こんにちは!しょーてぃーです。
今回は新川帆立さんの
「元彼の遺言状」について紹介します。
元彼の遺言状
本書の概要
本書は弁護士として勤務経験のある
新川帆立さんのデビュー作であり
第19回『このミステリーがすごい! 』の
大賞受賞作でもあります。
また、2022年4月11日から
ドラマ化が決まるほどの大ヒット作でもあります!
本書をオススメしたい人
本書をオススメしたい人は以下になります。
・ミステリー作品が好きな方
・小説が好きな方
・読みやすい小説がお好きな方
まず、デビュー作だとは思えないほど
しっかりとストーリーが構成されています。
後に記載しますが、本作の主人公はインパクトがあり
その主人公の言動や
他の登場人物との掛け合いのおかげか
ミステリー作品としてはしっかりしつつも
ものすごく読みやすい1冊になっています。
「元彼の遺言状」のまとめ
本書のあらすじ
主人公の剣持麗子は目を引くほどの美人でありながら
ハッキリとした強気な性格な上、金に目がない凄腕女性弁護士です。
ある日、大学時代に3か月だけ交際していた
大手製薬会社の御曹司である森川栄治が
奇妙な遺言状を残して亡くなりました。
その遺言状とは
「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」
剣持は、
犯人候補として名乗り出てきた栄治の友人の代理人として、
森川家の主催する「犯人選考会」に参加することになります。
数百億円とも言われる財産の分け前を獲得するべく、
剣持は自らの依頼人を犯人に仕立て上げようと奔走します。
一方で、剣持は元カノの1人としても
軽井沢の屋敷を譲り受けることになっていました。
ところが、手続きを行なったその晩、
遺書が保管されていた金庫が盗まれてしまいます。
更に、栄治の顧問弁護士であった町弁が
何者かによって殺害されてしまう
遺産相続ミステリーです。
新川麗子の強烈さ
物語序盤から本当に主人公が強烈です。
主人公、言わばヒロインなのですが
マジで好感度の低さにびっくりします。
特に歯に衣着せぬ物言いであり
お金への執着っぷりな部分のせいか
顔は美人であること以外、ヒロインの要素はゼロに近いです。
ただ、最初は好感度が低いのですが
作中で素敵な部分やいい部分を感じることも多く
読み終える頃には素敵な主人公だと思ってしまいました!!
強い女性へのこだわり
この「強い女性」という部分は
著者自身こだわりがあった模様で、下記のように述べられています。
今回の受賞作は、女性が力強く活躍できる社会を願って、女性のために書きました。
『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラみたいに
強くて癖のある女の子を描きたいと思って話を考えました。
他の短編を書きながら、ちょろちょろとプロットを考えるのに数ヶ月かかり、
原稿に着手してからは3週間弱で書きました。世の中つらいことも多いですが、
本の世界にいる数時間だけでも、破天荒な主人公と一緒になって、
笑ってもらえるといいなと思います。もちろん、女性以外の読者も大歓迎です。
引用元:元彼の遺言状
私がイメージする「女性像」や「ヒロイン像」は
・一生懸命
・可愛い
・か弱い
・守ってあげたくなる
といったようなイメージでした。
勝手にイメージした女性像を
押し付けてしまっていたなと少し反省しました。
著者の「女性が力強く活躍できる社会を願って」というところから
・彼氏からもらった指輪の安さにダメ出しをする
・本当に欲しいものはどんな手を使っても手に入れる
という強すぎるエピソードも出てきます。
そのエピソードが
強い女性に振り切っているが故に
「カッコイイ!」と無意識に思ってしまいます。
スピード感もあり、
人間味あふれる主人公の雰囲気が
女性作家だからこそ書けるキャラクター像でした。
これらの要素だからこそ
一気読みできてしまう作品の
大きな要素であると感じました。
物語の面白さについて
本書の前半は主人公の強烈っぷりに圧倒されることも多いですが
後半からの展開が全く読めなくなります。
最終的に犯人と
「本当の目的」の真相には思わず唸ってしまいました。
また、弁護士経験のある著者だからこそ
主人公のキャラクターと裏腹に
設定や情景、法律に関する部分はものすごくリアルです。
「本当にこれがデビュー作なのか!?」と
思わず疑ってしまうほど、非常に読み応えのある1冊です。
最後に
ここまで本作について紹介してきました。
本書の特徴はなんといっても
主人公のキャラクターのインパクトです。
読み進めるうちに
最初はあまり好きではなかった主人公を
思わず好きになってしまいます。
もし気になられた方は、是非読んでみて下さい。
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