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『人間』のあらすじと感想について

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、又吉直樹さんの

『人間』について紹介していきます!

 

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『人間』について 

本書の概要

本作はひとことで言うと

人間としての存在意義を問い続ける、自己探求の物語です。

 

本書をオススメしたい人

・自己探求や人間の本質について考えることが好きな人

・又吉直樹さんの独特な文体や哲学的視点を楽しみたい人

・芸術家や表現者の苦悩に共感する人

 

本作は、芸人・永山を中心に、芸術家志望の若者たちが織りなす群像劇です。

 

彼らは共同住宅「ハウス」で過ごす日々を通じて

「人間らしさ」や「成功とは何か」というテーマに向き合いながら葛藤します。

 

芸人としての自己表現と、人間としての存在意義を問い続ける永山の内面を描きながら、

他者との関係性や孤独感を丁寧に掘り下げた作品です。

 

著者の芸人としての経験が反映されたリアルな描写と、

哲学的な問いが織り込まれた物語が、読者に深い余韻を残します。

 

『人間』のあらすじ

あらすじの概要

大人になっても青春は、痛い。

38歳の誕生日に一通のメールが届いた。

呼び起こされる痛恨の記憶と目前に立ち上がるあの日々の続き。

漫画家を目指し上京した永山が住んだ、美術系の学生が集う共同住宅・通称「ハウス」。

飯島、田村、仲野、めぐみ、奥……住人達との生活の中で降って湧いた希望と、

すべてを打ち砕いたある騒動。そして「おまえは絶対になにも成し遂げられない」という仲野の予言。

神様はなんで才能に見合った夢しか持てへんように設定してくれんかったんやろ。

それかゴミみたいな扱い受けても傷つかん精神力をくれたらよかったのに。

何者かになろうとあがいた青春と何者にもなれなかった現在、

上京以降20年の歳月を経て永山が辿り着いた境地は? そして「人間」とは?

又吉直樹の初長編小説に、単行本では描かれなかった新たなエピソードを加えて待望の文庫化!

人間 より

 

自分を問い続ける芸人・永山

本作は、主人公である芸人・永山を中心に、

芸術家としての自己表現と人間としての存在意義を探求する物語です。

 

物語は、永山がかつて過ごした

芸術家志望の若者たちとともに共同住宅「ハウス」での日々を思い出しながら進みます。

 

永山はその中で芸人としての成功を夢見つつも、

日常生活でのさまざまな不安や葛藤を抱えています。

 

38歳の誕生日を迎えた永山は、

かつて「ハウス」で共に生活した仲間たちや、彼らとの交流の記憶が次第に蘇ってきます。

 

ある日、過去の友人から送られた一通のメールがきっかけで、

永山はかつての自分と向き合うことになります。

 

このメールが、彼の内面に眠っていた

「人間とは何か」「自分は何者なのか」という問いを再燃させます。

 

永山が芸人として追求するのは、自己表現とその評価です。

しかし、彼は自身の存在意義を問い続け、評価されることの意味を常に考えています。

 

成功を掴むことができず、他者からの評価に揺れ動きながらも

自分の道を探し求める彼の姿が描かれます。

 

作品は永山が自らの葛藤や孤独、

そして周囲との関係性にどのように対峙していくのかを通じて、

彼の内面の変化を丹念に追いかけていきます。

 

彼の視点を通じて描かれるのは、

芸人としての成功と失敗の狭間に立つ永山の苦悩です。

 

彼が求めるのは、芸人としてだけではなく、

人間としての自己をどのように確立するかという問いです。

 

特に、彼の過去の仲間との再会や、沖縄での家族との再会が

彼に新たな視点を与える重要な要素となっています。

 

物語の後半では、永山は沖縄での再会を通じて、

自己と他者とのつながり、そして芸人としての自己表現を問い直します。

 

彼が芸人としての活動を通じて感じる孤独感や、

他者との関係性が物語の核心を成しています。

 

永山は、自分が人間として何を求めているのかを深く考え、

次第に過去と向き合い、現在の自分の在り方を問い続けます。

 

そして彼の内面的な葛藤や成長が、

読者に「人間らしさとは何か」という問いを投げかけます。

 

『人間』の感想

芸人として、そして人間としての自己探求の旅

本作は著者の又吉直樹さんらしい

哲学的なテーマを深く掘り下げた作品です。

 

永山の内面の葛藤や、芸人としての自己表現に対する不安と執着が

物語全体を通じて描かれています。

 

彼の悩みや孤独感は、非常にリアルであり、読者に強い共感を与えます。

 

特に、永山が過去の「ハウス」での生活を振り返り、

かつての仲間たちや友人との交流を思い出す場面が印象的です。

 

芸術家を志す仲間たちとのやり取りを通じて、

永山は自己表現の難しさや、

他者との関係における自己の在り方に対して、より深い洞察を得ます。

 

しかしその過程で彼が直面するのは、自己表現の限界や人間としての弱さです。

 

永山は、芸人としての成功を目指す中で、

常に自己を問い続け、答えを見つけられずにもがきます。

 

物語の終盤、永山が沖縄での再会を通じて感じる

「別世界」の存在が、彼に新たな視点を与えます。

 

この「別世界」とは、日常の外にある異なる価値観や生活様式を指し、

それが永山にとっての救いとなる瞬間でもあります。

 

別世界を通じて、永山が人間としての新たな視点を得る過程を描かれており

彼が過去との対峙や、自己の再定義を通じて成長していく様子が、非常に魅力的な箇所です。

 

また、永山が芸人として成功を追い求める中で、

他者からの評価に揺れ動く姿は、

多くの人々が抱える自己肯定感や承認欲求と共通する部分があり、

読者に強く訴えかけるものがあります。

 

特に、彼が「人間らしさ」とは何かを問い続ける姿勢が、

作品全体を通して一貫しており、哲学的なテーマが深く掘り下げられています。

 

作品全体を通じて感じるのは、「人間」として生きることの難しさです。

 

永山が抱える孤独感や、他者との関係性における葛藤は、

私たちが日常的に感じるものと重なり、非常に共感を呼びます。

 

又吉さんのシンプルながらも鋭い言葉で、

日常の些細な瞬間や感情を的確に捉え、読者に深い印象を与えます。

 

読後には、永山の苦悩や成長が、

読者に「自分自身とは何か」「人間らしさとは何か」という問いを投げかけます。

 

この問いに対する明確な答えは存在しないものの、

自己探求や人間存在の本質を問いかける深い作品であり、

又吉直樹さんの文学的な才能が存分に発揮された傑作です。

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

「自分らしさ」「人間とは」について

又吉さんの独特な視点で描かれた面白い作品でした!

 

本書が気になる方は

是非本書を手に取ってみてください!

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