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『麦本三歩の好きなもの 第三集』のあらすじと感想について

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、住野よるさんの

『麦本三歩の好きなもの 第三集』について紹介をしていきます!

 

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『麦本三歩の好きなもの 第三集』について 

本書の概要

本書はひとことで言うと

心温まる日常にほっこりする物語です。

 

本書をオススメしたい人

  • 日常系のゆるっとした作品が好きな人
  • 休日にまったりと読書を楽しみたい人
  • 何気ない日常から小さな幸せを見つけたい人

 

本作は、『君の膵臓をたべたい』で知られる住野よる氏による大人気シリーズの最新作です。

 

主人公は国立大学卒でTOEICスコア925という経歴を持ちながら、

ちょっと抜けたところのある20代女性・麦本三歩(むぎもと さんぽ)。

 

彼女は大学図書館で司書として働きながら、

「朝寝坊、チーズ蒸しパン、そして本」といった

身近な好きなものに囲まれた日々を送っています。

 

何気ない毎日が好きな物であふれているおかげで、毎日は楽しい三歩の

愛おしい日常を描いた心温まる物語です。

 

シリーズ累計55万部を超える人気ぶりもうなずける、

読む人の心をほっと温めるような作品となっています。

 

本シリーズは三歩の何気ない日常を綴る連作短編集で、

特別な事件や劇的な展開はありません。

 

図書館での仕事中のひとコマ、美味しいものを食べ歩く休日、

一人旅や友人との温泉旅行など、誰もが想像できる身近な出来事が

ユーモアたっぷりに描かれています。

 

最新の第三集では、そんな変わらない日常を過ごしていた三歩に、人生の大きな転機が訪れます。

 

三歩がついに結婚という決断に至るります。

 

ゆったりとした日常の積み重ねの先に待っていた意外な展開に、

心温まる気持ちになる作品です。

 

『麦本三歩の好きなもの 第三集』のあらすじ

平凡な毎日にある特別な瞬間

第三集の物語は、三歩の朝寝坊から幕を開けます。

 

仕事である大学図書館への出勤日に寝過ごしてしまい、

勤務開始時間に遅刻というドタバタなスタートです。

 

入社4年目にもかかわらず懲りない三歩のマイペースぶりですが、

そんな失敗も三歩の日常の一部です。

 

図書館での日々は相変わらず穏やかで、

文体や空気感もシリーズ当初から変わらない“ゆるさ”に包まれています。

 

遅刻騒動の後も、三歩の毎日は好きなものに彩られていきます。

 

例えば、とあるエピソードでは三歩が、意を決してクラブに行く場面があります。

 

普段は図書館勤めで地味な印象の彼女が、

夜のクラブで音楽に身体を揺らす様子は意外ですが、

三歩なりの全力で日常を楽しむ一面です。

 

また、地域のフリーペーパーの密着取材を受けることにもなったときに

地元の雑誌に取り上げられることになり、万全のイメトレで臨むも

緊張で思い通りに全く行かず、悔しい思いをしてしまいます。

 

この心情より、三歩が目の前のことにズレながらも

まっすぐと生きていく姿が描かれています。

 

また、三歩のプライベートでも様々な「好き」が物語に登場します。

 

「麦本三歩はイメチェンが好き」という章では、

美容院で髪型を変える三歩の姿が描かれます。

 

馴染みの個性的な美容師さんとの会話に緊張して噛み噛みになる三歩ですが、

新しい髪型にしてもらうことで少し大人になった自分を感じ、

照れくさそうに鏡を見る場面が印象的です。

 

そんな日常の合間にも、三歩は少しずつ大人の階段を上っています。

 

第二集までの三歩は基本的に一人で気ままな毎日を過ごしていましたが、

第三集では恋人(にーやん)と呼ぶ男性が登場し、物語に大きな変化が生まれます。

 

彼は第二集で知り合った相手で、三歩にとって初めての本格的な交際相手です。

交際が始まってからの三歩は、これまで以上に「好きなもの」について考えるようになります。

 

自分の好きなものと相手の好きなもの、

お互いの違いを受け入れながら歩み寄ることに喜びを感じつつも、

時にはイライラすることもあります。

 

恋人と過ごす時間が増える中で、

三歩は今まで経験したことのない将来への悩みにも向き合うようになります。

印象的なのは、結婚に際して三歩が「夫婦別姓」について真剣に語る場面です。

 

苗字を変えずに結婚したいという自分の想いを伝えるため、

三歩は恋人に向かっていきなり手作りのプレゼン資料を広げます。

 

突然始まった力説にも恋人は驚きつつ、

彼女を茶化すことなく最後まで耳を傾け、自分の意見を静かに述べました。

 

互いに迎合せず本音で話し合う二人の姿からは、

微笑ましさと同時に大人としての誠実さが感じられます。

 

小さな幸せを大事に積み重ねてきた彼女だからこそ、

この大きな転機も自分らしく乗り越えていけると感じさせる姿から

三歩の人生の新たな章の始まりを予感させながら、第三集の幕は静かに下りていきます。

 

『麦本三歩の好きなもの 第三集』の感想

三歩ワールドの魅力と小さな幸せに気づかせてくれる物語

本作はを読み終えてまず感じるのは、三歩という主人公の愛すべきキャラクター性です。

 

初めて三歩に触れる方は、その天然で滑舌の悪い話し方やドジっ子ぶりが

まるでアニメの登場人物のようだと感じるかもしれません。

 

しかし、読み進めるうちに彼女が実はとても人間味あふれる女性であることに気づきます。

 

好きな物のことになると目を輝かせて饒舌になる一方で、

ふとした瞬間に自分の未熟さや相手への思いやりに悩んで落ち込む姿は、

ごく普通の20代女性そのものです。

 

物語のトーンについて言えば、シリーズ当初に比べて

コミカルな要素は少し落ち着いた印象を受けました。

 

第一集・第二集では三歩の奇想天外な言動にクスッと笑わせられる場面が多かったですが、

第三集では笑いだけでなく三歩自身の内面的な成長

アイデンティティにも焦点が当てられています。

 

とはいえ決して堅苦しくシリアスになりすぎることはなく、

三歩らしいほのぼのとしたムードは健在です。

 

三歩の日常描写を読んでいると、不思議と自分の生活を重ね合わせてしまいます。

 

たとえば寒い朝に飲む温かい紅茶にホッとしたり、

スーパーで見つけた好きなおやつにテンションが上がったりすることのような

何気ない小さな喜びは、多くの人が共感できるものではないかと思います。

 

また、三歩の周囲の人間関係の温かさも印象的でした。

三歩自身は自分に自信がなく挙動不審になることもありますが、

彼女の真っ直ぐな人柄は周りの人を自然と笑顔にし、応援したくなる雰囲気を持っています。

 

また、本作では特に、恋人や職場の先輩・同僚といった

「人とのつながり」が丁寧に描かれました。

 

恋人との意見交換の場面では、相手に合わせて自分を曲げるのではなく、

譲れない部分はきちんと主張する三歩の芯の強さが光ります。

 

それを受け止めてくれるパートナーや、

何だかんだ三歩を気にかけてくれる職場の先輩たちの存在からは

周囲に恵まれている三歩の人徳のようなものも感じ取れました。

 

三歩自身は「自分なんて…」と卑下しがちですが、

読者から見ると彼女は周囲に愛される素敵な女性なのだと再認識でき、ほほえましくなります。

 

そして何より、本作を通じて伝わってくるメッセージはシンプルですが力強いものです。

 

それは「嫌いなものより、好きなもののことを語ろう。そのほうが人生は楽しい」というテーマです。

 

三歩はまさに、自分の好きなものについて語ることで毎日を輝かせている女性でした。

 

好きなものに夢中になる時間こそ人生の彩りであり、

嫌なことがあっても乗り越えていける原動力になる

 

そんな当たり前だけれど大切なことを、三歩は教えてくれているように思います。

 

全体として、『麦本三歩の好きなもの 第三集』はシリーズ未読の方でも

心温まるエピソードを楽しめる一冊ですが、

できれば第一集から読んで三歩の成長を追体験してみてほしい作品です。

 

巻を追うごとに三歩の世界が少しずつ広がり、

人との繋がりや新しい経験によって彼女自身も成長していく過程に深い感動があります。

 

第三集ではその集大成とも言える大きな転機が描かれましたが、

それでも物語はまだ続いていきそうな予感もあります。

 

読者としては、「三歩、ついに人妻になったんだなあ」と感慨深く思いつつも、

これから先の彼女の日常ももっと見てみたい、と感じずにはいられない作品です。

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

読み終えた後にふんわりとした幸福感を与えてくれる作品でした。

シリーズを未読の方にとっても、三歩の世界はきっと親しみやすく感じられますので

 

ぜひこの機会に三歩の物語に触れてみてください。

本書が気になる方は、是非手に取ってみてください!

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