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『令和元年の人生ゲーム』のあらすじと感想について

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、麻布競馬場さんの

『令和元年の人生ゲーム』について紹介をしていきます!

 

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『令和元年の人生ゲーム』について 

本書の概要

本書はひとことで言うと

Z世代の特徴をリアルに描いた短編集です。

 

本書をオススメしたい人

・Z世代の生態を知りたい人

・短編集が好きな人

・直木賞にノミネートされた作品が気になる人

 

タワマン文学を得意とし、インフルエンサーである麻布競馬場 さんの

デビュー作『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』は

Z世代やそれに近い年代層が抱える虚無感をが描かれていました。

 

そんな著者による本作は、Z世代の生態や抱える悩みについて

より具体的に踏み込んで描かれています。

 

物語は本作は「平成28年」から始まり「平成31年」「令和4年」「令和5年」と

4つの時代と物語がつながる連作短編集です。

 

自分で決めらない人や多数派に属する人を

一歩引いたところから見ている主人公たちと

全話に出てくる異色な存在である沼田さんを中心に描かれています。

 

虚無感に包まれる中で傷つきながらも

現実を俯瞰的に見つめて、自分の中の嫌なところと向き合い

結論を出そうともがく主人公たちの姿には

どれも他人事に感じることができないくらい共感できるものばかりです。

 

そして、多数派にいると思っていた主人公たちが

現実に対して疑問に思い、多数派から出て独自路線へ進む過程と

多数派ではない「例外」の人の中でも

異色な存在である沼田さんの変化が見どころとなっています。

 

読みやすい文体ながらも、読者の痛いところを突く本書は

読者に若干の重い気分を抱かせつつも、奇妙な優しさに包む作品です。

 

『令和元年の人生ゲーム』のあらすじ

あらすじの概要

「まだ人生に、本気になってるんですか?」

この新人、平成の落ちこぼれか、令和の革命家か――。

「クビにならない最低限の仕事をして、毎日定時で上がって、そうですね、皇居ランでもしたいと思ってます」

慶應の意識高いビジコンサークルで、

働き方改革中のキラキラメガベンチャーで、

「正義」に満ちたZ世代シェアハウスで、

クラフトビールが売りのコミュニティ型銭湯で……

”意識の高い”若者たちのなかにいて、ひとり「何もしない」沼田くん。

彼はなぜ、22歳にして窓際族を決め込んでいるのか?

2021年にTwitterに小説の投稿を始めて以降、瞬く間に「タワマン文学」旋風を巻き起こした麻布競馬場。

デビュー作『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』のスマッシュヒットを受けて、

麻布競馬場が第2作のテーマに選んだものは「Z世代の生き方」。

新社会人になるころには自分の可能性を知りすぎてしまった令和日本の「賢すぎる」若者たち。

そんな「Z世代のリアル」を、麻布競馬場は驚異の解像度で詳らかに。

20代からは「共感しすぎて悶絶した」の声があがる一方で、

部下への接し方に持ち悩みの尽きない方々からは「最強のZ世代の取扱説明書だ!」とも。

「あまりにリアル! あまりに面白い!」と、熱狂者続出中の問題作。

令和元年の人生ゲーム  より

 

本作の第1話「意識の高い慶應ビジコンサークル篇」の全文と

第2話「大手町のキラキラメガベンチャー・新入社員篇」の一部が公開されていますので

気になる方は是非チェックしてみてください!

 

第1話「意識の高い慶應ビジコンサークル篇」はこちら!

第2話「大手町のキラキラメガベンチャー・新入社員篇」はこちら!

 

『令和元年の人生ゲーム』の感想

滑らかな文章で読者を刺す作品!

本作は、4つの短編がで構成されており

第1話の『平成28年』の主人公は、慶應大学に進学し

意識高い学生が所属するビジコン運営サークル「イグナイト」に入った男子学生です。

 

「大学時代は将来にとって意味のある、価値のあることをしなければならない」と

意識高く考えていますが、この気持ちが徐々に現実とズレていることに気付き

うっすらとした焦りを感じます。

 

第2話『平成31年』の主人公は、就活生に絶大な人気のある

メガベンチャー「パーソンズ」に入社した新卒の女性です。

 

新人賞を狙うと口では言いながらも、定時に帰り飲みに行く同期が多い中

悶々とし、与えられた仕事に取り組んでいます。

 

第3話『令和4年』は、なんとなく入社した会社で

新規事業部で働く社会人7年目の男性です。

 

「なんかクリエーティブでイノベーティブな事業」として

会社が立ち上げた学生シェアハウス「クロスポイント」に住み

選考を通過した優秀な学生たちを、社会人チューターとして指導、管理することになります。

 

第4話『令和5年』の主人公は、高円寺の老舗銭湯の杉乃湯が

若者向けのイベントを開催し注目を集めており

PR会社に勤める同僚と一緒に「杉乃湯の未来を考える会」に参加する男性です。

 

いずれの物語も主人公たちの焦りに焦点が当てられており

各話を繋いでいるのは、斜に構えた考えで

人生をあたかも合理的に生きる沼田という男です。

 

沼田は、場所を問わず場の空気に合わない笑みを浮かべ

周囲や空気を凍らせるような発言をします。

 

イグナイトでは熱いスピーチをするサークルの代表を「不真面目なやつ」と言い

パーソンズでは、周りが新人賞をとりたいなどを公言するなか

「クビにならない最低限の仕事をして、毎日定時で上がって皇居ランでもやりたい」と宣言し

 クロスポイントでは、起業に憧れる学生の前で

「サラリーマンは適当にサボりつつ働いていれば毎月決まった額のお金が貰える」と言います。

 

ただ沼田自身、高い能力や洞察力を発揮して周囲に一目置かれる存在となりますが

本作を通じて彼の人生が流転していく姿も描かれています。

 

本作の主人公たちは1990年代以降生まれ

幼い頃からスマートフォンが身近にあり、

SNSが普及した時代を生きてきたZ世代に属しています。

 

そんなZ世代の登場人物たちは、誰に言われたわけでもなく

何か分からない言語化できない「正解」や「理想」に向かって進んでいこうとし

周囲から外れないように生きていこうとします。

 

SNSが普及しているからこそ、日常で無意識のうちに目にする

キラキラした姿や言葉と登場人物たちの現状を比較していくことによる感情が

リアルすぎるため、簡単にイメージすることができ共感してしまいました!

 

生まれる時代によって、かっこいいとされる生き方や

何を頑張るべきかは変わってくると思います。

 

そして、個人的にZ世代は他人からの承認欲求や

寂しさ、虚しさ、不安が他の世代よりも感じやすいのかなと感じました。

 

また、沼田を介してZ世代を皮肉に揶揄するような場面もありますが

その分析がリアルかつ痛いところを突いているあたりが

著者の凄さと魅力のひとつなんだろうなとも思いました!

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

Z世代を描いた短編集は面白みだけでなく

読者の心情を少しエグる中毒性のある作品でした!

 

本書が気になる方は

是非本書を手に取ってみてください!

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