こんにちは!しょーてぃーです!
今回は、金子 玲介さんの
『死んだ山田と教室』について紹介をしていきます!
『死んだ山田と教室』について
本書の概要
本書はひとことで言うと
生と死、友情、孤独、時間の流れによる人間関係の変化を描いた作品です。
本書をオススメしたい人
・青春小説や学園ものが好きな人
・人間関係の移り変わりに興味がある人
・感動的なストーリーが好きな人
埼玉の名門男子校・穂木高校の二年E組で、
クラスの人気者・山田が夏休み直前に交通事故で亡くなります。
成績優秀でユーモアに溢れ、誰からも慕われていた山田ですが
彼の突然の死にクラスメイトたちは動揺します。
二学期が始まると、教室のスピーカーから山田の声が聞こえ、
彼の魂がスピーカーに宿ったことが判明します。
クラスは最初こそ驚くが、やがて山田との日常を受け入れ、
笑いに満ちた日々が続いていきますが、時が経つにつれて
クラスメイトたちは進路や卒業とともに山田の存在を忘れ始めます。
一方で、山田は成仏されることなく、次第に孤独を感じるようになります。
そして物語の終盤、山田の死の真相が明かされ、
彼が成仏できなかった理由が浮かび上がります。
死者と共に生きる青春の日々が描かれた、切なくも温かい物語です。
『死んだ山田と教室』のあらすじ
あらすじの概要
夏休みが終わる直前、山田が死んだ。飲酒運転の車に轢かれたらしい。山田は勉強が出来て、面白くて、誰にでも優しい、二年E組の人気者だった。二学期初日の教室。悲しみに沈むクラスを元気づけようと担任の花浦が席替えを提案したタイミングで教室のスピーカーから山田の声が聞こえてきたーー。教室は騒然となった。山田の魂はどうやらスピーカーに憑依してしまったらしい。〈俺、二年E組が大好きなんで〉。声だけになった山田と、二Eの仲間たちの不思議な日々がはじまった。
死んだ山田と教室より
死んでも終わらない、クラスメイトとの日常
埼玉の名門男子校・穂木高校の二年E組では、
夏休み直前にクラスの人気者・山田が交通事故で亡くなります。
山田は成績優秀でユーモアもあり、誰からも慕われるクラスの中心的存在でした。
突然の訃報にクラスメイトたちは悲しみに暮れますが
担任の花浦が生徒たちを元気づけるために、席替えを提案したその瞬間、
教室のスピーカーから山田の声が響きます。
驚くクラスメイトたちでしたが、山田の魂がスピーカーに宿り、
声だけの存在として教室に戻ってきたことがわかります。
こうして、山田と二年E組の奇妙な学園生活が再び始まります。
最初は戸惑いながらも、クラスメイトたちは山田の存在を受け入れ、
以前と変わらず会話を交わすようになります。
男子校特有のくだらないやり取りや下ネタが飛び交いながらも、
山田の声はクラスの潤滑油として機能し、笑いにあふれた日々が戻ってきます。
しかし時間が経つにつれ、クラスメイトたちは
進路や受験に向けて動き出し、それぞれの道を歩み始めます。
山田はスピーカーの中に残り続けますが、
次第に話しかける者は減っていき、彼の存在は忘れられていきます。
卒業の時が訪れ、クラスメイトたちは新たな人生へと進んでいきますが、
山田は教室に取り残されることになります。
卒業後も、かつてのクラスメイトたちは
山田のことを時折思い出しつつも、日常の忙しさに流されていきます。
しかし、和久津だけは山田の存在を忘れることができず、
彼と会話を交わし続けることを誓います。
彼は教育実習生として母校に戻り、
さらには非常勤講師として穂木高校で働くことになります。
山田との会話を続ける中で、
和久津はなぜ彼がスピーカーの中に残り続けているのか、その理由を考え始めます。
物語の終盤、山田の死の真相が明らかになります。
彼が成仏できなかった理由、そして和久津との関係が深く掘り下げられ、
物語はクライマックスを迎えます。
クラスメイトたちが彼をどう記憶していくのか、
そして山田自身がどのような結末を迎えるのか
そのすべてがラストに向かって収束していきます。
『死んだ山田と教室』の感想
死を超えて続く関係と、時間がもたらす別れ
物語は、埼玉の名門男子校・穂木高校の二年E組を舞台に、
クラスの人気者であった山田が交通事故で亡くなるところから始まります。
山田の死後、彼の魂が教室のスピーカーに宿り、
クラスメイトたちとの奇妙な日々が再開されます。
この設定自体が非現実的でありながら、
男子高校生特有のくだらない会話や下ネタが飛び交う日常がリアルに描かれており、
読者は彼らの青春の日々に共感し、面白おかしく読み進めることができます。
山田の存在は、クラスメイトたちにとって最初は驚きでありながらも、
次第に日常の一部として受け入れられていきます。
しかし、時間が経つにつれ、クラスメイトたちは進級や卒業、
そして社会人としての生活を始め、山田との接点は徐々に薄れていきます。
この過程において、時間の流れとともに変わりゆく人間関係の儚さと切なさを感じます。
しかし山田は一向に成仏される気配がなく、スピーカーの中で存在し続けますが、
かつてのクラスメイトたちが自分を忘れていくことへの孤独感や恐怖が描かれています。
特に、和久津が山田を忘れまいと努力し続ける姿勢は、
友情の尊さと同時に、人間関係の移ろいやすさを浮き彫りにしています。
物語の終盤、山田の死の真相が明らかになり、
彼が成仏できなかった理由や、和久津との関係が深く掘り下げられます。
このラストの展開は特に感動的で、読者の心に深く響きます。
山田と和久津の対話は、生と死、
そして友情の本質を問いかけるものであり、読後に深い余韻を残します。
最後に
ここまで本書について紹介してきました。
男子高校生のリアルな日常と非現実的な設定を巧みに組み合わせた
感情を揺さぶられる物語でした!
本書が気になる方は
是非本書を手に取ってみてください!
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