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『マイクロスパイ・アンサンブル』のあらすじと感想について

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、伊坂幸太郎さんの

『マイクロスパイ・アンサンブル』  について紹介をしていきます!

 

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『マイクロスパイ・アンサンブル』 について 

本書の概要

本書は「グラスホッパー」や「アイネクライネハトムジーク」など

数多くの代表作で有名な伊坂幸太郎さんによる

新作小説(2022年4月時点)です。

 

福島県にある猪苗代湖畔(いなわしろこ)で

2015年から毎年開催されている

音楽&アートフェスティバル「オハラ☆ブレイク」。

 

この「オハラ☆ブレイク」のために

伊坂さんが毎年短編を書き続けられており

本書では、会場でしか手に入らなかった

7年分の連作短編集になります。

 

本書をオススメしたい人

・伊坂幸太郎が好きな人

・短編集が好きな人

・伏線回収が好きな人

 

本書は、あとがき含め190ページ未満のため

伊坂幸太郎さんの作品が

かなり手軽に楽しむことができます。

 

また、2015年~2021年の

7年分の短編集であり、非常に読みやすいです。

 

読みやすい上に

7年にかけて1つの大きな物語となる

連作短編集ですので

読み終えた後の快感はすごいです!

 

さらに、伊坂幸太郎さんといえば伏線回収ですが

短編集ながらも見事な伏線回収で

思わずページをめくってしまう作品です。

 

『マイクロスパイ・アンサンブル』のあらすじ

あらすじの概要

どこかの誰かが、幸せでありますように。

さあ、作戦会議だ!

会社員の日常とスパイ活動が交錯する、

伊坂作品ならではの

優しさと驚きに満ちた現代版おとぎ話。

引用元:マイクロスパイ・アンサンブル

 

主な登場人物

本書で出てくる主な登場人物は、以下になります。

  • ぼく:父親から暴力を振るわれ、元いじめられっ子のスパイです。
  • エージェントハルト:スパイとしての能力は優秀ですが、他人付き合いに難ありです。
  • 松嶋君:失恋したばかりの社会人です。
  • 門倉課長:松嶋君が勤めている会社の課長で、いつも謝ってばかりです。
  • 天野さん:松嶋君の2期先輩の女性社員です。

 

『マイクロスパイ・アンサンブル』の感想

以下、ネタバレを含む感想になります。

 

2つの物語と違う世界

本書は、スパイ側と松嶋君側の

2つの物語で構成されています。

 

スパイ側の物語は

いじめられていたぼくが

いじめっ子たちから逃げていて

エージェントハルトに助けてもらうところから始まります。

 

そしてぼくは、スパイとしてのキャリアを歩みますが

ミッションでは上手くいかないことも多く

命に関わる危機に何度も直面します。

 

しかし、なぜか不思議な現象によって

無事に助かるのです。

 

飛ばないはずのパラグライダーがなぜか飛んだり

敵からの銃撃を受けるはずが

突然目の前に壁が出てきて守ってくれたりなど

本人たちも説明ができない現象が、次々と発生します。

 

対して、松嶋君側の物語は

就職活動が上手くいかないことで

彼女に振られるところから始まります。

 

入社した会社でも

なかなか仕事を覚えられず

松嶋君自身も失言をしたりなど

日々悩むことが多いです。

 

しかし、門倉課長や天野さんとのやりとりを始め

少しずつ人生が好転していきます。

 

2つの物語は、全く違う世界ですが

章を重ねるごとに少しずつ繋がっていきます。

 

そして、短編集でありながら

徐々に物語が繋がっていくあたりに

伊坂幸太郎さんの凄さを感じます。

 

猪苗代湖畔とオハラ☆ブレイクの雰囲気

本書は、オハラ☆ブレイクのために

描かれたとのこともあって

猪苗代湖畔とオハラ☆ブレイクを

物語からかなり感じることができます。

 

  • 松嶋君の地元が猪苗代湖であること
  • 猪苗代湖でのイベントに、松嶋君、門倉課長、天野さんが携わること
  • スパイ活動の場所も猪苗代湖畔の特徴と似ていること
  • 作中で登場人物が口づさむ歌や流れてくる歌も「オハラ☆ブレイク」に出演されたアーティストの歌であること

 

このように作中から

猪苗代湖畔とオハラ☆ブレイクの雰囲気を

大いに感じることができます。

 

また、猪苗代湖畔とオハラ☆ブレイクの良さから

足を運んでみたいと感じることができます!

 

刺さる名言の数々

基本的にほっこりとする物語ですが

本書内には、作風とはギャップのある名言が多くあります。

個人的に刺さった箇所は以下になります。

 

  • プライド?そんなのただの言葉だろ
  • 大事なのは、やるべきことをやることだ。
  • 舐められたって、困ることはない。

 

これらの言葉が

柔らかな物語の中から突然やってくるので

ギャップに思わずやられてしまいました(笑)

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

伊坂さんらしい仕掛けがあり

とても温かい気持ちで読み終わる連作短編集でした!

 

登場人物一人一人が際立っており

それぞれが他の登場人物や他の世界の幸せを願っている

優しい世界の物語でした。

 

本書が気になる方は

是非手に取ってみてください!

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