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『可哀想な蠅』のあらすじと感想について

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、武田綾乃さんの

『可哀想な蠅』について紹介をしていきます!

 

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『可哀想な蠅』について 

本書の概要

本書はひとことで言うと

ブラックな作品が描かれた短編集です。

 

本書をオススメしたい人

・ブラックな作品好きな人

・人の負の感情にスポットを当てた作品が好きな人

・短編集が好きな人

 

本作は「可哀想な蠅」「まりこさん」「重ね着」「呪縛」の4編からなる

今の時代を切り取るようなブラックな短編集です。

 

本作の著者である武田綾乃さんは

代表作「響け! ユーフォニアム」シリーズや「愛されなくても別に」など

さまざまなジャンルの作品を生み出してきました。

 

そんななか本作は、完全に心のパンドラの箱を開けにいく作品であり

丁寧な心理描写でありながら、独特な後味が残ります。

 

SNSでの暴言や悪意、子どもと大人の視点の違い、結婚への微妙な心の揺れなど

どの話も鋭い視点を感じながら、粘っこい嫌な感情が生まれます。

 

「可哀想」と善意を向けているはずなのに

その言葉の裏で優越感に浸っていたことを自覚させてくれる作品です。

 

『可哀想な蠅』のあらすじ

あらすじの概要

近所で目撃した光景をツイートしたのをきっかけに絡んできた、粘着質なアカウント。芽衣子は、彼をスマホの中で「飼う」ことに決めるが――。SNSで、会社で、家の中で。どこからか湧いてくる、哀れな人たち。蓋をしてしまいたい感情。日常の裏で誰もが「見て見ぬふり」をしているものを突き付ける、ブラックな短篇集。

可哀想な蠅  より

 

「可哀想な蠅」

大学生の芽衣は、最寄り駅の近くで猫の入った段ボールを蹴っているおじさんを発見し

スマホで撮影した動画をツイッターに投稿したところバズりました。

 

その後、匿名のアカウントから嫌がらせのリプライが執拗に届くも

芽衣子はそのアカウントを「可哀想に」と思い眺めはじめます。

 

友人から早くブロックしろと言われても、面白がって聞く耳持ちません。

 

反応さえしなければいいと思っていましたが、

コメントの内容は次第にエスカレートしていきます。

 

「まりこさん」

転勤により三十歳を前にして地元で働くことになった会社員の由美が

小学生の一時期だけ仲良かった

三十歳年上のまりこさんのことを思い出します。

 

「大人はいつも私を子ども扱いするけれど、まりこさんは私を一人の人間として見てくれる」と

幼い頃の由美はそう思っていましたが

母親はまりこさんと関わらないように注意していました。

 

由美は久しぶりにまりこさんの家を訪れますが

まりこさんへの見方が変わっていきます。

 

「重ね着」

京都の実家で暮らす独身の姉の元に、

結婚を控えた妹が突然東京からやって来ました。

 

「伏見稲荷、一緒に登ろう」と言われ、伏見稲実に登ることになり

道中で交わされる二人の会話には

姉と妹それぞれの立場の違いによる価値観の違いが発覚していきます。

 

「呪縛」

青春時代を認知症の父を介護して過ごした麻希は、

自他共に認める「いい子」です。

 

父を看取った後で休学していた大学を卒業し、

東京のIT企業に就職して新生活をスタートさせます。

 

そして初めての恋人もできましたが、一番身近な存在である彼に対しても

「ありのままの自分」を出せずにいました。

 

そんなある日、同期の男性から同棲中の恋人・詩乃を紹介され

詩乃は女友達がいないため、友達になってほしいのだと言われます。

 

気配り上手な詩乃との心地良さを覚えた麻希は、あっという間に仲良くなります。

 

詩乃は「私ね、良くない人と付き合っちゃうことが多いんだ」と言いましたが

その言葉が徐々に現実となっていきます。

 

『可哀想な蠅』の感想

さまざまな「可哀想」を描いた短編集 

本作の特徴としては4話通して、主人公自身決して悪気があるわけではないが

自然と黒い感情を抱いていくというところです。

 

様々な登場人物からの「可哀想」という感情が描かれていますが

この「可哀想」は相手のことを100%思いやっている言葉ではなく

優越感や優位性を含んだ言葉となっています。

 

ですが、現実世界の私たちも「あの人可哀想」と言いながらも

どこかで「自分じゃなくてよかった」「ざまあみろ」などの

自分のほうが恵まれていると思ったり

相手を下に見ている意味での「可哀想」を抱くことはあります。

 

この「可哀想」という厄介な感情にスポットを当てた本作を読むと

読者は痛いところを突かれたような感覚になります。

 

そして厄介である「可哀想」に振り回されないように

自分を冷静に見つめさせてくれる機会を与えてくれる物語でもあります。

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

ブラックな感情を抱く本作は

私たちに対して現実を見せてくれる良作でした!

 

本書が気になる方は

是非本書を手に取ってみてください!

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