こんにちは!しょーてぃーです!
今回は、クリスティー・シェンさん、ブライス・リャンさんの
『FIRE 最強の早期リタイア術 最速でお金から自由になれる究極メソッド』について
紹介をしていきます!
『FIRE 最強の早期リタイア術 最速でお金から自由になれる究極メソッド』について
本書の概要
本書はひとことで言うと
30代で経済的自立を達成するための全技術を網羅した1冊です。
本書をオススメしたい人
- 将来の金銭的不安から解放され、経済的自由を手に入れたいと考える人
- 投資や資産運用の経験が浅く、FIREの基本から実践方法まで学びたい人
- 仕事中心の生活を見直して自分の時間を取り戻したい人
FIREとはFinancial Independence, Retire Earlyの略で、
経済的に自立し早期リタイアすることを意味します。
本書の著者クリスティー・シェンとブライス・リャンは、
このFIREムーブメントの第一人者であり、
自ら30代で経済的自立を成し遂げたカナダ人カップルです。
本書は、彼らが世界中で注目を浴びた経験をもとに、
最速でお金の不安から自由になるための究極メソッドを
論理的かつ親しみやすい語り口でまとめた1冊です。
FIREの基本概念から具体的な資産形成術、
そして著者たちの独自のスタンスまで網羅しており、
投資初心者や20〜40代のビジネスパーソンでも理解しやすい内容になっています。
著者たちは「お金は人生で最も大切なものを手に入れるための道具に過ぎない」と考えており、
本書を通じて読者がお金との向き合い方や
人生の優先順位を見直すきっかけを提供しています。
『FIRE 最強の早期リタイア術 最速でお金から自由になれる究極メソッド』のまとめ
はじめに:65歳引退という常識への疑問とFIREの思想
本書は、従来の「65歳まで働いて引退」という常識に一石を投じ、
人生における時間とお金の関係を根本から見直す内容になっています。
著者クリスティー・シェンが早期リタイアを志したきっかけは、
同僚が過労で倒れる瞬間を目の当たりにしたことでした。
彼女は「会社のために人生を犠牲にして働き続けても、
65歳まで生きて健康でいられる保証はない」と痛感し、
「何を人生で優先すべきか」を考える中でFIREという選択肢に行き着きました。
FIREは単に早く仕事を辞めることが目的ではなく、
「家族や自由、幸せといった本当に大切なものに時間を使うための手段」であり、
そのためにお金を道具として活用しようという考え方です。
著者の原点:極貧の幼少期と価値観の形成
本書ではまず、著者自身のストーリーを交えてFIREの基本理念が語られます。
クリスティーは中国の農村部で極貧の幼少期を過ごし、
カナダ移住後も廃棄寸前の缶詰のシロップを飲んで飢えをしのぐような経験をしました。
そうした貧しい生い立ちゆえに身についた
「目に見えないムダを見抜く力」は、後に資産形成を加速させる武器となります。
一方で成長後は高収入の仕事に就き、当初はブランド品やマイホームにも憧れました。
しかし、ロバート・キヨサキの
「貧しい人は物を買う。中産階級は家を買う。お金持ちは資産を買う」という言葉に衝撃を受け、
家を買う代わりに資産運用に徹する道を選びます。
著者たちは「まずは収入を最大化し資産を築け」という現実的な戦略を取り、
高収入を得られるキャリア選択や積極的な投資にも踏み切りました。
若いうちからリスクを恐れず行動したことが、
30代でのFIRE達成につながったといえます。
経済的独立への第一歩:「お金=時間」という考え方
続いて、本書の中心テーマである経済的独立を得るための具体的な戦略が解説されます。
最大のポイントは「お金=時間」という発想で、
早期リタイアまでの時間を左右するのは収入ではなく貯蓄率だと強調しています。
年収がいくら高くても同額を使い切っていては永遠にリタイアできない一方、
たとえ平均的な収入でも支出を抑えて25%以上貯蓄できればゴールに近づくのです。
実際、著者は貯蓄率こそがFIRE達成への鍵であり、
年収より貯蓄率を重視すべきだと述べています。
収入が大きくなくても支出を減らして投資に回すことで
「働く年数を大幅に短縮できる」ことがデータで示され、
貯蓄率を少し上げるだけでもリタイア時期が劇的に早まるとグラフで説明されています。
著者が培った「見えないムダ」を削る視点も活かし、
読者に対して具体的な支出削減のステップを提案しています。
「本当に削れる出費はない」と思い込んでいる人でも、
家計を精査すれば意外な無駄が見つかるものだ、と本書は教えてくれます。
資産を増やす戦略:インデックス投資と分散の思想
節約と並んで重要なのが資産運用によるお金を増やす戦略です。
著者たちはジェイエル・コリンズの教えからインデックス投資に目覚め、
個別株ではなく市場全体に連動する株式指数ファンドへの投資を選択しました。
例えば「勝てるスロットマシンを探すのではなく、
カジノそのものに投資するようなもの」だと説明されている通り、
将来どの企業が成功するかを当てるのは困難でも、
世界経済全体が成長するなら広く分散投資する方が堅実という考え方です。
著者たちはカナダ在住ですが、
投資は米国だけでなく世界中の株式市場に分散する方針をとっています。
これは「どの国が今後好調かわからない以上、
世界全体に投資する。なぜなら『世界はお金を稼ぐ』からだ」という
ユニークな表現で述べられています。
また基本は買って、売らない長期投資であり、金や暗号資産での短期売買ではなく、
株式と債券をバランスよく保有して配当金や利息で生活を賄うスタイルを推奨しています。
FIRE達成の目安:「4%ルール」という魔法の数字
投資を続けて資産を築く中で、本書が目標として示すのが有名な「4%ルール」です。
これは年間生活費の25年分(=25倍)に相当する資産を蓄えれば、
運用益の4%以内で生活費をまかなう限り元本を減らさずに暮らせるという指針で、
著者たちはこの数字を経済的自立の目安として読者に提示しています。
「自分が年間いくら使うか計算し、その25倍を貯めれば今と同じ生活を続けられる」という
シンプルな原則で、この数字を知ったことで、著者自身もゴールが明確になったといいます。
例えば年間支出300万円の人なら約7500万円がFIRE達成ラインとなり、
そこから逆算して毎年の貯蓄・投資計画を立てるわけです。
著者はこの計算方法を読者にもわかりやすく紹介し、
自分のゴールを設定するよう促しています。
リスクと向き合う:暴落時代を生き抜く資産管理
さらに、本書では資産運用上のリスク管理についても丁寧に解説されています。
株式市場は長期的には右肩上がりでも、短期的な暴落は避けられません。
そこで重要になるのがポートフォリオの適切な配分とリバランス(資産の比率調整)です。
著者たちは株式と債券を組み合わせたポートフォリオを組み、
定期的にリバランスすることで「安くなった資産を買い増し、
高くなった資産を売る」仕組みを自動的に実現できます。
例えば、株価急落時には債券の比率が相対的に高まるため、
一部債券を売却して割安になった株式を買い増す、といった具合です。
この機械的なリバランスによって感情に流された誤った行動(パニック売り)を防ぎ、
長期的に「安く買って高く売る」を徹底できると解説されています。
実際、著者のブライスはリーマンショックで市場が大暴落した
2008年当時もパニックに陥らず、下落相場で資産を手放さない重要性を痛感したといいます。
本書ではこの経験を踏まえ、
「暴落時こそ待つのが最善策であり、下落時に売って上昇時に市場から離れるのが
資産を減らす唯一のパターンだ」と強調しています。
また、FIRE達成前後の安全策として、
現金クッション(生活費数年分の現金預金)を用意したり、
高配当株や社債などで利回りシールドを築いたりする方法にも言及されています。
これらにより、市場の一時的な変動やインフレ・医療費といったリスクにも
慌てず対処できる体制を整えることができるのです。
支出を変えれば人生が変わる:世界を旅するという選択
著者たちのユニークな提案の一つに、
支出を抑えるためのライフスタイルの工夫があります。
それが「世界を旅しながら暮らす」という一見贅沢にも思えるアイデアです。
経済的に自立すれば高い家賃の都市に住み続ける必要はなく、
物価の安い国や地域で生活すれば驚くほど支出を減らせると著者は述べます。
実際、トロントで月1500カナダドル(約13万円)かかっていた家賃が、
タイでは月600ドル(約6~7万円)でプール付きの住居に住めた経験が紹介され、
しかも屋台などで安く美味しい食事ができるため自炊の必要もなく、
毎日泳いで楽しむ豊かな生活を送れたといいます。
東南アジアだけでなくポーランドやポルトガルなど
欧州でも低コストで暮らせる都市は存在し、日本や北米で引退資金を貯め込むよりも、
「ジオグラフィック・アービトラージ(地理的裁定)」を活用して物価の安い国で暮らせば、
その分早くリタイアできると説かれています。
例えば東京で必要な資金も、タイで暮らす前提にすれば目標額自体を下げることができ、
思ったより早期にFIREに到達し得るという指摘です。
こうした世界旅行をしながら暮らすスタイルは
「毎年同じ額でより豊かな生活を送る工夫」として本書の随所で取り上げられ、
読者に固定観念にとらわれない柔軟な発想を促しています。
家族・教育・心理面:FIRE後に直面する現実
もっとも、誰もが海外移住できるわけではありません。
本書では結婚や子育てとFIREの両立についても章を割いており、
「子どもがいる場合でも世界を旅しながら教育する」という
ワールドスクーリングという選択肢を紹介しています。
著者自身は子どもがいないものの、
FIRE達成後に各地を転々とする中で子連れで旅する家族にも出会い、
自ら教えるホームスクーリングの延長として世界中で学ぶメリットに触れています。
もっとも、日本の読者から見るとこの提案はハードルが高く感じられるかもしれません。
実際に本書の読者からも
「世界中を転々とする生活スタイルは真似しづらい」という声があり、
家族構成や価値観によって受け取り方は様々でしょう。
しかし重要なのは、
お金に縛られず自分たちの理想の暮らし方をデザインするという発想です。
本書はFIRE後の生き方として一つの極端な例を示していますが、
その根底にある「場所や働き方を自分で選べる自由」を
読者各自が考えるきっかけとなるでしょう。
おわりに:FIREは目的ではなく「選択肢を増やす手段」
また、著者たちはFIREを実現する過程やその後の生活で直面し得る
心理的・社会的な課題についても率直に述べています。
長年勤めていた仕事を辞めることで感じるアイデンティティの喪失感や、
周囲から理解されにくい孤独感といった早期リタイアの負の側面にも触れ、
それらへの対処法を自身の経験からアドバイスしています。
例えば「働かないなんてけしからん」という社会通念とどう向き合うか、
リタイア後に生きがいを見失わないためには
ボランティアや新たなプロジェクトに挑戦するなど
目的を持った生活を送ることが大切だと説きます。
さらに、「自由になるのに100万ドル(約1億円)は必要ない」では、
多くの人が誤解しがちな「まとまった大金がないと引退できない」という思い込みを打ち砕きます。
実際には生活費次第で必要額は増減し、パートタイムで少し稼ぐ生活も組み合わせれば
必ずしも巨額の資産は不要だとしています。
このように本書は、単なる成功談で終わらず
挫折や迷いも含めたリアルな視点でFIREプランを総点検し、
読者が現実的なマインドセットを持てるよう配慮されています。
最後に
ここまで本書について紹介してきました。
単なる早期リタイアの方法論にとどまらず、
お金との向き合い方や人生の価値観を見つめ直すためのヒントが満載されています。
著者たちが強調するように、最終的に得られるのはお金そのものではなく
自分の時間を自由に使えることであり、それこそが真の豊かさだと気づかされます。。
本書が気になる方は、是非手に取ってみてください!

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