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『腹を割ったら血が出るだけさ』のあらすじと感想

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、住野よるさんの

『腹を割ったら血が出るだけさ』

について、紹介をしていきます!

 

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『腹を割ったら血が出るだけさについて 

本書の概要

本書はひとことで言うと

愛されたい願望を持った

登場人物たちの苦悩を描く作品です。

 

本書をオススメしたい人

・住野よるさんが好きな人

・生きづらさを感じる人

・外面がいいと言われる人

 

「愛されること」ばかりを追い求めて

そんな自分に嫌気が差すも

なかなか周囲に理解してもらえない登場人物が

愛読する小説のキャラクターと

そっくりな人物に出会うことで

日常が変わり始める物語です。

 

表紙とタイトルから

不穏さが漂う本作は

純文学のど真ん中を行く作品です。

 

『腹を割ったら血が出るだけさのあらすじ

あらすじの概要

女子高生の糸林茜寧いとばやしあかねは、友達や恋人に囲まれ、本屋でのアルバイトにも励みながら充実した日々を送っている。

しかしそれは、「愛されたい」という感情に縛られ、ひたすら偽りの自分を演じ続けるという苦しい毎日だった。

誰にも明かせない本心を解放できるのは、自分にそっくりな主人公が描かれる『少女のマーチ』という小説を読んでいる間だけだ。

 

そんなある日、茜寧は『少女のマーチ』の登場人物の一人、〈あい〉にそっくりな人と街で出逢う。

本で読んだとおりの風貌と性格を持つその人は、自らを〈あい〉だと名乗った。これは偶然なのか――?

「愛されたい」に囚われた女子高生、ありのままを誇る美しい青年、自らのストーリーを作り続けるアイドル、他者の失敗を探し求める少年……それぞれの踏み出す一歩が交差して響き合う、青春群像劇。

腹を割ったら血が出るさ より

 

3人の主要登場人物

本作は主に以下のに3人も目線から描かれた物語です。

 

視点となる人物が入れ替わっていき

物語は進行していきます。

 

・糸林茜寧(いとばやしあかね):充実してそうな女子高生ですが、深い孤独を抱えています。

・宇川逢(うかわあい):ライブハウス店員。美形男子。裏表がない性格。

・後藤樹理亜(ごとうじゅりあ):アイドルグループ「インパチェンス」メンバー。

アイドルとして生きるために自分を偽って生きています。

 

主人公の糸林茜寧は社交性が高く

彼氏がいる・友人も多い・家族とも仲良しと

周りから愛されている女子高生です。

 

しかし茜寧は「愛されたい」という強い願望から

いつも人の目を気にしていることから

相手にとって都合のいい自分を

演じて生きていています。

 

そして、本来の腹黒い性格の自分との

ギャップに悩み続けています。

 

宇川逢はライブハウスの店員で成人男性です。

美形男子で、シェアハウスしている女性と

服を共有していることから

女性に見間違えられます。

 

真っ直ぐな性格の反面

屈折した人の内面を察するのが苦手で

地雷を踏みがちなタイプです。

 

後藤樹理亜は人気アイドルグループ

「インパチェンス」のうちの1人で

ボーイッシュなキャラクターを担当しています。

 

樹理亜は自分が決めた

「ストーリー」に沿って生きることで

アイドルとしての価値を生み出しています。

 

他者が見たくて、推したくなる

「アイドルとしての後藤樹理亜」を

演じて生きています。

 

『腹を割ったら血が出るだけさ』の感想

偽りの自分で生きていく

本作のメインテーマは生きづらさです。

 

側からみれば、カンペキな女子高生である糸林茜寧は

「愛されたい(嫌われたくない)」という感情に縛られていて

仮面をつけて生きています。

 

後藤樹理亜は本来の自分を押し殺して

アイドルの自分を演じて生きています。

 

さまざまな感情から

元来の自分をに出せずに

鬱屈な毎日を送っています。

 

本来の自分と違った仮面をつけて

生きていくことが苦痛な糸林茜寧は

小説作品の『少女のマーチ』に救いを求めます。

 

『少女のマーチ』のヒロインに

自分を投影して、物語に登場するキャラクター「あい」の姿を

現実の人物である宇川逢を投影して依存していきます。

 

アイドルを演じ続ける後藤樹理亜は

SNSでアンチとのいざこざから

これまで培ってきた「ストーリー」を軸に

生きていくことに疲れ、突然姿を消します。

 

本当の自分はこうじゃないけど

本当の自分を外に出すのは怖い。

 

誰しもきっと思ったことがあり

学校や職場での自分。家族の中での自分など

いろんな自分がいると思います。

 

作品では、糸林茜寧と後藤樹理亜の

メンタルに限界がきたことで

それぞれの歯車が狂っていきます。

 

本作は、本当の自分がわからない登場人物たちの

心情や行動に共感できるのは

10代や20代の若者なのかなと感じました。

 

10代20代は多感であり

「本当の自分とは?」と考える時期であり

そんな彼ら彼女らには

本作の登場人物たちの葛藤が

「刺さりに刺さりまくるんじゃないかな?」と思いました。

 

腹を割ったら血が出るだけさ

このタイトルは、文字だけ見ると

「そりゃそうだろ」と思ってしまうかもしれません。

 

ですが、「腹を割る」という慣用句には

すべてをさらけ出す。本心を打ち明ける。

といった意味があります。

 

ですが、作品の中では

糸林茜寧は宇川逢に対して

本来の自分の姿をさらけ出すシーンがあります。

 

しかし、何の達成感もなく

逢も茜寧の気持ちを理解できていません。

 

『腹を割ったら血が出るだけさ』と

「腹を割った」ところで

「血が出る=傷つく」だけであり

他者との距離は縮まりません。

 

ですが・本当に必要な相手とは

たとえ「血が出る=傷つく」ても

向き合わねばならない時もあると思いました。

 

小楠なのかの想い=住野よるさんの想い?

本作の冒頭とラストでは

『少女のマーチ』の作者である

小楠なのかが登場します。

 

そこで、以下のような

少し冷たく感じる発言があります。

「私は、物語が、小説が、誰かを救うなんてこと、ないと思っているの」

 

小説家がキツイこと言うなーと思いましたが

住野よるさん自身が以下のように述べています。

彼女はぼく自身ではないんですけど、それでも小説は弱いという主張には共感します。

街を歩いていて建築現場を見かけるたびに、「この人たちはこんなにすごいものを作っているのに、ぼくが作っているものは衣食住になんら関係ないものなんだな」って思うんです。

小説って、生きていく上で必要ないものですよね。なくたって死なないですし。ただ、あったら良いものだな、と思います。

 実は小説家をやっていくにつれて、小説をどんどん好きじゃなくなっていくような感覚があったんです。

絶対に10代の頃のほうが小説を愛していたし、小説家になる前の方が純粋に好きだった。

だけど、小説家になってみて、「小説には力がある」「この世界に小説は必要だ」といった主張を目にするたびに眉唾だな、と思うようになった。

それもあって、自分にとって小説とは何かを追求したくて、小説を絡めたストーリーを書いてみたんです。

ダ・ヴィンチより

 

そして自分にとって小説とは何かを追求した結果

最後の小楠なのかのセリフに

行き着いたのではないかなと感じました。

「どうかこの物語が、あなただけのものでありますように」

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

さまざまな心情が

混ざり合った作品でした。

 

住野よるさんが好きな人は

絶対に好きな作品だと思います!

 

本書が気になる方は

是非手に取ってみてください!

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