スポンサーリンク
スポンサーリンク

『剣持麗子のワンナイト推理』のあらすじと感想について

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、新川帆立さんの

『剣持麗子のワンナイト推理』について紹介をしていきます!

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク

『剣持麗子のワンナイト推理』について 

本書の概要

本書は、「このミステリーがすごい!」の大賞受賞作である

「元彼の遺言状」のシリーズ3作目になります。

 

「元彼の遺言状」が2022年4月11日から

ドラマ化されるほどの大人気作品で

本作も主人公の剣持麗子が

大活躍する作品となっています。

 

本書をオススメしたい人

・元彼の遺言状と倒産続きの彼女を読んだ人

・ミステリーが好きな人

・短編小説が好きな人

 

前述もしましたが、本作も剣持麗子が

大活躍しますので、過去シリーズを読まれた人には

まずおすすめしたい1冊です!

 

※過去2作品について気になる人はこちら

『彼の遺言状』のあらすじと感想について

『倒産続きの彼女』のあらすじと感想について

 

また、本作の構成としては

5章の連続短編小説であり

5つの事件を剣持麗子が

解決していくストーリーです。

 

そのため、非常に読みやすく

ミステリーが好きな人以外にも

普段ミステリーを読まない人にも

おすすめできる作品です。

 

『剣持麗子のワンナイト推理』のあらすじ

本書のあらすじ【ネタバレ無し版】

亡くなった町弁のクライアントを引き継ぐことになってしまった剣持麗子。

都内の大手法律事務所で忙しく働くかたわら、業務の合間(主に深夜)に

一般民事の相談にも乗る羽目になり……。

次々に舞い込む難題を、麗子は朝までに解決できるのか!?

法律相談に運動会(?)に、剣持麗子は今日も眠れない!

引用元:剣持麗子のワンナイト推理

 

本書の目次

第一話 家守の理由

不動産屋の主人が何者かに殺害された。

麗子は「武田信玄」と名乗る第一発見者の男に呼び出されるが、

男は本名も住所も明かそうとせず……。

 

第二話 手練手管を使う者は

バーでホストの「信長」が殺された。状況からすると店で寝ていたという

「光秀」が怪しいが、彼は無実を訴えて麗子に助けを求めてくる。

 

第三話 何を思うか胸のうち

事務所の先輩弁護士の急死。しかしその状況は一度倒れてから蘇り、

その後再び亡くなったかのような奇妙なものだった。

 

第四話 お月様のいるところ

認知症を患っているらしいおばあさんを家まで送った麗子は、

そこで男の首つり死体を発見する。しかもおばあさんは警察署から忽然と姿を消し……。

 

第五話 ピースのつなげかた

三隣亡の日に瓦の張替えを行ったA家の近隣で、不幸が相次いでいるという。

法律でAさんを訴えられないかという相談に、麗子は頭を抱えるが――。

引用元:剣持麗子のワンナイト推理 https://tkj.jp/book/?cd=TD028587

 

本書のあらすじ【ネタバレあり版】

以下、ネタバレを含んだあらすじになります。

第一話 家守の理由 のあらすじ

剣持麗子は、亡くなった村山弁護士の

クライアントを引き継ぐことになりました。

 

ただでさえ忙しい敏腕弁護士である麗子でしたが

引き継がれた仕事は

一般人相手の面倒な仕事であり

そのくせ報酬はあまり高くないものばかりでした。

 

家に帰る暇もないスケジュールなので

朝方まで事務所で仕事をしていた麗子ですが

仮眠を取っていた朝方に携帯に電話が入ります。

 

村山弁護士宛の要件でしたが

電話口の相手は新宿警察署からでした。

「武田信玄と名乗る男があなたを呼んでいるんですよ」

「来てくださいよ」と馴れ馴れしい感じで

電話口の刑事は言ってきます。

 

どうやら新宿で殺人事件があり

その第一発見者が「武田信玄」です。

 

しかし「武田信玄」が

第一発見者になった経緯が

怪しすぎることから警察は

「武田信玄」を容疑者として疑っていることから

「村山さんが来るまで何も話さない」と言います。

 

これ以上面倒なことに

巻き込まれたくない麗子は

現場に行かないようにしますが

行かないことの面倒さと責任感から

とりあえず新宿に向かうことにします。

 

犯行現場は「進藤不動産」という

小さな不動産会社です。

 

被害者は進藤昌夫で

進藤不動産の社長でした。

 

そして、事件の第一発見者である「武田信玄」は

進藤不動産に夜中忍び込みましたが

不審に思い、部屋の電気をつけると

既に進藤昌夫が死んでいたのです。

 

「武田信玄」と名乗るこの人物は

銀髪のセンター分けで

韓国系アイドルグループにいそうな

顔立ちの20代前半の男でした。

 

麗子としては「信玄」の弁護士であるため

取り敢えず事情聴取をしていきます。

 

「自分はやっていない」と言い張る以外

何も言わない「信玄」でしたが

客観的に見れば疑われること

正直に話しておいた方がいいことを

麗子に説得されていきます。

 

そして、この男の「信玄」という名は

勤め先のホストクラブの源氏名であり

本名は「黒丑益也」でした。

 

珍しい名前に

コンプレックスを感じていた黒丑ですが

後日事情聴取ということで

一旦自宅に帰るようになりました。

 

麗子もパトカーの送迎で

事務所に帰ることとなりましたが

パトカーの無線に

「黒丑が不審な動きをしている」と通報がありました。

 

そこから黒丑の自宅へ

急きょ引き返すことになりました。

 

なぜ黒丑は帰宅後に不審な動きを?

黒丑が進藤不動産に侵入した理由は?

そして黒丑は進藤を殺していないのか?

 

これらの謎が剣持麗子の推理によって

次々と明かされていきます。

 

第二話 手練手管を使う者は のあらすじ

進藤不動産での事件から1ヶ月後

黒丑宛に弁護費用を請求しようと

指示された場所に、麗子は向かいます。

 

すると、土下座で「払えません!」と言われます。

 

払うと言われて黒丑の元に伺った麗子でしたが

黒丑曰く「給料袋が盗まれた」と言います。

 

黒丑の勤め先であるホストクラブは

給料は現金支給であり

その給料をロッカーに入れていましたが

それが盗まれたとのことです。

 

しかも黒丑は

母親が小さい時に亡くなり

父親とは数年前から音信不通であることから

頼める身寄り元もいません。

 

今日の費用徴収を諦めようと

オフィスに戻ろうとした麗子でしたが

そのタイミングで黒丑の携帯に着信が入ります。

 

どうやら先輩ホストが運営する店で

殺人事件があったらしく

すぐにきてほしいと麗子に依頼します。

 

しかし、お金が見込めない麗子は

断ろうとしますが、先輩ホストの実家が

かなりの金持ちであることを聞き

仕方なく事件現場に行きます。

 

事件現場の「バー翼」に着くと

ホストの「信長」が殺された状態でした。

 

どうやら事件まで

バーでパーティーをしており

酔い潰れた「信長」と従業員ホストの「光秀」は

一旦寝ていたのですが、起きたら「信長」が殺されていたのです。

 

どう考えても2人しかいない空間で

「光秀」が怪しいですが、無実を訴えています。

 

駆けつけた警察に、事情徴収を受けますが

事件現場が新宿区であることから

麗子は癖の強い橘と再会します。

 

「バー翼」は歌舞伎町にある雑居ビルの

地下1階であり、入り口には防犯カメラもあります。

 

一通りも多い深夜帯で

防犯カメラを見たらすぐに犯人が分かると

思っていましたが、防犯カメラの映像がありません。

 

一体誰が信長を殺したのか?

殺害の動機は?

そしてなぜ防犯カメラの映像がないのか?

 

これらの謎が麗子によって解かれていきます。

 

第三話 何を思うか胸のうち のあらすじ

麗子の勤めている

山田・川村・津々井法律事務所では

盆休みの直前に、運動会が開催されます。

 

真夏の中、体育館を貸し切る運動会ですが

ほとんどの弁護士は開催に反対しています。

 

それでも、主催者である川村弁護士の権力で

毎年、強引に開催されています。

 

そこに麗子をはじめ各部署数名が駆り出されており

100名を超える参加者になりました。

 

麗子の他に、同期の三上愛と

その上司である峯口弁護士も参加しています。

 

峯口弁護士はパワハラ気質であり

最近転職してきたのですが

なかなか周囲に溶け込めていません。

 

白熱した運動会が始まりますが

普段はデスクワークしかしていない

弁護士たちの中で三上のアキレス腱が切れます。

 

麗子は三神を病院に連れていき

荷物を取りに、体育館に戻ります。

 

時刻的に打ち上げが開催されているはずですが

三上の携帯に

「峯口弁護士が打ち上げ会場にいないから様子を見てほしい」と連絡が入ります。

 

一応体育館の中を確認するため

男子ロッカーを除くと

峯口弁護士が着替えの途中のまま

倒れて亡くなっていました。

 

警察に通報すると体育館が新宿にあることから

また橘と再会します。

 

多少のうざったさを感じながら

死因の鑑識が必要であることがわかると

体育館のスタッフから不思議なことを聞きます。

 

それは、峯口弁護士が

バイク便で郵送物を受け取っていたのです。

 

普通体育館を受け取り口に

郵送物を受け取ることはおかしいです。

 

しかも、死んだ状況から

1度倒れるも起き上がりましたが

その後再び倒れて亡くなったのです。

 

しかも、峯口弁護士が生きていたという

証言をしたのが黒丑だったのです。

 

なぜ黒丑が体育館に来ていたのか?

麗子は思わず疑念を持ってしまいます。

 

なぜ峯口弁護士は死んだのか?

峯口弁護士の受け取った郵便物は?

そして、なぜ黒丑がいたのか?

 

短編集ながら、少しずつ話が繋がる箇所もあり

陽気な若いホストである黒丑に

少しずつ不気味さを感じるようになります。

 

第四話 お月様のいるところ のあらすじ

峯口弁護士が亡くなって1ヶ月が経つ頃

新宿警部補の橘から

「話したいことがある」と、麗子に連絡が入ります。

 

最初は断っていましたが

どうしても会いたいとのことで

麗子の勤める事務所近くの

カフェで会うことになりました。

 

橘警部補からは

「黒丑がどうしても怪しい」と言われ

麗子は黒丑のことを話しますが

どうしても疑念が拭えません。

 

そして、橘と解散しようと席を立った時

70歳を超えた老婆に「あのう」と声をかけられます。

 

そして「お月様のいるところに行きたいんです」と

ぐっと腕を引かれて言われます。

 

認知症を患っているようで橘と一緒に

おばあさんの着ていたカーディガンに

ピン留めされた紙の住所まで送ることになりました。

 

そして、その住所のアパートの部屋に

おばあさんを送るも

部屋の中に人の気配がなく

不審に思った2人はドアを開けました。

 

そして電気をつけると

首を吊った中年男性がおり

おばあさんは「トモヒロ」といい涙を流しました。

 

ところが、この男性は「トモヒロ」ではなく

「牧田原信二」という

全くの別人であることが発覚します。

 

更に、事情聴取のため

おばあさんを警察まで送るも

警官が油断した隙に逃げ出します。

 

そして、牧田原の携帯から

自殺する前に黒丑に電話をかけていました!

 

おばあさんのカーディガンの住所の謎

そもそもおばあさんは認知症なのか?

牧田原とおばあさんの関係について

牧田原と黒丑の関係について

 

謎が謎を呼ぶ展開となる後半で

この事件の真相は如何に!?

 

第五話 ピースのつなげかた のあらすじ

三隣亡という暦の上で不吉な日に

浦山さんの隣の家で瓦替えが行われました。

 

ですが、この家の近隣で

ボヤ騒ぎや不幸な死を遂げるなど

奇妙なことが起きます。

 

しかも浦山さんの家も

空き巣に入られており

これらの事件の共通項を探すべく

麗子は謎を解きに励みます。

 

この章も、裏山さんの家付近が

新宿区ということもあり

相変わらず橘も登場します。

 

また、この章では

本書のクライマックスでもあり

ついに黒丑の正体も明らかになります!

 

麗子と黒丑

それぞれの決断は如何に・・・

 

『剣持麗子のワンナイト推理』の感想

剣持麗子の成長

やはり本書のシリーズでは欠かせない

剣持麗子のキャラクターは

今作でも光っていました!

 

しかし、「元彼の遺言状」の時ほど

金に執着するような無茶苦茶っぷりは少なく

同期の三上や上司の津々井

そして黒丑と接することで

他人について少しずつ思いやる節が出てきます。

 

作中でも麗子は

「成長」という言葉を嫌う場面がありましたが

根の部分である頑固さや

真っ直ぐさは相変わらずですが

シリーズを重ねるごとに

人間味のあるキャラクターになる面白さを感じました!

 

短編小説ながらの面白さ

前作までは1冊を通じて

1つの事件を解決する構成でしたが

今作は「剣持麗子のワンナイト推理」というタイトルから

一晩で事件を片付ける構成です。

 

そのため、非常に読みやすく展開も早いので

シリーズとして新たな要素が加わったなと感じました!

 

ミステリーとしてのトリックもすごい

また、前述の通り短編集であるので

事件の種類や登場人物も多様です。

 

5つの事件それぞれの動機や死因、トリックが異なり

新川帆立さんの現役弁護士さんである実力を

ここぞとばかりに知ってしまう1冊です!

 

次回作に期待してしまう結末!

また、最終章で黒丑の正体が

読者には分かるのですが

この終わり方は続くじゃん!!と

次回作が気になる締め方でした。

 

前作の「倒産続きの彼女」でも

何かしらの黒幕がいるのでは? と思わせる展開でしたが

本作は更に大きな黒幕がいることを

読者に匂わせる展開でした!

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

本書ではポップなキャラクターでありながら

しっかりとしたミステリーのトリックと構成で

読者を物語へ引き込む力がすごい作品でした!

 

ここまでシリーズ作を読んだら

次回作も期待して間違いないと思いました!

 

本書が気になる方は

是非手に取ってみてください!

コメント

タイトルとURLをコピーしました