こんにちは!しょーてぃーです!
今回は、宮島未奈さんの
『成瀬は天下を取りに行く』について紹介をしていきます!
『成瀬は天下を取りに行く』について
本書の概要
本書はひとことで言うと
存在感のある主人公が、全力で我が道を突き進む青春小説です。
本書をオススメしたい人
・青春小説が好きな人
・存在感のある主人公が好きな人
・本屋大賞2024の受賞作が気になる人
本作は、一風変わった女の子である成瀬あかりが
地元滋賀県大津市を舞台に、中学生2年生から高校3年生までの4年間
自分の「やりたいこと・興味があること」に全力で取り組んでいく青春小説です。
成瀬は変わっているがゆえに面白いという視点を持っており
自己をしっかり確立し、周囲から浮いていることに屈することなく
自分が興味を持った様々なことに挑戦していく、前向きな女の子です。
様々なことに全力で取り組む姿勢や、ポジティブなエネルギーが物語を彩っており
たとえ目標が達成できなくても
挑戦した経験が大切であるということを教えてくれる魅力的な物語です。
また、本作は著者である宮島未奈さんのデビュー作ですが
デビュー作ながら数々の賞を受賞しています。
全6編の短編集であり、とにかく読みやすい本作は
小説や青春小説が好きな人をはじめ
普段本を読まない人にも面白いと思える作品です。
『成瀬は天下を取りに行く』のあらすじ
あらすじの概要
中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍、閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。さらにはM-1に挑み、実験のため坊主頭にし、二百歳まで生きると堂々宣言。今日も全力で我が道を突き進む成瀬から、誰もが目を離せない! 話題沸騰、圧巻のデビュー作。
作品全体として、成瀬あかりが主人公の全6編の短編集となっています。
本作は中学2年生の成瀬が夏を西武に捧げると宣言する
『ありがとう西武大津店』から物語が始まります。
他にも幼馴染の島崎みゆきとM-1グランプリに挑んだり
高校に入学後突然坊主になって、競技カルタの部活動に入部したり
成瀬は色々なことに挑戦していきます。
また『ありがとう西武大津店』は、新潮社より全文公開されていますので
気になる方はこちらからチェックしてみてください!
『成瀬は天下を取りに行く』の感想
挑戦する成瀬あかりに後押しされる作品!
本作は成瀬あかりのぶっ飛び具合がたまらず
読んでいて爽快感のある作品でした!
他人の目を気にすることなく、マイペースに生きる成瀬あかりの
中学2年生から約4年間の生き様が、幼馴染の島崎を中心に
立場が異なる人々の視点で物語が描かれています。
成瀬自身は誰とも群れず、媚びることなく、空気は読みません。
一方で、騒ぐことも自分の挑戦を誰かに強制もすることはないですし
成瀬は自分が浮いていることを自虐しないですし
誰かにいじめられているわけでもありません。
ただ純粋に自分のやりたいことや興味のあることを
自分が納得できるように真っすぐに取り組んでいるだけです。
その姿から読者は、周囲から見れば小さなことやどうでもいいことでも
自分が「やりたい」と思ったことであれば、気軽に挑戦するべきだと感じさせられますし
自分が「やりたい」と思った瞬間が挑戦する時であると感じさせられます。
そして例え結果が伴わなくても
挑戦すること自体が素敵な経験であり無駄ではないことを
本作からは強いメッセージとして受け取ることができます。
成瀬あかりは、自分の中に芯があり
それに基づいた行動は一切迷いがないように見えますが
女子学生ということもあり、ブレることが多々あります。
そんな成瀬を支えるのは、幼馴染である島崎みゆきです。
島崎が成瀬を見守り、時に意見を述べるからこそ
成瀬は真っ直ぐに突っ走ることができます。
島崎なくして成瀬の行動は成り立たないと言っても過言ではなく
お互い口にはしないが、信頼しあってる関係性です。
本作のその辺りが、読者に剥き出しの青春を感じさせてくれます。
妥協して、忘れようとして忘れられなかった青春が
本作にぎっしりと詰まっています。
最後に
ここまで本書について紹介してきました。
デビュー作ながら数々の賞を受賞し、本屋大賞にもノミネートされた本作は
とても読みやすく、期待を遥かに超える面白い作品でした!
本書が気になる方は
是非本書を手に取ってみてください!
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