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『そして、バトンは渡された 』のあらすじと感想について

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、瀬尾まいこさんの

『そして、バトンは渡された 』を

紹介していきます!

 

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『そして、バトンは渡された 』について 

本書の概要

本書は2019年に、本屋大賞を受賞した

大ヒット作になります。

 

主人公の森宮優子は

親の諸事情で3人の父親と

2人の母親を持つことになります。

 

生まれた時は水戸優子で

その後、田中優子から泉ヶ原優子を経て

現在は森宮優子になりました。

 

3度も苗字が変わり

「優子」と名付けた人物は

近くにいないので

自分の命名の経緯は知らないです。

 

親はころころと変わりますが

出会う家族全員に、たくさんの愛情を注がれたので

親との関係に悩むことも

グレることもないまま幸せに育っています。

 

また本作は2021年10月に

永野芽郁・田中圭・石原さとみ主演で映画化にもなり

本好きの人から、普段本を読まない人にも

知名度があるヒット作品になります。

 

以下、映画「そして、バトンは渡された」の公式サイトです。

https://wwws.warnerbros.co.jp/soshitebaton-movie/

 

本書をオススメしたい人

・泣ける作品が好きな人

・家族愛を感じたい人

・感動できる作品が好きな人

 

家族愛の感じる作品が好きな人はもちろん

普段はそのような作品を読まない人でも

感動してしまう作品です。

 

本屋大賞選考時に、多くの書店員さんにも

感想を与えた作品になります。

 

書店員さんの推薦コメントはこちら

https://books.bunshun.jp/sp/soshite-baton

 

「さすが本屋大賞を受賞した作品だな」と

思ってしまうくらい

読者の心に突き刺さる作品です。

 

親がころころ変わると

「不幸」「可哀想」と思ってしまいますが

アプローチは違えど、それぞれの親の

愛情の注ぎ方には感無量です。

 

優子と血の繋がらない親の

幼い頃から巣立っていくまでの物語です。

 

そして、読み終えた時に

「そして、バトンは渡された」の

タイトルの意味を強く感じます。

 

『そして、バトンは渡された 』のあらすじ

あらすじの概要

以下、公式サイトの作品紹介になります。

私には五人の父と母がいる。その全員を大好きだ。

高校二年生の森宮優子。
生まれた時は水戸優子だった。その後、田中優子となり、泉ヶ原優子を経て、現在は森宮を名乗っている。

名付けた人物は近くにいないから、どういう思いでつけられた名前かはわからない。

継父継母がころころ変わるが、血の繋がっていない人ばかり。

「バトン」のようにして様々な両親の元を渡り歩いた優子だが、親との関係に悩むこともグレることもなく、どこでも幸せだった。

 

引用元:そしてバトンは渡された

https://books.bunshun.jp/sp/soshite-baton

 

主な登場人物

森宮優子

主人公で、父親が3人・母親が2人います。

優しくて素直な性格ですが

生い立ちの影響か、少し冷めたところもあります。

 

早瀬君

主人公の高校の同級生で

一緒に合唱祭でクラスの伴奏をしました。

 

ピアノが上手で、優子に対して恋をします。

後に優子のパートナーになります。

 

森宮壮介

優子の3番目の父親です。

優子が高校生の時に父となり

その後、結婚まで見守ります。

 

梨花の同級生であり

東大卒からの大企業勤めのエリートです。

 

責任感が強く穏やかな性格ですが

少し変わった部分もあります。

 

梨花

優子の2番目の母親です。

優子が小学3年生の時に母になります。

 

人生を楽しむ自由人ですが

常に、優子を第一優先にに考えています。

 

泉ヶ原茂雄

優子の2番目の父親で

優子が中学生の時に父になります。

 

寛容性があり、優子と梨花を

温かく見守ります。

 

ネタバレを含むあらすじ

ここから先は「ネタバレしてもいい!」と

お思いの方のみご覧ください。

 

【第1章】優子の名前の遍歴編

『水戸優子』編

それが優子の最初の名前でした。

 

優子が3歳になる前に

実の母親が交通事故で他界します。

 

そこで優子は水戸秀平(実の父親)と

2人暮らしになります。

 

そして優子が小学3年生になる頃

水戸秀平は田中梨花と再婚します。

 

幼い優子は美人で優しい梨花のことを

すぐに大好きになります。

 

しかしその1年後に父親の秀平が

ブラジルに転勤することになりました。

 

このことが原因で

秀平と梨花は離婚してしまいます。

 

どちらの親に着いていくのか?

小学4年生だった優子に

この選択を任せられました。

 

優子はよく分からなかったものの

「友だちと離れたくないから」を理由に

梨花と一緒に日本に残ることを選択します。

 

こうして、実の親と離れて

梨花との二人暮らしが始まります。

 

計画性がなくて

すぐにお金を使ってしまう

梨花との生活は貧しかったものの

明るくて自由な梨花との生活は

優子にとって楽しくて有意義でした。

 

『田中優子』編

この名前が変わるきっかけは

ある一言からでした。

 

「ピアノが欲しい」

これは優子にとって

ただ言ってみただけのことでした。

 

優子の友達がピアノを習っていて

それが楽しそうに見えたから

ついぽろっと口にした言葉でした。

 

もちろん優子は、毎月の生活費に困っている現状で

ピアノを買うことは無理だと理解していました。

 

ところが梨花は

思いもかけない方法で

優子にピアノをプレゼントします。

 

その方法は、お金持ちである

泉ヶ原茂雄と再婚したのです。

 

梨花は優子のために

結婚相手をつかまえてきたと言いました。

 

「結婚ぐらい大したことじゃないよ。

洋服買っても鞄買ってもちっとも喜ばない優子ちゃんが、

ピアノは自分から欲しいって言うんだもん。

どうしたって叶えなきゃって思うじゃない」

 

こうして、中学生にあがると同時に

「泉ヶ原優子」になり生活は激変しました。

 

『泉ヶ原優子』編

小さなボロアパートから

大きな豪邸になり

お手伝いさんがいる泉ヶ原家で

優子は一切の家事をしなくてよくなりました。

 

必要なものがあれば買ってくれる。

欲しいものがあれば買ってくれる。

何一つ不自由のない生活でしたが

梨花が「退屈だ。窮屈だ」と

言い出すまでには、時間がかかりませんでした。

 

そして、結婚から1年が経つ前に

梨花は泉ヶ原家から飛び出してしまいます。

 

結局これを機に

梨花と泉ヶ原は離婚します。

 

梨花は、何度も泉ヶ原家を訪ねては

「私と一緒に行こう。また二人で暮らそう」と

優子を勧誘しましたが

優子は泉ヶ原がかわいそうだったので

家に残り続けました。

 

『森宮優子』編

高校生にあがると同時に

優子の名前は再び変わります。

 

梨花が再婚したことで

泉ヶ原から優子を引き取りました。

 

あたらしい父親の名前は森宮壮介。

 

優子の第一印象は

「梨花さんのタイプじゃなさそう」でした。

 

この予感はすぐに当たります。

新婚生活が始まって

たった2ヶ月で、梨花はいなくなりました。

 

「探さないでください 梨花」という

置き手紙だけを置いて姿を消しました。

 

後日届いた離婚届に

森宮は平気な顔で判子をを押しました。

 

そうして、家に残ったのは

会ってまだ数ヶ月しか経っていない

優子と森宮だけという状況です。

 

こういった経緯で

現在高校2年生の「森宮優子」となりました。

 

【第2章】優子の巣立ち編

第2章の舞台は4年後です。

 

優子は短大を卒業後

栄養士の資格を取得して

地元の小さな食堂に就職していました。

 

相変わらず森宮さんと

2人暮らしでしたが、もうすぐ結婚を控えていました。

 

相手は高校時代の同級生の早瀬君で

卒業後に偶然再会したことをきっかけに

付き合うようになりました。

 

そしていよいよ結婚を控えたところから

第2章は始まります。

 

娘の巣立ちに森宮さんは

喜んでいると思いきや

まさかの大反対をしていました。

 

そんな第2章は以下の構成です。

  • 第1章の終わりからの4年間の出来事
  • 森宮さんへの結婚の説得
  • 森宮さん以外の親達へのあいさつ

 

森宮さんが結婚に反対した理由

結婚相手の早瀬君はピアニストとして

音大に通っていたのですが

途中で退学してしまい

料理方面に夢を変えるようになります。

 

ピザの修行のためイタリアへ行き

ハンバーグの修行のためアメリカへ行く。

 

夢も早瀬くん自身もフラフラとしていると思い

森宮さんは賛成できませんでした。

 

物語が進む中で早瀬君は

「やっぱりピアノが弾きたい」という

本心に気付きます。

 

結局フランス料理店の正社員を退職して

音楽教室の講師と

イベントでピアノを弾く派遣の仕事に

キャリアを変えました。

 

森宮さんが2人の結婚を

認めることになった決め手は

早瀬君が弾く迫力のあるピアノを聴いたことでした。

梨花が消えた理由

結婚してはすぐに出ていくという

謎な行動をとった梨花でしたが

実は深刻な病気になっていました。

 

中学生時代から、

梨花が優子と暮らすことを避けて

突然家を出た理由は、病気を隠すためでした。

 

そして、森宮さんと再婚したのも

優子の親に合っていると思ったからでした。

 

第2章では、梨花は病院で入院生活中です。

病室のネームプレートには

『泉ヶ原梨花』と名前が書かれています。

 

梨花は森宮さんと離婚した後に

泉ヶ原と再婚していました

 

梨花は泉ヶ原家を窮屈に思うも

泉ヶ原のことは「いい人」として好きだったのです。

 

『そして、バトンは渡された 』の感想

不幸ではない主人公

本書の冒頭部分は

「困った。全然不幸でないのだ」と

優子が語るところから始まります。

 

ですが、母親2人、父親3人という

想像も出来ない設定の物語です。

 

しかも、血のつながった親は

死別と離婚という重すぎる状態ながらも

巧みな会話と人間味の溢れるキャラの

特徴がとても面白く描かれております。

 

そして「困った。全然不幸でないのだ」と

優子自身がグレることなく、幸せに生きてこれたのも

それぞれの親たちの

愛情深さのおかげだと感じます。

 

血縁関係のない親子関係がメインですが

絆や愛情は血筋が全てではないことが

ものすごく感じられてきます。

 

親子関係については、著者の瀬尾まいこさんも

インタビューで強く述べています。

 

著者のインタビュー記事

https://bunshun.jp/articles/-/11429

 

感動的であり沁みてくる物語

本書のテーマや舞台は

「親子関係」や「家庭」であり

主に描かれているの内容も

なんてことのない親子のやりとりです。

 

基本的には明るくて、ほっこりするストーリーです。

森宮さんと優子の会話も

コミカルで読みやすいです。

 

それなのに感動的なのです!!

 

それぞれの親なりの愛情表現や

優子のことを思いやる気持ちなどで

優しさや愛情や生きる強さが

読者に静かに沁みてくるのです。

 

特に、優子の結婚が決まったことにより

見えてくる親たちの考えや思いには

思わず涙が出てしまいます。

 

破天荒な梨花や

少し変わっている森宮さんの

親として一生懸命な姿や

一途な愛情と行動に、読者は心を動かされます。

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

最初は、優子視点で物語が進行しますが

最後には、森宮視点になることで

タイトルの意味が分かる作品です。

 

親子愛の感動作である本書は

『本屋大賞2019』にふさわしい作品であり

多くの人に読んでほしい1冊です。

 

本書が気になる方は

是非手に取ってみてください!

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