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『この嘘がばれないうちに』のあらすじと感想

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、川口俊和さんの

『この嘘がばれないうちに』について紹介をしていきます!

 

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『この嘘がばれないうちに』について 

本書の概要

本書はひとことで言うと

「コーヒーが冷めないうちに」シリーズの二作目です。

 

本書をオススメしたい人

・「コーヒーが冷めないうちに」を読んだ人

・感動する話が好きな人

・温かい話が好きな人

 

本作は前作の「コーヒーが冷めないうちに」から

7年後の世界を描いた作品です。

前作の「コーヒーが冷めないうちに」が気になる方はこちら

 

とある街の人気の少ない路地裏の

地下にある小さな喫茶店「フニクリフニクラ」。

 

ここは不思議な「都市伝説」があり

とある座席に座るとその時間だけ、

望んだとおりの時間に戻ることが出来るといいます。

 

前作から相変わらず流はこの店でマスターを務めていて

従妹の数もウェイトレスとして働いていました。

 

流の妻である計は子供を産んだ後にこの世を去り、

忘れ形見となった子供・ミキは元気な小学1年生になっています。

 

続編である本作では

22年前に亡くなった親友に会おうとする男や、

ある事情から母親の葬儀に出られなかった男、

結婚できなかった恋人に会おうと過去からきた男、

そして30年前に妻を亡くし、

プレゼントを渡せなかった元刑事の男がやってくるお話です。

 

そして並行して、前作で謎のまま終わった

白いワンピースの女の正体や、

淡々と仕事をする数が抱えている

あまりにも重い過去が明らかになっていきます。

 

『この嘘がばれないうちに』のあらすじ

あらすじの概要

とある街の、とある喫茶店の

とある座席には不思議な都市伝説があった

その席に座ると、望んだとおりの時間に戻れるという

 

ただし、そこにはめんどくさい……

非常にめんどくさいルールがあった

 

1.過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない者には会う事はできない

2.過去に戻って、どんな努力をしても、現実は変わらない

3.過去に戻れる席には先客がいる

  その席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ

4.過去に戻っても、席を立って移動する事はできない

5.過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、

  そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ

 

めんどくさいルールはこれだけではない

それにもかかわらず、今日も都市伝説の噂を聞いた客がこの喫茶店を訪れる

喫茶店の名は、フニクリフニクラ

 

あなたなら、これだけのルールを聞かされて

それでも過去に戻りたいと思いますか?

 

この物語は、そんな不思議な喫茶店で起こった、心温まる四つの奇跡。

第1話 22年前に亡くなった親友に会いに行く男の話

第2話 母親の葬儀に出られなかった息子の話

第3話 結婚できなかった恋人に会いに行く男の話

第4話 妻にプレゼントを渡しに行く老刑事の話

 

あの日に戻れたら、あなたは誰に会いに行きますか?

この嘘がばれないうち より

 

第1話は、22年前に交通事故で亡くなった友人夫婦の娘を、

自分の娘として育ててきた男の話です。

 

今度その娘が結婚することになり、

22年前に亡くなった実の父親の映像を見せてやろうといいます。

 

第2話は、と事情で母の葬儀に出席できなかった息子が、

生前の母親に会うために過去へ戻りますが、

そこで、数が入れてくれたマドラーのような

銀のスティックの意味が明らかになります。

 

第3話は、前作の第1話で登場した

賀多田吾郎と結婚した二美子が登場します。

 

病魔に侵された倉田は未来へ行き、

愛する人の幸せを確認したいのでした。

 

第4話は、第1話からこの喫茶店の客として登場している

この春で定年退職を迎えた万田清という老刑事が、

妻に誕生日のプレゼントを渡す話です。

 

しかし万田の妻は、30年前に亡くなっていました。

 

主な登場人物

 時田数(ときたかず)

 「フニクリフニクラ」のウエイトレスです。

噂を聞きつけて喫茶店を訪れた4人の客を通して、

22年間抱えていたある苦しみを超えていきます。

 

時田流(ときたながれ)

喫茶店「フニクリフニクラ」のマスター。

数とは従兄で、もうすぐ7歳になる一人娘がいます。

 

時田ミキ

「フニクリフニクラ」のマスター、時田流の娘。

7歳を間近にした明るい性格の小学1年生です。

 

白いワンピースの女

いつも過去に戻れる席で小説を読んでいます。

 

清川二美子(きよかわふみこ)

医療系のシステムエンジニア。

前作で1週間前に戻って、恋人にやり直したい気持ちを伝えています。

 

倉田克樹(くらたかつき)

二美子の後輩だったシステムエンジニア。

3年前に交際していた女性にプロポーズをしようとした矢先、

白血病と診断され余命半年を宣告されます。

 

自分の死期を悟り、相手が幸せになっているかを

確認するためにタイムスリップします。

 

千葉剛太郎(ちばごうたろう)

51歳の定食屋を営む男。

連帯保証人となっていた知人の会社がつぶれ、

路上生活者となったところを秀一に救われます。

 

秀一が亡くなってからは、男手一つで遥を育ててきました。

 

神谷修一(かみやしゅういち)

剛太郎とはラグビー部のチームメイトでした。

小さな定食屋を営んでいたが、22年前に不慮の事故で妻とともに亡くなります。

 

三田絹代(みたきぬよ)

絵画教室の先生で数の恩師です。

半年前からガンで闘病生活を送り、その後逝去します。

 

三田幸雄(みたゆきお)

絹代の息子。京都の窯元で修業をしていたが、

全財産を持ち逃げされ、一文無しとなります。

そのため母の葬儀に出席できませんでした。

 

万田清(まんだきよし)

元刑事です。30年前に「フニクリフニクラ」での待ち合わせに

行けなかったことが原因で

妻が事件に巻き込まれて亡くなります。

 

『この嘘がばれないうちに』の感想

嘘がばれた後に起こること

本作は前作同様、登場人物が過去に戻って

会いたい人に会いに行くことで

心境に大きな変化がもたらされる物語です。

 

そのうえで前作と異なる箇所は

各章のキーパーソンが大切な人にたいして嘘をついています。

 

現実世界でついている嘘もあれば

過去に戻った先でつく嘘もありますが、

どれも共通しているのが、大切な相手の幸せを願ったうえでの嘘です。

 

『この嘘がばれないうちに』というタイトルからも感じますが

タイムスリップしても会いたい人に対しては

その人の幸せを願う気持ちで溢れているなと感じました。

 

しかし、嘘をついている当の本人は

自分の幸せという大切なものが抜け落ちています。

それゆえに罪悪感で苦しんでいます。

しかし、その罪悪感は

タイムスリップ先で会う相手にも伝わります。

 

そして、4人のついた嘘は

結局バレますが、幸せを願う気持ちで救われていきます。

 

数の苦しみ

本作は短編ごとに見れば

各章ごとのキーパーソンがが変わりますが、

作品全体を通すと数がキーパーソンの物語です。

 

数と白いワンピースの女は深い関係があり

数は7歳の時に心に大きな傷を負う出来事がありました。

 

それによって「自分は幸せになってはいけない」という気持ちを

22年間抱え続けていました。

 

感情を表に出さないキャラクターとして数は描かれていますが、

その出来事が起こるまでは、時田ミキのように明るい性格の子どもでした。

 

7歳から29歳になるまでの22年間で

消えることのなかった数の苦しみですが

喫茶店で時間を行き来した人たちとの

出会いを通して幸せになることを決意しています。

 

数も各章のキーパーソンも幸せになっていいことは

今を生きている私たちは幸せになるべきだという

強いメッセージを感じました!

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

「コーヒーば冷めないうちに」と同様で

非常に読みやすく泣けてしまう話でした!

 

本書が気になる方は

是非手に取ってみてください!

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