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『さらば!店長がバカすぎて』のあらすじと感想について

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、早見和真さんの

『さらば!店長がバカすぎて』について紹介をしていきます!

 

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『さらば!店長がバカすぎて』について 

本書の概要

本書はひとことで言うと

ダメ上司との攻防が爽快に描かれた1冊です。

 

本書をオススメしたい人

  • 上司や職場の理不尽にモヤモヤしている人
  • キャリアや結婚など将来の選択に悩んでいる人
  • 本や書店が好きで笑って泣ける物語を楽しみたい人

 

本書は、書店を舞台に繰り広げられる笑いと感動の物語です。

 

主人公の谷原京子は、大好きな本に囲まれ働く書店員。

しかし、勤務先の武蔵野書店・吉祥寺本店は理不尽だらけの職場

 

超多忙にもかかわらず薄給、日常茶飯事のクレーム対応、

そしてタイトル通りバカすぎる店長に振り回される毎日です。

 

それでも京子は「本と人をつなぐ」仕事への誇りを胸に、

葛藤しながらも懸命に働き続けています。

 

本書はシリーズ最終巻にあたり、

京子と奇想天外な山本店長の物語が笑いと涙の中で熱く収束していきます。

 

上司と部下の掛け合いや職場のハプニングに笑いながらも、

理不尽な環境で自分らしく働くとはどういうことかを

考えさせられる点も本作の魅力です。

 

なお、本シリーズは第1作が2020年本屋大賞にノミネートされ、

仕事と人生の岐路に立つ京子の成長、

そして書店という場所の持つ意味が丁寧に描かれた笑って泣ける人気作です。

 

『さらば!店長がバカすぎて』のあらすじ

あらすじの概要

カリスマ書店員・谷原京子は、長いスランプが続いていた。そんな中、「おもしろい本の話と店長のグチを言い合える」唯一無二の元同僚・磯田さんの結婚式が行われた。京子の心配をよそに、マイクを握りしめ、颯爽と燕尾服を脱ぎ捨てた山本店長が高らかに歌う――その一週間後、磯田さんが京子を訪ねてきた。「谷原さんにはこれからもちゃんと戦い続けてもらわないと困るんです、書店を守ってもらわなきゃ」という彼女の言葉に、京子は複雑な気持ちに駆られる。ぶっ飛んだ店長や書店を取り巻く厳しい状況と日々闘いながらも、自らの人生と書店の未来を切り開いていこうとする京子だが……

さらば! 店長がバカすぎて より

 

理不尽な店長に振り回される日々

主人公の谷原京子は、東京・吉祥寺にある

老舗書店「武蔵野書店」本店で働く契約社員です。

 

年中無休の激務に追われる一方で、給料は安く、

日々クレーム処理に追われる過酷な職場環境

 

極めつけは店長の山本猛(やまもとたけし)です。

 

山本店長は朝礼で意味不明な訓示を垂れたり、

部下の名前すら覚えなかったり、根拠のない自信で突っ走ったりと、

まさに「人を苛立たせる天才」

 

突飛な思いつきで無謀な販売企画を打ち出し、社員を振り回すこともしばしばです。

 

京子は毎日のように「もう辞めてやる!」と思い詰めるほどストレスを抱えていますが、

それでも本や書店への情熱に支えられ、

「面白い本を読者に届けたい」という一心でなんとか踏みとどまる日々です。

 

そんな京子の数少ない心の拠り所は、同僚たちと交わす他愛のない会話でした。

 

特に、唯一無二の理解者だった元同僚・磯田さんとは、

山本店長の愚痴を言い合いながらおすすめの本を語り合える仲。

 

ところがその磯田さんも寿退社し、京子の職場から去っていきました。

 

大切な戦友を失い、京子の心にはぽっかりと穴が空いたようになります。

 

仕事への情熱はありつつも、どこかスランプに陥り、

自分の将来に自信が持てなくなっていたのです。

 

仕事と人生の岐路で揺れる京子

磯田さんの退職からしばらく経ったある日、京子はその磯田さんの結婚式に招かれます。

 

久々に顔を合わせる元同僚の花嫁姿に胸を弾ませつつも、心配の種が一つ。

それは、招待客として出席した山本店長の存在です。

 

案の定、披露宴の席で山本店長はマイクを握り、

「気ーがーくーるーいーそーう!」と歌い出す暴走ぶり。

 

周囲が凍りつく中、京子は「また店長がやらかした…」と冷や冷やします。

 

しかし、新郎新婦である磯田さん夫婦は笑顔で受け入れ、

会場もいつしか大盛り上がりの雰囲気になり

常識外れな店長に振り回されるドタバタはあったものの

結婚式はなんとか大団円を迎えます。

 

式の一週間後、京子のもとに既婚となった磯田さんが訪ねてきました。

 

久々の再会に喜ぶ間もなく真剣な面持ちで京子の手を取り、

「谷原さんにはこれからもちゃんと戦い続けてもらわないと困るんです。

書店を守ってもらわなきゃ」と言います。

 

この言葉に、京子の心は大きく揺れました。

 

自分より先に職場を去った仲間から託された“書店を守る戦い”

 

京子は責任とプレッシャーを感じつつも、

同時に「自分はいつまで戦い続けられるのだろうか?」という不安に襲われます。

 

実は京子自身も、仕事一筋できたこれまでの生き方に迷い始めていました。

 

年齢的にも、結婚や将来について考える機会が増えていたのです。

 

そんな折、京子に好意を寄せる男性が現れ、

将来を共にする選択肢が現実味を帯びてきました。

 

大好きな仕事を取るか、愛する人との安定した生活を取るか

人生の岐路に立たされた京子の心は激しく揺れ動きます。

 

書店員としての誇りと、女性としての幸せ。

どちらも大切だからこそ答えが出せないまま、京子は悶々とした日々を過ごすのでした。

 

『さらば!店長がバカすぎて』の感想

理不尽な職場を笑い飛ばす痛快さ

物語全体を通して、理不尽な職場での日々がコミカルに描かれており、

読みながら何度もクスッと笑ってしまいました。

 

店長・山本の常軌を逸した言動には

「こんな上司ありえない!」とツッコミを入れたくなりますが、

不思議と嫌いになれない魅力があります。

 

現実の職場にも少なからず存在する困った上司や非合理なルールに、

頭を抱えた経験のある方も多いでしょう。

 

本書では、そうした職場の理不尽さをユーモラスに誇張しつつも

根底には愛情を持って描いているため、

「あるある!」と共感しながらスカッと笑える爽快感がありました。

 

忙しい日々の中でストレスを抱えるビジネスパーソンにとって、

この物語は笑いという良薬で心を軽くしてくれるはずです。

 

テンポの良い掛け合いはまるでコメディドラマを見ているようで、

仕事終わりの夜に読んでもスラスラ頭に入ってきました。

 

また、シリーズを通じて「店長が本当にバカなのか?」という疑問が常に頭に浮かびます。

 

最初はただの変人に見える山本店長ですが、

読み進めるうちに彼なりの信念や優しさが垣間見え、

いつしか憎めない存在になっていました。

 

「バカすぎる!」と笑い飛ばしていた相手を、最後には少し好きになってしまう

そんな読後のギャップも本書の醍醐味です。

 

また、物語に散りばめられた伏線が最後に回収される展開には、

ただのコメディでは終わらない奥深さも感じました。

 

また、谷原京子という主人公のキャラクターは、働く人としてとても魅力的でした。

 

最初は上司に振り回されて怒ってばかりの彼女ですが、

物語が進むにつれて少しずつ変わっていきます。

 

仕事への情熱はあるものの将来に不安を抱える姿や、

結婚という選択肢を前に悩み、葛藤する様子は、とてもリアルで共感できました。

 

登場する男性も京子の仕事に理解を示してくれる優しい人物で、

だからこそ彼女の悩みは一層現実味を帯びています。

 

本書を読み終えて感じるのは、「自分の軸を持つこと」の大切さです。

 

京子は悩み抜いた末に、自分が本当に大事にしたいものは何かを見極めます。

 

その姿は、私たち読者に「あなたにとって譲れないものは何?」と

問いかけてくるようでした。

 

仕事か家庭かという二者択一ではなく、自分なりの答えを見つける京子の成長物語は、

多くのビジネスパーソンにとって自分を振り返るきっかけになるでしょう。

 

そして、散々振り回されていた京子が最後には店長と肩を並べて戦うようになる場面には、

痛快さと同時に不思議と胸が熱くなるものがありました。

 

そして本作は、働く人にとって、

仕事の意味や働く喜びを見直すきっかけになる物語でしょう。

 

どんなに上司や環境に恵まれなくても、

自分なりの誇りや使命感を持って働くことの尊さを教えてくれます。

 

それは決して綺麗事ではなく、

京子たちが直面する困難や迷いが現実的に描かれているからこそ、心に響くメッセージでした。

 

読み終えた後、笑いだけでなく温かな感動がじんわりと残り、

「明日からも自分の場所で頑張ってみよう」と素直に思えるのが本書の素敵な余韻です。

 

辛辣な現実を描きつつも後味は爽やかで、笑いと感動のバランスが絶妙でした。

 

タイトルのインパクトに反して、

最後には働く人への温かな励ましが感じられる1冊でした!

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

単なるコメディ小説に留まらず、

働く人への熱いエールが込められた作品だと感じました。

 

本書が気になる方は、是非手に取ってみてください!

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