「型」でも魅力的です。
岩井さんのエッセイは
なにがしかのトラブルが発生するところから始まり、
そこから、トラブルのなかで見える風景を続々と挙げていきます。
その密度は「この人、細かいなあ」と感じてしまいます。
不思議なのは、この岩井さんの細かな分析が、
エッセイのスタート地点である
「トラブルの原因」部分にはいっさい触れないされない点です。
エッセイ冒頭で書かれている
「僕には、あらゆるものを忘れてしまう欠点がある」という
雑な例が最初で最後の説明でなのです。
「あらゆるものを忘れてしまう」と言う割に、
各エッセイとも細部の描写がリアルすぎるので、
忘れっぽい人間の文章でないことは明らかなのです。
これが岩井さんのエッセイが面白い秘密なのだろうと感じます。
毎度、トラブルからエッセイが始まるも
「なぜそのトラブルが起こったのか?」という部分について
一切言及しません。
説明すべきことが省かれ、別に説明しなくてもいいことが
丹念に説明されるこのスタイルのおかげで、
岩井さんのエッセイは独特な非日常感を醸し出されています。
最後に
ここまで「どうやら僕の日常生活はまちがっている」を紹介しました。
改めて岩井さんのエッセイの面白さを紐解くと
本作も面白いこと間違いないです!!
もし気になられた方は、是非手に取ってみてください。
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