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『ルポ 超高級老人ホーム』の要約について

ノンフィクション

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、甚野博則さんの

『ルポ 超高級老人ホーム』について紹介をしていきます!

 

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『ルポ 超高級老人ホーム』について 

本書の概要

本書はひとことで言うと

超高級老人ホームの実態に迫った1冊です。

 

本書をオススメしたい人

・超高級老人ホームの実態を知りたい人

・老後の住まいについて考えている人

・社会問題やノンフィクションが好きな人

 

本書は、ジャーナリストの甚野博則さんが

日本の超高級老人ホームの実態に迫るルポルタージュです。

 

入居金が数億円に及ぶこれらの施設は、

一般にはあまり知られていない世界であり、本書はその内情を詳細に描き出しています。

 

具体的には「サクラビア成城」「聖路加レジデンス」「中銀ライフケア熱海」などの豪華施設の取材から、

住人たちの生活や人間関係のリアルを浮き彫りにしています。

 

優雅で快適な環境とは裏腹に、入居者同士のカースト意識、マウンティング、孤独感 など

複雑な問題が存在することも明かされます。

 

さらに、表向きは高級でも実態は劣悪な「悪徳施設」の実情も潜入取材し、

富裕層の老後の現実を鋭く描写。「豊かな老後」とは何か を問いかける1冊となっています。

 

『ルポ 超高級老人ホーム』のまとめ

第1章: 選ばれた者だけの「終の棲家」、超高級老人ホーム

日本を代表する超高級老人ホーム「サクラビア成城」を中心に、

富裕層のための老人ホームの実態が描かれています。

 

入居金は数億円に及び、ホテル並みの豪華な設備や、

24時間の医療・介護サポート、専属シェフによる食事など、

至れり尽くせりのサービスが提供されます。

 

しかし、そこで暮らす入居者の間には、

元職業や財力による「見えないヒエラルキー」が存在し、

かつての成功者たちが無意識のうちにカーストを形成されています。

 

部屋の広さや眺望、家族の訪問頻度までもが比較対象となり、

常にマウンティングが繰り広げられています。

 

さらに、豊かさゆえの孤独も問題となっており、家族との関係が希薄になったり、

死を目前にしてもプライドが邪魔をして助けを求められない入居者も多いです。

 

第2章: 「入居者カースト」でマウンティングし合う高齢者たち

熱海の高級シルバーマンション「中銀ライフケア熱海第三伊豆山」を通して、

富裕層の高齢者が直面する新たな社会構造を取り上げています。

 

ここは分譲型の老人ホームであり、入居者は自分の部屋を所有しています。

 

しかし、購入時期や部屋の広さ、眺望の良さによって、

見えないカーストが形成されているのが現実です。

 

特に、施設の初期から住んでいる「古参住人」がコミュニティを支配し、

新参者はなかなか馴染めないという問題があります。

 

また、入居者の元職業や学歴までもが評価基準になり、

「元経営者」「元官僚」などのステータスが人間関係に影響を与えています。

 

こうした環境では、老人ホームでありながら、

社会での成功体験がそのまま持ち込まれ、他者と比較し続ける日々が続きます。

 

著者は、高級老人ホームの実態を通じて、

老後において本当に重要なのは「経済力」ではなく「心の充足」であると問いかけています。

 

第3章: 「死に場所」さえステータス化する富裕層の執着

高級老人ホームの中でも特に「終の棲家」としての役割が重視される

「聖路加レジデンス」に焦点を当てています。

 

入居者は主に富裕層であり、

彼らにとって「どこで死ぬか」がステータスになっているのです。

 

多くの人が「普通の病院や介護施設ではなく、

名誉ある場所で最期を迎えたい」と考え、聖路加レジデンスを選びます。

 

しかし、その環境では「どの部屋に住んでいるか」

「どの程度の医療サポートを受けているか」などが比較され、

最期の瞬間に至るまで競争が続くのです。

 

さらに、家族との関係が希薄になりがちで、

死を迎える際に誰も立ち会わないケースも少なくありません。

 

本章では、富裕層の死への執着と、

それによって生まれる孤独について考察しています。

 

著者は、「どこで死ぬかではなく、どう生きるかが重要である」と読者に問いかけ、

高級老人ホームの理想と現実のギャップを浮き彫りにしています。

 

第4章: 老人は二度死ぬ。悪徳施設への潜入取材

超高級老人ホームとは対照的に、悪徳施設の実態に迫っています。

 

著者は関西のある施設「真理の丘」(仮名)に潜入し、

表向きは豪華な老人ホームでありながら、

実態は劣悪な環境で運営されていることを明らかにしました。

 

入居者に提供される食事は粗末で、栄養バランスが考慮されていません。

 

さらに、24時間の医療サポートを謳っているにもかかわらず、

実際には人手不足で対応が遅れることもあります。

 

こうした問題は、家族が高級施設に預けたという安心感から、

入居後のチェックが甘くなることに起因しているのです。

 

また、現役スタッフの告発によると、施設の経営陣は利益を最優先し、

コスト削減のためにサービスの質を落としているといいます。

 

著者は、「老人は二度死ぬ」という表現を用い、施設に入ることで社会的に孤立し、

最後には尊厳を失った形で死を迎える現実を指摘しています。

 

超高級か悪徳かに関わらず、

老人ホームというシステムが抱える根本的な問題を鋭く描き出している章です。

 

第5章:桃源郷は夢のまた夢。「世俗」に還る人々

高級老人ホームに入居したものの、最終的に施設を離れ、

一般社会へ戻ることを選んだ人々のケースを紹介しています。

 

福岡の「アンペレーナ百道」を舞台に、著者は現場での業務体験を通じて、

高級老人ホームに対する違和感を抱く入居者の声を拾い上げています。

 

経済的な問題から退去を余儀なくされるケースもありますが、

多くの人が「管理された生活」に疲れ、自由を求めて退去を決断しています。

 

また、入居者同士の人間関係のストレスや、生活の単調さから、

「結局、普通の生活に戻った方が心地よかった」と感じる人もいるのです。

 

一方で、一部の入居者は施設内で働くことで、入居権を維持するという選択をしています。

 

この章を通して、著者は「本当に豊かな老後とは何か?」という問いを投げかけています。

 

超高級な環境での生活が必ずしも幸福を保証するわけではなく、

人とのつながりや自由が、老後の充実にとってより重要であることを示唆しています。

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

「高級老人ホーム=幸せな老後」ではないという現実を知る上で、

ものすごく貴重なルポルタージュでした!

 

本書が気になる方は

是非本書を手に取ってみてください!

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