こんにちは!しょーてぃーです!
今回は橘玲さんの「無理ゲー社会」について紹介します。
本書の印象に残った部分や感想を記載していきます。
本書について
本書は、タイトルの通り
「この社会を快適に生きていくのってもう無理じゃない?」
ということについて書かれています。
元々ただでさえ残酷な「資本主義社会」だったのに、
更に残酷である
「能力主義社会」に変わってしまったとのことです。
出版される作品全てに切れ味のある橘玲さんだけに、
かなり厳しい現実を論じています。
本書をおすすめしたい人
・橘玲さんがお好きな方
・今後の生き方について考えている方
・「能力主義社会」の現実を知っておきたい方
「能力主義社会」を強いられるのは上級国民などではなく、
能力低めの一般人であると記されておりいます。
今後の「能力主義社会」によって以下のようなことになっていくと記されています。
・「努力不足」と論破される
・非モテが加速する
・政府も助けてくれない
今後、誰もが憧れるような地位や名誉を手に入れる人がいる一方で
「なんでできないの?」と
プレッシャーを受け続ける人がいるというような社会になり
それらの出来事を突き付けられる1冊です。
この社会を乗り切れる自信の有無は人それぞれあると思いますが、
知っておいて損なことは無いと思います。
「無理ゲー社会」のまとめ
「努力不足」と論破される
本書で最も力強く書かれている部分が
この「努力不足」と論破されるということです。
今までのお金こそが正義であった「資本主義社会」よりも
能力が正義である「能力主義社会」だと
言い訳ができなくなってしまいます。
資本主義社会の時は
宝くじが当たった人や、親の資産を受け継いだ人など
自分の能力値や努力量に関係なく成功した人も一定数いました。
その分、「親がお金持ちじゃないし、仕方ないよね・・」というように
ある程度社会全体が許してくれていた部分もありました。
しかし、これからの「能力主義社会」は違います。
ただお金を持っている人は銭ゲバ扱いをされ、
才能と努力によって培った能力が
重視される時代になるのです。
能力主義社会のポイントとして、才能だけではなく努力も含まれることです。
持って生まれた才能や生まれた家系だけでなく、
後天的な努力でも成功できると認識されてしまいます。
つまり「成功できていない=努力不足」であり
「 自己責任だ!!」と言われてしまいます。
資本主義なら、成功していなくても
家柄や運要素も踏まえて、周りが慰めてくれていました。
しかし能力主義社会になった途端
「なんで成功してない?」
「サボっているだけでしょ?」と責め立てられたりします。
一方で
「努力次第で成功できるんでしょ?最高じゃん!!」と思われる方もいますが
残酷なことに「能力も実は運次第」なのです。
「努力すればいい」「この瞬間何かやればいい」という考えもありますが
「努力できること自体が一種の才能である」とのことであり、
この才能は遺伝の影響がとても大きいのです!
145万人の双子を対象に行われた実験で発覚したのですが
努力に必要な能力である集中力ややる気のうち、
集中力の遺伝率は44%、やる気は55%だったのです。
因みに才能による能力である
記憶力の遺伝率は45%、計算力の遺伝率は56%でした。
このように頑張れば培えられると思われていた努力も才能と
ほとんど変わらない遺伝率なので
「努力できない=サボっている」はお門違いということになります。
背が低い人、運動音痴な人、
歌が下手な人がいる一方で努力できない人も一定数います。
それなのに努力できない人に対して「努力不足」と揶揄される社会は
無理ゲー社会であるとのことです。
非モテが加速する
非モテが加速するとは、
「自分らしく生きる女性がモテない男性を相手しなくなる」ということです。
能力主義社会になるとこれまで以上に多くの女性が
性別問わず成功していきます。
これは社会にとっては素晴らしいことであり、
「女性だから〜」といった縛りから解放される社会になります。
これまでの女性は
仕事ができても、才能があっても「早めに結婚するべき」といった
社会の空気感によって人生を強要されていた部分もあります。
結婚したいわけではないのに、婚活をして
「悪くは無い相手」と結婚することが多かったのです。
これからの能力主義社会では、
完全では無いですが従来の空気感が緩和されます。
性別、人種に問わない能力主義社会では
そんな社会から解放され、自分らしく生きる人が増えます。
そのため「結婚しない」選択をする女性もより一層増えます。
もし結婚するとしても、自分らしく生きることを優先するので、
外見、性格、年収などの基準がかなり高くなります。
つまり
今までの「女性は結婚するべき」という空気感のあった社会のおかげで
結婚できていた男性のレベルでは相手にされず
より非モテが加速するということです。
よって今後の恋愛はますます
「能力値の高い人々だけの娯楽」へと進んでいきます。
政府も助けてくれない
そもそも「助けてくれない」というわけではなく
「政府が機能しない」状態になります。
現時点でも、コロナ禍の対策などで遅れている上、
政府の方々も頑張ってはいますが、機能しなくなっていくとのことです。
なぜなら、能力主義社会だと個々人が自由に生きるからです。
今までのように、国民の大多数が就職したり家を買ったりなど
生き方が限定的であれば、
政府も必要な法案や政策がわかっていたので機能していました。
ただ、生き方がこれまで以上に多様性になると
国民に必要なサポートがわからなくなります。
「自分らしく生きる」という言葉はとても素晴らしいですが
管理する側は「めっちゃ面倒くさい」のです。
よって能力主義社会になればなるほど
政府からのサポートがなくなり、格差が更に広がるのです。
つまり「自分らしく生きる」ということで
より一層、能力主義によって格差を生み出す上に
誰も手助けしてくれない社会になってしまうので
「無理ゲー社会」になってしまうということです。
最後に
これまで本書を通じて
今後の社会は
より一層格差が広がり、快適に生きていくのは難しいとのことです。
残酷な現実を知っておくだけで
今後の対策は少しでも立てられると思います。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
本書が気になられましたら、是非手に取ってみてください!
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