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『君の背中に見た夢は』のあらすじと感想について

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、外山薫さんの

『君の背中に見た夢は』について紹介をしていきます!

 

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『君の背中に見た夢は』について 

本書の概要

本書はひとことで言うと

小学校受験に挑む家族の生々しさを描いた作品です。

 

本書をオススメしたい人

・小学校受験のリアルを知りたい人

・仕事と子育ての両立について気になる人

・外山薫さんの作品が好きな人

 

著者である外山薫さんは、別名義のツイッター(現・X)アカウントで

続けざまに発表してきた「タワマン文学」で一躍注目を集めました。

 

タワーマンションに暮らす人々の勝ち組人生を揶揄したり、

知られざる悲哀にそっと寄り添うような文章は、

令和を生きる都市生活者のリアルがえげつないほど鮮明に描かれていました。

 

そして自身のツイートを元ネタにしつつ執筆したのが、

デビュー作となる『息が詰まるようなこの場所で』です。

 

そして第2作である本作の題材は、小学校受験ですが

現代を象徴する東京の共働き家庭を中心に

主人公である母親の日常の苦悩や葛藤が描かれています。

 

仕事と家庭の両立、非協力的な夫、嵩む塾代、思い通りにならない我が子など

多種多様な悩みに葛藤しながらも、娘を名門小学校に合格させるために奮闘しています。

 

外からは見えにくい「小学校受験」という世界が生々しく描かれており

小学校受験の入門書となる作品となっています。

 

『君の背中に見た夢は』のあらすじ

あらすじの概要

小学校受験で試されるのは子供ではありません。家族です。

「この子たちに選択肢を与えてあげられるのは世界で一人、私だけだ」

大手化粧品メーカーで働く新田茜は、ある日従姉妹のさやかの影響で、中学受験回避のための小学校受験に興味を持つように。

テレビ局記者の夫を持ち、世間的にはパワーカップルと呼ばれる茜たちだが、お受験の世界はさらに上の富裕層との戦いだった。

仕事と家庭の両立、協力してくれない夫、かさんでいく教育費、思い通りにならない子供たち。

悩み葛藤しながらも、5歳の娘・結衣を名門小学校に合格させるため、茜はどんどん小学校受験にのめり込んでいく。

その先に見えるものとは――。

東京で過酷なお受験に翻弄される家族の物語!

君の背中に見た夢は より

 

主人公の茜は、群馬の県立高校から慶応大学に進み

一流企業に勤める30代後半のバリキャリママです。

 

夫は大学の同級生でテレビ局報道部員で

あることをきっかけに娘の結衣に小学校受験をさせることになります。

受験のための塾には、上流階級の人が多く最初は気後れしている茜ですが

結衣が4月生まれということもあり、ペーパーテストも運動もそつなくこなします。

 

また、勘が良く物分かりも良いので、親の期待に次々と応えてくれます。

 

ですが、受験が近付くにつれて家族が一致団結しないといけないなか

焦りや家庭内のトラブル、結衣のスランプなどが重なり、受験は一筋縄ではいかなくなります。

 

『君の背中に見た夢は』の感想

小学校受験のリアルを細かく描いた作品!

本作は小学校受験の入門書といっても過言ではないほど

受験までの流れ、家庭事情、競争具合がリアルに描かれています。

 

なかでも、小学校受験をに挑む3パターンの家族と

その心情がリアルに描かれていることが本作の最大の魅力だと感じました!

 

主人公である茜の家族は、父親が多忙なテレビ局員であり

夫婦の年収は合わせて2000万円を超える恵まれた環境ですが

母親が受験に熱中していく一方で、父親はやる気がなく母親のギャップに不満を抱えています。

 

また女性の社会進出の流れによって、茜自身も努力してキャリアをつかみましたが

子育てと仕事を十分に両立できる状態ではないのにも関わらず

会社では男性同様の仕事量を求められ、

家では家事育児もしながら受験のことをやらないといけない状況で

側からみればハイスペックながらも、実情は急や葛藤で不満が募る生活となっています。

 

一方で、親からの贈与や夫の稼ぎで何不自由なく暮らす専業主婦の家庭では

親族が小学校受験をしたからこそ、自分の子供にさせるのが当たり前という考えであり

こちらも側から見れば恵まれている環境ですが、

絶対に名門校に合格させなければいけないという重圧があり

子供の成績で一喜一憂してしまい、どうしようもないことに関しても責任を感じています。

 

さらに、カリスマ経営者のような成金一家も出てきており

小学校受験自体に興味はありませんが

見栄やブランド志向が強い夫に言われて子供を塾に通わせており

教育方針等は関係なく学校名だけで選ぼうとする夫と

子供の気持ちを優先させたい母親の考えにギャップが生じています。

 

これら3家族は特性は全く異なりますが、同じ小学校受験で悩みを抱えており

3家族がそれぞれが戦友として受験を乗り越えていく姿には思わず応援してしまいます!

 

あくまでも一般家庭からすれば小学校受験は贅沢すぎる選択なので

どうしても情報が入りにくい世界であります。

 

ただ本作を通じて、家族全員で乗り越えなければ合格はできないどころか

結果よりも子供の成長過程が大事であるという強いメッセージを受け取れました!

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

ニッチな世界ながらも「そういう世界があるのか!」と

驚きと同時に知的好奇心が満たされる作品でした!

 

本書が気になる方は

是非本書を手に取ってみてください!

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