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小野寺史宜さん著書「ミニシアターの六人」についての感想

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は小野寺史宜さんの「ミニシアターの六人」について紹介します。

本書の印象に残った部分や感想を記載していきます。

 

本書をおすすめしたい人

・ほのぼのとした作品がお好きな方

・読みやすい小説がお好きな方

・登場人物にスポットが当たる話が好きな方

 

デビュー前の小野寺史宜さんは、シナリオを書いていたこともあるとのことです。

そんな著者自身のシナリオをモチーフとして、

スクリーンに映し出される物語と

スクリーンの前に座る観客たちの世界が描かれています。

 

著者の作品である「ひと」で

2019年本屋大賞第2位に選ばれています。

 

実力派の著者による

偶然の出会いの中に起こる奇跡に、光を当てた物語になります。

そんな本作についての感想を書いていきます!

 

「ミニシアターの六人」について

あらすじ

本作の舞台は、銀座にあるミニシアターです。

そこでは、2年前に亡くなった

末永静男監督の追悼上映が行われています。

 

21年前に公開された『夜、街の隙間』というタイトルの映画が

1週間のみの期間で上映されています。

 

最終日の前日、午後4時50分の上映回の観客は全員で6人です。

 

三輪善乃は、この映画館で働いていたスタッフであり

公開当時はチケット売場の窓口にいました。

 

山下春子は、公開当時に大学の同級生と成り行きで観に行った作品です。

 

安尾昇治は、自主映画を撮っており

映画監督を目指していましたが、末永のデビュー作で才能を目の当たりにし、

道を諦めた過去があります。

 

沢田英和は、この作品に元恋人との苦い思い出があります。

 

川越小夏は、誕生日デートだったのですが、

予定が無くなってしまい、ふらっと1人でスクリーンを眺めています。

 

本木洋央は、映画監督を目指しているのですが

末永の実の息子なのですが、愛人関係であった母親との間に産まれたこともあり

複雑な心境で作品を観に来ています。

 

6人の観客たちのそれぞれの人生と、

スクリーン上の『夜、街の隙間』のストーリーを

行き来しながら進んでいく構成となっています。

 

6人の観客のそれぞれの人生について

あらすじの部分でも記載しましたが

6人の観客の人生それぞれにスポットが当たっています。

 

彼らがなぜ水曜日の午後4時50分に、

この映画を見ることになったことや、それぞれの抱える事情が描かれています。

 

それが微妙なところで、映画監督とのエピソードに触れてきたりします。

観客の中には、この映画に影響を受けた人もいれば

この映画を初めて観る人もいます。

 

そして、小説の登場人物それぞれに

映画内のシーンで共感する箇所が多々でできます。

 

ドラマチックな出来事と、何でもないようにも見えるささやかな時間が

共存している6つのエピソードになっています。

 

『夜、街の隙間』がリアルすぎる

読み始めて数ページで、

小説内でありながらも、映画の情景がイメージできてしまうほど

描写がリアルに書かれています。

 

著者自身がデビュー前にシナリオを書いていた経験がある影響か、

何かの脚本を貼付けたかのように、シーンや台詞も出てきます。

 

作中の映画だと、架空の地名やロケーション設定はよくありますが、

本作は銀座が舞台なので、ロケーションも楽しめます。

 

リアルなロケーションにすることで、読み手の想像力は固定されるどころか、

より一層イメージしてしまい、広がっていきます。

 

また、映画の登場人物と、6人の観客のスクリーンを観る視点は

読者とシンクロして映画を観ているような状態になるほどです。

 

最後に

ここまで本書を紹介してきました。

物語も脚本が面白くて、ついつい情景をリアルに考えてしまいます。

 

銀座のミニシアターで観る、銀座が舞台の映画で

そこで働く人、観客、交差してゆく6人の登場人物に

ちょっとしたつながりや交差があります。

 

もし本書が気になられた方は、手に取ってみてください!

 

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