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『愛を知らない』のあらすじと感想について

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、一木けいさんの

『愛を知らない』について紹介をしていきます!

 

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『愛を知らない』について 

本書の概要

本書はひとことで言うと

非常に切ない家族小説です。

 

本書をオススメしたい人

・悲しい物語が好きな人

・青春物語が好きな人

・考えさせられる作品が好きな人

 

本作は、前半と後半で

物語の内容や雰囲気がガラッと変わります。

 

読み終えた時に

この作品のタイトルである

「愛を知らない」という言葉の意味が

重くのしかかってくる作品です。

 

『愛を知らない』のあらすじ

あらすじの概要

生きること、死ぬこと、愛されること、愛せないこと、

負の側面まで描ききった上で全肯定する、命の大合唱のような物語。

あーもう頼む、読んでくれ本当に。―カツセマサヒコ

高校二年生の橙子はある日クラスメイトのヤマオからの推薦で、合唱コンクールのソロパートを任されることに。当初は反発したものの、練習を進めるにつれ周囲とも次第に打ち解けていく。友人たちは、橙子が時折口走る不思議な言い訳や理解のできない行動に首をかしげていたが、ある事件をきっかけに橙子の抱えていた秘密を知ることになり―。

愛を知らない より

 

高校生の友情物語

物語の前半は、合唱コンクールに向けた

高校生の友情物語です。

 

本作は、合唱コンクールの

練習から本番までの日々がメインとなっています。

 

クラスと関わりがなかった澄子が

ヤマオの意外な推薦で

ソロパートを担当することになります。

 

ヤマオと澄子の過去の出来事がきっかけで

ヤマオはなんとしても

合唱コンクールを成功させたいという気持ちがあります。

 

澄子の遠い親戚でもある涼は

幼いころからピアノを習っており

コンクールでは伴奏を務めます。

 

「アラレちゃん」のような

大きな眼鏡が印象的な青木さんが指揮者で

この4人をベースに練習を積み重ねていくわけです。

 

ただ、橙子には不可解な行動が多く

合唱のソロを歌うことや

みんなで放課後に練習をしていることを

自分の母親には絶対秘密にして欲しいと言います。

しかし、とあることがきっかけで

橙子の秘密が母親に知られてしまいます。

 

澄子の秘密

物語後半からはガラッと空気が変わります。

 

涼の回想では涼や涼の母親が苦しい時に

支えてくれた恩人である澄子の母親が

好印象の手本のような存在でした。

 

しかし澄子は母親から虐待を受けていました。

それがみんなに知られると

澄子は学校に来なくなり

先生はコンクールにも出られないと言います。

 

それでもコンクール当日

みんなは橙子を待っています。

 

『愛を知らない』の感想

非常に切ない家族小説

本作はキラキラした青春小説である一方で

橙子の置かれている過酷な状況が明らかになります。

 

家庭内の虐待と聞くと

虐待する側が悪いと思いますが

芳子の背景は「日記」という形で

少しずつ描かれていきます。

 

そこでは芳子の子どもを堕ろした過去や

引き取った育児がうまくいかなかった気持ち、

他の母親と比較してしまう苦悩などが書かれています。

 

腹が立つからといって

虐待をしているわけでなく

本心では愛情がある結果、虐待をしていました。

 

このことについて、著者の一木けいさんは

以下のように述べられています。

 

橙子を苦しめている相手は、橙子を愛しています。橙子も愛されたいと思っている。

けれど、助けの少ない環境や嫉妬心、コントロールしたいという欲求などが複雑に絡んで、

歯車が悪い方に動いていってしまいます。そして激しい苦しみに、お互い苛まれてしまうのだと思う。

 

成熟が足りないとか、あんなひどいことをするのは弁護の余地無く悪い、という意見も、あると思います。

でも、人ってそう簡単に割りきれるものでしょうか。

お互いに愛してはいるはずなのに、うまくいかなくて、傷つけ合う。

そういう関係は、多い。いろんな要因のなかで、円滑な関係を他者と築くことが難しい、人の実像だと思っています。

小説丸より 

 

側から見れば一方的に悪そうに見えることも

実情はたくさんのことが入り組んでおり

その生々しさを読みながら非常に感じました。

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

物語の雰囲気がガラッと変わる箇所や

読み終えた後に非常に考えさせれるところに

面白さを感じました!

 

本書が気になる方は

是非手に取ってみてください!

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