こんにちは!しょーてぃーです!
今回は、トイアンナさんの
『弱者男性1500万人時代』について紹介していきます!
『弱者男性1500万人時代』について
本書の概要
本作はひとことで言うと、
弱者男性の実態を教えてくれる1冊です。
本書をオススメしたい人
・弱者男性の実態を知りたい人
・弱者男性の特徴が知りたい人
・弱者男性のことを理解したい人
世の中に女性差別があるように男性への差別もあります。
特に最近では貧乏、ブサイク、モテないというイメージがある
弱者男性という言葉が広まっています。
実際に小樽商科大学の池田教授によると
日本で弱者になり得る男性の数は最大で1500万人、
およそ日本人の8人に1人が今も生きづらさを抱えているといいます。
事実、厚生労働省の調査結果 によると
令和4年に自害した人は、男性が1万4746人、女性が7135人になっています。
毎年、男性は女性の約2倍も亡くなっているにも関わらず
特に問題視されませんし、十分な理解と支援がされない現状です。
そこで本書では、弱者男性500人以上にアンケート調査を行った著者による
弱者男性の生きづらさが解説された1冊です。
『弱者男性1500万人時代』のまとめ
男性弱者とは何か
まず弱者男性の定義についてですが
モテない人や年収が低い男性のことを弱者男性と考えがちですが
著者は、もっと幅広い要素で弱者男性になるといいます。
実際に著者が「自分は弱者男性だ」と自覚して
いる15~99歳の男性500人に行った調査によると
弱者男性の要素や状況を細かく分類すると、弱者男性には16種類の要素がありました。
それが障害者、引きこもり、身長や容姿にハンディがある人、
カルト宗教の家族、介護者、虐待者サバイバー、犯罪被害サバイバー、
多重債務者の家族、貧困、性的マイノリティ、境界知能、コミュ障、
非正規雇用や無職、3K労働者、在日外国人、きょうだい児になります。
特に自分で弱者男性と自覚する理由の1位は
「年収が低い、貧乏である」が挙げられており
続いて「友人が少ない」「人と話すのが苦手」が来ています。
ちなみに弱者男性はこれらの16要素のうち
1つしか持っていないということは稀であり
複数要素を持っている人が多いとのことです。
本書では、前述の16要素のいくつかが当てはまることが
弱者男性の定義となっています。
男性は蔑ろにされやすい
弱者の中でも特に男性は無視されやすく、存在していないように扱われやすいです。
実際に著者が登録した結婚相談所では
年収300万円以下の男性が見当たらず、スタッフによると
年収の低い男性は、多くの結婚相談所で登録を拒否されるとのことです。
一方で、年収300万円以下の女性は当然登録できますし
中には無職の女性も多数登録していたといいます。
他にも男性は3Kと呼ばれる「きつい、汚い、危険」な仕事に就いていることが多いことや
男性は妻が死亡したときに55歳以上でないと、
遺族年金の受給対象にならないのに対して
女性の場合は死亡したときに30歳以上であれば、
子供の有無問わず、遺族年金が支給されます。
他にも多数ありますが、とにかく弱者男性は
女性や社会から無視され、蔑ろにされやすいです。
男性という時点で強者だというバイアスがある
弱者男性が無視され、蔑ろにされやすい理由は
男性であるだけで、かわいそうとは思われないからです。
そもそも世間には男性という時点で元来、強者というイメージがあり
どれだけ男性が悲惨な目にあっても
自己責任で、なかなか弱者として認めてもらえないからです。
実際に著者はその事実を調べるために、男女500人に対して
「亡くなったときに可哀想だと思えるのは?」という質問をして
性別や年齢別に、可哀想だと思う人を選んでもらうアンケートを取りました。
その結果、10代女性が1番可哀想とした割合が73%と圧倒的だったのに対して
50代男性を選んだ人は5%に満たず、ランキング最下位でした。
さらに「女性・無職・50代」と「男性・無職・50代」とを比較しても
女性の方を可哀想と感じる割合は、男性の5倍以上でした。
この調査から、仕事をしていない人は仕事をしている人よりも、亡くなっても可哀想と思われず
男性は女性よりも可哀想だと思われないことが分かりました。
特に仕事をしているかどうかよりも、男性なのか女性なのかの差の方が
可哀想という感情に影響することが分かりました。
このように、どれだけ悲惨な状態にあっても、
男性である時点で「自己責任だ」とされ、弱者と認められにくいです。
弱者男性は自分を責めがち
実際に2023年に週刊SPAが弱者男性500人に対して
「自分が弱者に陥った原因は何か?」という質問をしたところ
75%の男性が「自分が悪い、自己責任」と考えていました。
つまり貧乏だったり、見た目が悪かったり、非正規雇用や引きこもり、
コミュ障、病気や障害で働けなくなったのは、自分の責任だと思っているということです。
ほとんどの弱者男性は何よりも自分を恨んでおり、自分を責めがちですが
弱者に追いやられた男性が、自己責任だと言い切れない部分もあります。
弱者男性だと自覚する原因の一位は「年収が低いこと」ですが
年収と学歴の高さは、一定の相関関係がありますし
学歴の高さは、親の年収の高さと相関関係があります。
つまり良い大学を出ると年収の高い仕事に就きやすく
良い大学に入るには、親が高学歴で年収が高い方が入りやすいです。
このように親ガチャによって、弱者と強者に分かれるのは免れない事実です。
なので弱者になったのは、必ずしも100%自分のせいではないということです。
それにも関わらず、多くの人々は弱者が男性の場合
「自己責任だ」「可哀想じゃない」と思っていますし
弱者男性自身も「自分の責任だ。自分が悪い。」と思っているので
なかなか支援を得ることができないです。
弱者男性は孤立する
男性はタフで強いイメージがあると思いますが
実は女性よりも孤独に弱かったりします。
実際に孤独死の83.1%が男性ですし、未婚男性の幸福が非常に低く
意外なのが、離婚が増えると男性の自殺率は高くなります。
ちなみに独身の女性と結婚している女性の幸福度は、そこまで変わらないのに対して
独身の男性と結婚している男性とでは、幸福度に大きな差があります。
つまり女性は結婚できなくても、そこまで不幸を感じませんが
男性は結婚できずに孤独になると、不幸を感じやすいということです。
この結婚できない男性の1番大きな理由としては、非正規雇用が挙げられます。
つまり弱者男性は、お金がないとかモテないという劣等感に加えて
自分を責めがちですし、世間から可哀想だと思われないうえに
結婚できなければに寿命が縮まり、孤独によって不幸を感じやすいです。
男らしさからなかなか解放されない
男性は弱みを見せるのも、助けを求めるのも苦手です。
なぜなら、男性は男らしさを手放せないからになります。
例えば、男性は強くなければならない、タフであるべき、
泣いてはいけない、弱音を吐いてはいけない、
頼られる存在であるべきという考えがあります。
特に子供の頃から男の子は怪我をしても、注射を打たれても
我慢すると親や先生から褒められてきました。
それに加えて、女性はタフで強い男性を求めています。
事実、変な男に絡まれたときに
泣きながら女性にしがみつくような弱い男性はモテませんし、
女性は自分よりも収入の低くて、仕事のできない男性と結婚したくないです。
このように男性は、男らしさから降りると恋愛対象から外されやすく
それでは困るので、どれだけきつくても弱音を吐きづらく助けを求めづらいです。
弱者男性でも助けを求められる社会
著者はこのような弱者男性に対して
どういう支援をするべきかに就いても述べています。
それはシンプルですが、男性と女性を区別せずに支援することや
男性はもっと自発的に助けを求めるような
コミュニケーションの訓練をするべきと書かれています。
また著者が弱者男性へのインタビューを通じて
一貫して彼らが求めていたのは何よりも「理解」でした。
これまで弱者男性は空気のように扱われるか、
有害な存在だと誤解されていましたが
実際に1500万人もの弱者男性の大半は、自分を責めたり危険ではないです。
まずはそんな弱者男性の実態を理解していくことが
1つの支援になる可能性も十分にあります。
最後に
ここまで本書について紹介してきました。
世間でイメージされる弱者男性とは違い
弱者男性の実態について詳しく解説された1冊です。
本書が気になる方は
是非本書を手に取ってみてください!
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