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『サンショウウオの四十九日』のあらすじと感想について

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、朝比奈 秋さんの

『サンショウウオの四十九日』について紹介していきます!

 

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『サンショウウオの四十九日』について 

本書の概要

本作はひとことで言うと

結合双生児の姉妹を通じて、

人間の存在と他者とのつながりを探求する哲学的な物語です。

 

本書をオススメしたい人

・哲学的テーマを含む文学作品を好む人

・感情や意識の複雑な描写が好きな人

・芥川賞受賞作が気になる人

 

第171回芥川賞を受賞した本作は、結合双生児の杏と瞬を通じて

「個」と「他者」の関係や、人間の存在について深く探求する作品です。

 

二人は一つの身体を共有しながらも、異なる意識と感情を持ち、

常に「自分」と「他者」の狭間で生きています。

 

この設定を通じて描かれるのは、

身体と精神、つながりと孤独という普遍的なテーマです。

 

身体的な制約を持つ彼女たちが経験する日常的な葛藤や成長が、

読者に「自己とは何か」という問いを投げかけます。

 

結合双生児という特殊な設定ながらも、共感を呼ぶ感情描写と深いテーマは、

哲学的思索に興味のある読者に特におすすめです。

 

『サンショウウオの四十九日』のあらすじ

あらすじの概要

周りからは一人に見える。でも私のすぐ隣にいるのは別のわたし。不思議なことはなにもない。けれど姉妹は考える、隣のあなたは誰なのか? そして今これを考えているのは誰なのか――三島賞受賞作『植物少女』の衝撃再び。最も注目される作家が医師としての経験と驚異の想像力で人生の普遍を描く、世界が初めて出会う物語。

サンショウウオの四十九日 より

 

「つながりと孤独の間に生きる双子姉妹」

本作は、結合双生児として生まれた姉妹、杏と瞬の物語です。

 

彼女たちは身体の中心で結合しており、

一見すると一人の人間に見えますが、実際には二人の独立した人格を持っています。

 

身体を共有しながらも、異なる意識や感情を持つ彼女たちは、

常に「自分」と「他者」の狭間で生きています。

 

幼少期から外見に対する周囲の視線や、身体の制約といった困難に直面しつつも、

姉妹として互いを支え合いながら生きていきます。

 

杏と瞬は、互いに意識が交わらず、身体は共有しつつも心は独立しています。

このような身体的な特異性を持つ彼女たちは、

「身体は他人のものではないが、同時に自分のものでもない」と感じます。

 

彼女たちの成長と共に、彼女たちが生きる日常生活の中で、

身体的な結合がどのように二人の関係性や生き方に影響を与えるのかが丁寧に描かれています。

 

物語は、二人の身体の結合という特殊な状況を通じて、

人間の存在や他者とのつながり、孤独を深く探求しています。

 

また、結合双生児としての彼女たちの存在が

他者からは異様に見られる一方で

物語は彼女たちが持つ独自の感覚や視点を繊細に描写しています。

 

彼女たちの人生には困難が多いものの、

互いの存在が救いとなり、時には障害ともなります。

 

杏と瞬の物語は、結合双生児という設定を超え、

人間の孤独とつながりの問題を普遍的に描き出しています。

 

『サンショウウオの四十九日』の感想

「身体を共有することが描く人間の本質」

本作は、人間の身体と意識の関係、

さらには「個」と「他者」の複雑なつながりを描いた作品です。

 

結合双生児という設定は非常に特殊でありながらも、

姉妹が抱える問題や感情の描写は、

私たちが日常的に感じる自己の在り方や他者との関係に深く通じています。

 

姉妹の身体的な結合は、私たちの持つ身体と意識の結びつきに対する考察を深めると同時に、

人間関係の難しさや孤独感をリアルに表現しています。

 

特に印象的なのは、彼女たちの関係が単なる「共有された身体」という

物理的な次元を超えて、意識や感情のレベルでも複雑に絡み合っている点です。

 

物語を読み進める中で、読者は「自分」とは何か

、「他者」とはどういう存在かという問いに対峙することになります。

 

結合しているにもかかわらず完全には交わらない二人の意識が、

身体を共有することの意味をより深く考えさせます。

 

また、杏と瞬の対話や内面の独白が、物語に独特のリズムと深みを与えています。

 

二人の関係は、単なる物理的なつながりだけでなく

、精神的なつながりと孤立の象徴でもあります。

 

彼女たちが互いにどのように影響を与え合い、

そしてどのように独立した存在として成長していくのかが鮮明に描かれています。

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

芥川賞を受賞した本作は、

自分と他人について考えさせられる1冊でした!

 

本書が気になる方は

是非本書を手に取ってみてください!

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