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『思い出が消えないうちに』のあらすじと感想について

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、川口俊和さんの

『思い出が消えないうちに』について

紹介をしていきます!

 

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『思い出が消えないうちに』について 

本書の概要

本書はひとことで言うと

「コーヒーが冷めないうちに」シリーズの3作目です。

 

本書をオススメしたい人

・「コーヒーが冷めないうちに」シリーズを読んだ人

・感動する話が好きな人

・泣ける話が好きな人

 

本作の舞台は「コーヒーが冷めないうちに」から7年、

「この噓がばれないうちに」からは8年後の

北海道・函館市にある「喫茶ドナドナ」という名前の喫茶店がです。

 

2作目までは「フニクリフニクラ」が舞台でしたが

この店も「フニクリフニクラ」同様、時間移動ができる席があります。

 

時系列的には「コーヒーが冷めないうちに」の第4章で

時田計が出かけた未来がここで描かれています。

 

これまでのシリーズ作同様

読者は感動の涙を避けられない作品です。

 

これまでのシリーズ作の感想が知りたい方は以下になります。

「コーヒーが冷めないうちに」はこちら

「この嘘がばれないうちに」はこちら

 

『思い出が消えないうちに』のあらすじ

あらすじの概要

伝えなきゃいけない想いと、

どうしても聞きたい言葉がある。

 

心に閉じ込めた思い出を

もう一度輝かせるために、

不思議な喫茶店で過去に戻る4人の物語――。

とある街の、とある喫茶店の

とある座席には不思議な都市伝説があった

 

その席に座ると、望んだとおりの時間に戻れるという

ただし、そこにはめんどくさい……

非常にめんどくさいルールがあった

 

1.過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない者には会う事はできない

2.過去に戻って、どんな努力をしても、現実は変わらない

3.過去に戻れる席には先客がいる

その席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ

4.過去に戻っても、席を立って移動する事はできない

5.過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、

そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ

 

めんどくさいルールはこれだけではない

それにもかかわらず、今日も都市伝説の噂を聞いた客がこの喫茶店を訪れる

 

あなたなら、これだけのルールを聞かされて

それでも過去に戻りたいと思いますか?

 

この物語は、そんな不思議な喫茶店で起こった、心温まる四つの奇跡

第1話「ばかやろう」が言えなかった娘の話

第2話「幸せか?」と聞けなかった芸人の話

第3話「ごめん」が言えなかった妹の話

第4話「好きだ」と言えなかった青年の話

 

あの日に戻れたら、あなたは誰に会いに行きますか?

思い出が消えないうちに  より

 

主な登場人物

時田流(ときた・ながれ)

東京の喫茶店「フニクリフニクラ」のマスターです。

本作では母の店、北海道函館市にある

喫茶店「ドナドナ」の店長代理を務めます。

 

時田計(ときた・けい)

流の亡き妻で、東京の喫茶店「フニクリフニクラ」にて

15年前から2030年の娘・ミキに会いに来ました。

 

時田ミキ(ときた・みき)

流と計の娘です。時間移動の能力を受けました。

2030年現在、都内の「フニクリフニクラ」の運営を

常連客の二美子と五郎とともに一時的に任されています。

 

時田数(ときた・かず)

「フニクリフニクラ」のウエイトレスで、流の従妹です。

女の子を産んだため過去へ戻す能力を失いました。

 

時田幸(ときた・さち)

数の娘で、時間移動の能力を数から引き継ました。

最近は「もし、明日、世界が終わるとしたら 100の質問」という

本の質問をするのにハマっています。

 

時田ユカリ(ときた・ゆかり)

喫茶ドナドナの店長で、流の母親です。

アメリカへ人探しの手伝いに行っています。

息子しか産んでいないため、現在も時間移動できるコーヒーを淹れられます。

 

小野怜司(おの・れいじ)

喫茶ドナドナのアルバイトで、ルールの説明に慣れています。

函館大学に通う学生であり、菜々子の幼なじみです。

芸人を目指しています。

 

松原菜々子(まつばら・ななこ)

ドナドナの常連客で函館大学に通う学生です。

ある病を抱えています。

 

各章のあらすじ

第1話「ばかやろう」が言えなかった娘の話

閉店間際の「喫茶ドナドナ」に

瀬戸弥生と名乗る若い女が現れます。

 

昼間にも一度店を訪れており、意味深な言葉を残していた彼女は、

自分が物心つく前に事故死した両親に会おうとしてやってきました。

 

両親を亡くしてからすさんだ人生を歩んできた弥生は、

自らを不幸にした両親を憎んでおり

怨みの言葉をぶちまけるためにタイムスリップしますが

そこで母の意外な事実を知ることになります。

 

第2話「幸せか?」と聞けなかった芸人の話

お笑いコンビ・「ポロンドロン」の轟木が失踪して数日後、

相方の林田がお忍びで「喫茶ドナドナ」を訪れます。

 

轟木が今は亡き妻の世津子に会うために

「ドナドナ」に来ると考えていた林田は

見つけたら連絡を入れるように玲司たちに伝えます。

 

そして夕方、ついに轟木本人が店に現れます。

 

妻の世津子に目標だったグランプリの

受賞報告をするためタイムスリップしたいと告げる轟木でしたが

愛する妻、と目標を失ったことで自暴自棄になっていて

タイムスリップから戻らないことを林田に残していました。

 

第3話「ごめん」が言えなかった妹の話

布川雪華が難病で亡くなって数ヶ月、

ショックのあまり睡眠障害や幻覚に襲われるようになった姉の麗子は、

この店の常連で精神科医の沙紀の

カウンセリングを受けなければならないほどでした。

 

そんな中、沙紀に連れられて「喫茶ドナドナ」を訪れた麗子は

突然の雷雨で店内が停電したその時に

彼女の前に現れたのは亡くなったはずの雪華でした。

 

なぜ過去から雪華がやってきたのかを

戸惑う麗子の前で雪華は伝えられなかった思いを伝えようとします。

 

第4話「好きだ」と言えなかった青年の話

東京での芸人オーディションに合格し、上京した玲司ですが

彼は幼馴染でこの店の常連だった菜々子が

難病に侵されていて、アメリカで手術を受けることを知ります。

 

お互いの思いを伝えられなかったことを悔やむ玲司は

菜々子がアメリカに行く前の日へと戻ります。

 

玲司が未来から来たことで

自分の手術が失敗したのか不安に思う菜々子でしたが

玲司が伝える内容とは?

 

『思い出が消えないうちに』の感想

お決まりのパターンがいい

本作もベースは、前作と同様、コーヒーが冷めるまでの間に

登場人物たちが過去や未来へ移動し、

後悔と決別し前向きになるストーリーです。

 

本作では、両親に先立たれ不孝な子供時代を過ごした女や

下積み時代を支えてくれた妻に死なれた売れっ子芸人、

早逝した妹の死を引きずっている姉、

幼馴染への想いにようやく気付いた男と

4つの別れの物語が描かれています。

 

過去や未来へいくルールが厳しすぎるため

物語は常に喫茶店の中でしか起こらなければ

長時間の会話もできません。

 

そのため、王道のパターンになりますが

しっかりと泣ける物語であるので

読者の期待をまったく裏切らない作品でした!

 

もし、明日、世界が終わるとしたら

今回のキーは、玲司の大学で流行っている

「もし、明日、世界が終わるとしたら。100の質問」という本です。

 

その質問は「一人だけ助かる部屋に入るか入らないか」というものから

「借りたものを返すか」「当たりくじを換金するか」など多岐にわたっています。

 

これまでのシリーズ作を通じて

「過去は変わらなくても、自分の気持ち一つで未来を変えることは出来る」という

メッセージは本作にもきちんと込められていました。

 

ですが本作では更に

「明日が来るかなんてわからない、未来は変わらないのかもしれないが、

それでも伝えておくべき思いはある。」というメッセージも込められていました!

 

現実は変わらないなか、どうやって思いを伝えるのか。

このシリーズの良いところは、

時間を越えていこうとする者たちだけでなく、

その相手側の想いもきちんと描かれているところです。

 

双方の想いが通じた瞬間は、

お馴染みのパターンではありますが

毎回しっかりと泣かされてしまいます。

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

もはやシリーズ化となった本作は

定番の流れながらも、きっちりと泣ける作品でした!

 

本書が気になる方は

是非手に取ってみてください!

 

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