スポンサーリンク
スポンサーリンク

『麦本三歩の好きなもの』のあらすじと感想

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

 

今回は、住野よるさんの

『麦本三歩の好きなもの』を

紹介していきます!

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク

『麦本三歩の好きなもの』について 

本書の概要

本書は『君の膵臓をたべたい』や

『青くて痛くて脆い』などの

ヒット作を生み出した住野よるさんによる

初のシリーズ作品になります。

 

図書館に勤務している

20代女子の麦本三歩による

なにげなく愛おしい

日々を描いた日常小説です。

 

本書をオススメしたい人

・日常小説が好きな人

・短篇集が好きな人

・おっとりとした作品が好きな人

 

麦本三歩は格好悪いところもあれば

真面目だけど、抜けたところもあるような

ついつい応援したくなる女性です。

 

ストーリーを通じて

大きく盛り上がる場面もなく

平凡な日常が描かれています。

 

本書は「麦本三歩は〇〇が好き」というタイトルで

12編の短編小説になります。

 

  • 麦本三歩は歩くのが好き
  • 麦本三歩は図書館が好き
  • 麦本三歩はワンポイントが好き
  • 麦本三歩は年上が好き
  • 麦本三歩はライムが好き
  • 麦本三歩は生クリームが好き
  • 麦本三歩は君が好き
  • 麦本三歩はブルボンが好き
  • 麦本三歩は魔女宅好き
  • 麦本三歩はファンサービスが好き
  • 麦本三歩はモントレーが好き
  • 麦本三歩は今日が好き

※目次より抜粋

 

何も起こらなくても

不器用な麦本三歩のキャラクターに

思わずおっとりしてしまいます。

 

『麦本三歩の好きなもの』のあらすじ

あらすじの概要

大学の図書館で働く

天然系女子の麦本三歩は

おっちょこちょいで

怒られることも多いけど前向きです。

 

職場の3人の先輩を

「優しい先輩」「怖い先輩」「おかしい先輩」と

脳内で呼んでいて、和気藹々と働いています。

 

三歩は何も考えずに

生きているように見えます。

 

しかし実際は

人並み以上に繊細であり

思いやりのあるキャラクターです。

 

そんな愛らしく憎めない三歩の

愛くるしい日常を大切に紡いだ作品です。

 

麦本三歩の性格

三歩はおっちょこちょいで

どこか抜けた人間と見られています。

三歩はこの評価に

たくさんの心当たりはあるけど

納得はしていないです。

 

そんな彼女も大学の図書館で

きちんと働いています。

 

彼女は、ほぼ毎日と言っていいほど

ミスをしますが、ネガティブになりません。

もちろん多少は落ち込みます。

 

今日もバックヤードで

コーヒーを作っている時に

書類にこぼしてしまいました。

 

当然のように先輩に注意され

チョップまで食らってしまう三歩でしたが

帰り道の鮭おにぎりがあれば、

怒られたことに対する落ち込みも

吹き飛んでしまうのです。

 

日常に潜む好きなことのおかげで

毎日を明るく過ごしているのでした。

 

三歩は散歩をすることが好きです。

彼女は、誰かが言った

「無意味に散歩できる人こそが価値のある人間である。」

という言葉をモットーにしています。

 

無意味なことを丁寧に扱うことが

三歩にとって大切なのです。

 

そのため、三歩は

何気ない日常も有意義に思えて

無意識に楽しんでいます。

 

だから落ち込んでも

すぐに立ち直って、前向きなのです。

 

麦本三歩の日常

三歩は図書館で働いています。

 

理由は単純で

本と図書館が好きだからです。

 

ある日、業務中に

図書館の地下に閉じ込められてしまいます。

 

理由は停電によるものです。

 

しばらく、その場で待機することを

決めた三歩でしたが、

真っ暗な周りと、外部と連絡が取れない状況に

危機感を覚えて脱出を試みます。

 

しかし、完全な暗闇で

うまく出口まで向かうことができません。

 

じわじわと恐怖を覚える三歩でしたが

ふと子どもの頃を思い出します。

 

暗闇を体験するアトラクションで

遊んだ記憶を思い出しました。

 

暗闇を敵と感じていなかった

子供の頃の気持ちを思い出すと

暗闇も和解できるものだと

心境が変わっていきました。

 

その後、おかしな先輩の救助によって

無事に脱出することができました。

 

通常業務をこなして

大変だった1日も終わります。

 

休日は基本的に1人で過ごします。

この間まで彼氏がいましたが

それも過去のことです。

 

その日はラーメン屋に行き

行きつけのタイ焼き屋に寄った後

自宅でラジオを聴きながら

まったりとした1日を過ごしました。

 

夕食後に、ふと元彼のことを

思い出さなくなっていた自分に気付きます。

 

身軽になってはじめて

幸せの中にあった重労働に気付いたのです。

 

麦本三歩の人間関係

三歩は怒りを露にすることが苦手です。

 

いい怒りの伝え方を

優しい先輩に教えてもらいます。

 

先輩に連れられて来たのは

市立図書館でした。

 

そこで子どもたちへ

読み聞かせをするとのことです。

 

読み聞かせは難なく終えましたが、

三歩は先輩の意図が分かりません。

 

帰り道に先輩からの意図を考えていましたが

彼女は怒れない三歩を、そのままでいいと肯定します。

 

そして、「また行こう」と誘われた三歩は

快く頷いたのでした。

 

麦本三歩の愛する日常

三歩の日常に

大きな事件はありません。

 

人より多少怒られることが多いだけです。

三歩はそんな自分の一日に思いを馳せます。

 

今日はとても冷え込んでいるから出勤時は寒いのだろう

今日はどんなミスをするのだろうか

今日も先輩に怒られるのだろうな などの

心配事が見つかってしまいます。

 

三歩も毎日が楽しいことばかりではありません。

 

仕事に行くのが

億劫になってしまうことも

珍しいことではないです。

 

社会人になってからの方が

本気で怒られることが増えたと

三歩は思います。

 

学生時代は

ルールさえ守って、勉学に励んでいれば

怒られることは少なかったからです。

 

しかし社会人は違います。

毎日怒られて、それに慣れてきていますが

三歩だって怒られるのは好きではないです。

 

それでも仕事に行く自分を

「褒めてほしい」と思ってしまいます。

 

そこで、三歩は好きなもので

1日の気持ちを繋いでいこうと考えました。

 

朝起きて、好物のチーズ蒸しパンを食べて

温かい紅茶を飲んで

出勤にはお気に入りのスニーカーを履いていく。

 

忘れてはいけないのが

支度が終わってから出勤までの

何もしない時間です。

 

三歩にとってこの時間は

ちゃんとした自分へのご褒美なのです。

 

人によっては無意味に思えることでも

三歩にとっては大事なものです。

 

こうして、三歩の日常は

愛おしいもので満ちていくのです。

 

『麦本三歩の好きなもの』の感想

麦本三歩の魅力

主人公である麦本三歩は

どこにでもいる普通の女性ですが

なぜか、とてもかわいらしくて魅力的です。

 

多くの読者が、麦本三歩の可愛らしさに

惹かれると思います。

 

私もその1人でして、麦本三歩には

私たちが日ごろ当たり前と思っている物事でも

好きになることができる部分を

見つけることができる魅力があります。

 

例えば、紅茶を飲んで

スーパーに売っているチーズ蒸しパンを

食べているだけで幸せだと感じるシーンがあります。

 

他にも

しゃがんだ状態で作業をしていた時に

名前を呼ばれて出来るだけ早く

助けを必要としている人の元に参上しよう とか

 

今日はハプニングを乗り越えた日だったから

自分へのご褒美でご飯を一合半炊いてやろう とか

 

三歩はジレンマという言葉の響きが好きなのだ。

時にはかっこつけてディレンマと言ってしまうくらい などです。

 

こんな些細なことでも

幸せにとらえようとする人間性に

多くの読者は惹かれてしまうと思います。

 

当たり前のことを

幸せに感じることができて

毎日を楽しそうに生きているからこそ

麦本三歩を可愛いと感じると思います。

 

麦本三歩も立派な大人である

三歩が何も考えてなくて

あまり落ち込まないように

思えてくる時もありますが

そんなことはありません。

 

彼女の毎日は悩みの連続で

ちょっとしたことで凹んだりします。

 

それでも三歩なりに答えを見つけ

解決しない時は折り合いをつけています。

 

こういった描写があるからこそ

読者は三歩というキャラクターに

感情移入して共感します。

 

良いことも悪いことも含めて

日常なので、その辺りのさじ加減が

絶妙だなーと思いました。

 

麦本三歩は前向き

三歩の日常には

いくつも問題が出てきますが

三歩は決して立ち止まりません。

 

自分で何かしらの答えを

見つけて前に進みます。

 

問題に気が付かないほど

鈍感なのではなく

問題に気が付いた上で

乗り越えるポジティブなパワーを持っています。

 

三歩の前向きで等身大な姿が

読者の心をくすぐります!

 

麦本三歩が伝えたいこと

個人的な解釈ですが

本書は、麦本三歩の日常を通して

「好きなものが増えれば、人生が楽しくなる」ことを

伝えたいと感じました。

 

忙しさに忙殺されて

生きが胃を見つけづらい現代で

無駄なことを排除する風潮を感じます。

 

ですが、三歩のように

無駄だと言われることでも

価値や意義を見つけるだけで

幸福感を大いに感じることができます。

 

どうしても忙殺されてしまいそうになったり

生きがいを見つけられずに

つまらない毎日を送っている人は多いはずです。

 

そんな人に向けて

「当たり前のことが幸せである」という

メッセージを感じることができました。

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

麦本三歩というキャラクターにも惹かれ

特別なことがなくても、好きなものを集めて

大事にするだけで幸せな気持ちになれることを

教えてくれる作品です。

 

本書が気になる方は

是非手に取ってみてください!

コメント

タイトルとURLをコピーしました