こんにちは!しょーてぃーです!
今回は、宮島未奈さんの
『成瀬は信じた道をいく』について紹介をしていきます!
『成瀬は信じた道をいく』について
本書の概要
本書はひとことで言うと
本屋大賞を受賞した青春小説の第二作です。
本書をオススメしたい人
・青春小説が好きな人
・存在感のある主人公が好きな人
・本屋大賞2024の受賞作の第二作が気になる人
本作は、本屋大賞2024を受賞した前作『成瀬は天下を取りにいく』に続く青春小説で
主人公・成瀬あかりのさらなる成長と挑戦を描いています。
前作同様に舞台は滋賀県大津市となっており、
成瀬が地域や周囲の人々と築く絆を中心に構成された全5編のオムニバス形式です。
エピソードごとに異なる視点から描かれる成瀬の行動は、
彼女の自由奔放で前向きな性格と、彼女が人々に与える影響力を物語っています。
地域パトロールを通じて未来世代に影響を与える場面や、
彼女と関わることで自己肯定感を取り戻す人々の姿などが印象的です。
また、観光大使としての活動を通じて他者に変化をもたらす成瀬の姿や、
彼女が突如姿を消す最終エピソードで描かれる絆の深まりは、物語全体の大きな見どころです。
成瀬の行動は、読者に地域とのつながりや人との絆の大切さを問いかけ、
勇気と希望を与えてくれる内容となっています。
青春小説好きだけでなく、人情物語が好きな人にもおすすめの1冊です。
『成瀬は信じた道をいく』のあらすじ
あらすじの概要
成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー主婦、観光大使になるべく育った女子大生……。個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!? 読み応え、ますますパワーアップの全5篇!
成瀬は信じた道をいく より
地域とともに歩む青春の軌跡
本作は、主人公・成瀬あかりが地域や人々との絆を深めながら
成長していく様子を描いた青春小説です。
物語は全5編に分かれ、それぞれのエピソードが
成瀬の魅力と影響力を多角的に掘り下げています。
第1話「ときめきっ子タイム」
物語の幕開けは、ときめき小学校の課題で
地域活動を調べることになった小学4年生の北川みらいが、
卒業生である成瀬あかりに興味を持つところから始まります。
みらいは成瀬と出会い、彼女が行う地域パトロールの活動に触れる中で、
地域貢献の大切さを学びます。
第2話「成瀬慶彦の憂鬱」
成瀬の父・慶彦が、娘の大学進学を巡る心配や不安を抱えるエピソードです。
ある日、ヒッチハイクでやってきた青年を
家に泊めるという非日常的な出来事が起こります。
この青年とのやりとりを通じて、
成瀬の成長と彼女の未来への期待が慶彦の中で少しずつ膨らんでいきます。
第3話「やめたいクレーマー」
スーパーの常連クレーマーである呉間言実が、
成瀬との交流を通じて自己肯定感を取り戻していく物語です。
成瀬が店のパトロール活動を提案し、それに巻き込まれた言実は、
自分の観察力や行動が他者の役に立つことを知り、心の変化を経験します。
第4話「コンビーフはうまい」
観光大使として活動を始めた成瀬と篠原かれんの交流を描いたエピソードです。
かれんは家族の期待に応えるために生きてきましたが、
成瀬との時間を通じて、本当に自分が求めるものに気づいていきます。
自由奔放な成瀬の姿は、かれんの内面に大きな変化をもたらします。
第5話「探さないでください」
物語のクライマックスでは、大晦日に成瀬が突然姿を消し、
周囲の人々が彼女を探す過程が描かれます。
成瀬の行動の意図が次第に明らかになる中で、
彼女の真の思いと周囲との絆が深まる様子が感動的に描かれます。
『成瀬は信じた道をいく』の感想
個性が紡ぐ絆と希望の物語
本作は前作同様、主人公の成瀬あかりが持つ圧倒的な個性と、
彼女が与えるポジティブな影響力の大きさを感じました!
また、単なる青春小説にとどまらず、
域や人々とのつながりをテーマにした「人間交差点」ともいえる物語でした。
成瀬あかりのキャラクターは、まるで春風のように明るく、どこか風変わりです。
ですが彼女の行動には計算のなさがあり、
その純粋さが他者に影響を与える力を持っています。
例えば、第1話で彼女の活動を目の当たりにした北川みらいが、
自分も地域活動に積極的になっていく様子は、成瀬の影響力の象徴といえます。
また、第3話で描かれる呉間言実の心の変化も印象的で、
成瀬の存在が単なる「助け手」ではなく、
自己肯定感を引き出す「触媒」として機能していることが感じられます。
さらに本作の素晴らしい点は、
5つのエピソードそれぞれに多様なテーマが込められている点です。
特に第4話の篠原かれんとのエピソードでは、
成瀬の自由さが、かれんの内面に新たな視点をもたらす様子が描かれています。
かれんの心境の変化は、多くの読者に「自分の本当にやりたいこと」を問いかけます。
さらに最終話の「探さないでください」は特に印象的です。
成瀬の行動に周囲が動かされ、彼女を探す過程で
彼ら自身が成瀬との絆を再認識していく姿は、読者の心を強く揺さぶります。
このエピソードは、成瀬自身の成長だけでなく、
彼女が周囲に与えた影響がいかに大きなものであったかを締めくくるにふさわしいものでした。
最後に
ここまで本書について紹介してきました。
個性的な主人公を通じて人間の可能性と
他者とのつながりの重要性を描き出した作品でした!
前作の「成瀬は天下を取りにいく」について気になる方は
こちらを参考にしてみてください!
本書が気になる方は
是非本書を手に取ってみてください!
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