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『全部ゆるせたらいいのに』のあらすじと感想について

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、一木けいさんの

『全部ゆるせたらいいのに』について紹介をしていきます!

 

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『全部ゆるせたらいいのに』について 

本書の概要

本書はひとことで言うと

アルコール中毒によって振り回される家族を描いた物語です。

 

本書をオススメしたい人

・家族の物語が好きな人

・アルコール中毒のリアルを体感したい人

・一木けいさんが好きな人

 

両親や兄弟姉妹、など様々な形の家族がありますが

家族だからといって、いつまでも良好な関係でいられるかは分かりません。

 

「なんか合わない」程度ならまだしも

「ギャンブルで多額の借金を抱える親」や

「いつまでも働かず、自立できない子ども」など

身内であるからこそ振り回されて

見捨てることすらできない悩みを抱える人は少なくないです。

 

本作では、アルコール中毒によって

家族関係が崩れていく姿を描いた物語です。

 

『全部ゆるせたらいいのに』のあらすじ

あらすじの概要

その頃見る夢は、いつも決まっていた。誰かに追いかけられる夢。もう終わりだ。

自分の叫び声で目が覚める。私は安心が欲しいだけ。なのに夫は酔わずにいられない。

父親の行動は破滅的。けれど、いつも愛していた。

どうしたら信じ合って生きていくことが出来るのだろう――。

痛みを直視して人間を描き、強く心に突き刺さる圧倒的引力の傑作!

全部ゆるせたらいいのに より

 

主な登場人物

千映(ちえ)

本作のヒロインで、結婚を期に退職した専業主婦です。

独身時代は大ざっぱでしたが、出産後は神経質になります。

 

宇太郎(うたろう)

千映の夫で、嫌なことがあると酒に逃げます。

 

恵(めぐみ)

千映の娘で、肌質が弱く、同世代の子と比べて言葉の覚えも遅いです。

 

秋代(あきよ)

千映の高校生からの親友で、浮気性の夫に見切りを付けています。

 

物語の構成について

本作は全4章で構成されており

それぞれの登場人物の視点で描かれています。

 

「1章.愛に絶望していない」では

アルコール依存症の父に苦しめられた千映でしたが

夫がアル中になりつつの状態であり

その状態に対して、どうしていいか分からない状態です。

 

「2章.愛から生まれたこの子が愛しい」では

千映が幼い頃の幸せなころに

母の視点で、父との結婚から千映の誕生までを描いています。

 

インテリで優しい夫は、この頃まだアル中ではありません。

 

「3章.愛で選んできたはずだった」では

アル中になった父の物語です。

 

千映も中学生になり、仲良かった父娘の関係が

アルコールのせいで少しずつ壊れていきます。

 

「4章.愛で放す」では

千映の娘も5歳になり、父は相変わらずアルコール中毒です。

 

孫を会わせたのは3回だけでしたが、それでも可愛がってくれた父が

60代前半で死去した知らせが届きます。

 

『全部ゆるせたらいいのに』の感想

息苦しく辛い物語

本作は、アルコール

辛く話、息苦しくなるような物語です。

 

千映の母親の章だけを読むと、

酒飲みの父親なんて存在しなかったようになっています。

 

違う章では、語り手が父親となりますが

「酒は飲んでも家族に迷惑はかけなかった」と本人が考えています。

 

つまり、当人は全く分かっておらず

時に記憶が抜けることも、重要なことではないと考えています。

 

そして最終章の語り手は千映であり

父親の死後の日々を描く章で、回想が描かれています。

 

そこでは、アルコール依存症の父親に

自分がいかに振りまわされたのかが

事細かくリアリティに描かれています。

 

社会の荒波にのみ込まれているうちに

お酒だけが心の救いになっていく様子には

辛く、息苦しくなってしまいます。

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

アルコール依存症の状態について

細かく表現されている箇所は圧巻でした!

 

本書が気になる方は

是非手に取ってみてください!

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