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『プレミアリーグ全史1 』のまとめについて

ノンフィクション

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、ベン・メイブリーさんの

『プレミアリーグ全史 1』について紹介をしていきます!

 

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『プレミアリーグ全史 1』について 

本書の概要

本書はひとことで言うと

プレミアリーグの激動の歴史を追体験できる1冊です。

 

本書をオススメしたい人

・プレミアリーグを最近見始めて、リーグの背景や歴史を知りたい人

・イングランドのサッカー文化や過去の出来事について学びたい人

・マンチェスターUやリヴァプールなどビッグクラブの伝統やドラマを味わいたい人

 

本書は、イングランド・プレミアリーグの誕生から現在に至る

「33年間」の足跡を振り返る全3巻シリーズの第1巻です。

 

本書ではリーグ創設前後の出来事を中心に、

プレミアリーグが世界的な人気を博すまでに経てきた険しい道のりを解説しています。

 

著者は、英国出身で日本で活躍するサッカー解説者のベン・メイブリー氏です。

 

イングランドならではの「現地の感覚」を交えつつ、歴史的事件から名勝負、

クラブ間の因縁まで幅広く取り上げており、読み応えは十分です。

 

序章では英国サッカーの黎明期から産業革命時代まで遡り、

フットボール誕生の背景や人々との関わりといった文化的側面も紹介されています。

 

続く章では1970~80年代の暗黒時代と復興、

そして1992年のプレミアリーグ設立に至る激動のストーリー、

さらにリーグの代名詞とも言える名門クラブ同士のライバル関係が綴られています。

 

本書一冊でプレミアリーグの「過去」を一通り理解できるため、

プレミアを最近見始めた方から往年のサッカーファンまで楽しめる内容となっています。

 

『プレミアリーグ全史 1』のまとめ

◆プロローグ:サッカー文化の源流

まず序章「イングランド・フットボールの175年」では、

現在のプレミアリーグに至るまでの

イングランドサッカー全体の歴史がコンパクトに描かれます。

 

19世紀の産業革命期にまで話は遡り、

1863年にロンドンのフリーメイソンズ・タバーン(酒場)でクラブ代表者たちが集まり

世界で最初のサッカー協会(FA)を設立したエピソードから始まります。

 

鉄道網の発達によってサッカーが全国的なスポーツへと広まったこと、

労働者階級を中心に、フットボールが生活の一部・地域の誇りとなっていった過程など、

イングランドにおけるサッカー文化の源流が紹介されています。

 

日本人読者には馴染みの薄いイングランド国内リーグの構造や、

地域とクラブの熱い結びつきについての解説もあり、

「サッカーの母国」ならではの背景知識を楽しく学べるパートです。

 

◆第1章:暗黒時代と再生(1967~1990年)

第1章「暗黒時代と再生への道程 1967-90年」では、

プレミアリーグ創設前のイングランドサッカー界が直面した危機と、

その克服までの流れが語られます。

 

当時イングランドのフットボールは低迷期にあり、

スタジアムではフーリガン(暴徒化した熱狂的サポーター)問題が深刻化しつつありました。

 

さらには大惨事も相次ぎ、1985年5月のヘイゼル・スタジアムの悲劇や

1989年4月のヒルズボロの悲劇では多数の犠牲者が出てしまいます。

 

これらの事件により、イングランドのクラブは

欧州大会への出場停止処分を受け(1985年以降約5年間)、

国内でもサッカー人気は低下していきました。

 

荒廃したスタジアムや過激化するファンなど

まさに「暗黒時代」を迎えていたイングランド・フットボールですが、

その一方で再生への兆しも生まれてきます。

 

1980年代後半、フットボール界は安全対策の強化とイメージ刷新に乗り出し、

ヒルズボロ惨事を契機に発表されたテイラー報告書により、

全席座席化などの改革が進行しました。

 

さらに時を同じくしてイングランド代表が

1990年ワールドカップで準決勝に進出し国民の関心を取り戻すなど、

サッカー復興の機運が高まっていきます。

 

低迷期から復活への道程を、

本章では当時の社会状況やファン心理も交えて論理的に追っており、

暗い時代の教訓が後のプレミアリーグ誕生にどう活かされたかが、

理解できる内容となっています。

 

◆第2章:プレミアリーグ誕生と序盤戦

続く第2章「喜怒哀楽の33年間のはじまり」では、

いよいよプレミアリーグ誕生前後のドラマが描かれます。

 

1992年2月、イングランド1部リーグのトップクラブらが

分離独立してプレミアリーグ(FAプレミアシップ)を設立しました。

 

これは老朽化したリーグを抜本的に改革し、ビジネス面でも成功させる大きな決断でした。

 

プレミアリーグ創設の背景には、

1980年代から進んでいたフットボールの商業化があります。

 

その象徴的出来事の一つがトッテナム・ホットスパーの株式上場です。

 

トッテナムは1983年、世界で初めて自クラブを株式市場に公開し、

サッカークラブをビジネスとして運営する道を切り開きました。

 

この頃からテレビ放映権を巡る争奪戦も加熱し、

1980年代後半には地上波でリーグ戦の生中継が始まります。

 

そして決定打となったのが、衛星放送Skyとの巨額テレビ契約です。

 

1992年、Skyスポーツが5年総額3億ポンド超という

破格の放映権料でプレミアリーグとの独占契約を勝ち取り、

従来放送していたITVを打ち負かしました。

 

この劇的な放映権「争奪戦」により、

プレミアリーグは潤沢な資金と世界規模の放送網を手に入れたのです。

 

誕生初年度の1992-93シーズンには、

マンチェスター・ユナイテッドが26年ぶりにリーグ制覇を成し遂げるなど、

新リーグならではの盛り上がりを見せました。

 

人気の面でも経済の面でも、

プレミアリーグはまさに成功へのキックオフを切ったのです。

 

◆第3章・第4章:マンチェスターU vs リヴァプール、宿命のライバル

第3章「マンチェスター・ユナイテッド vs リヴァプール 1992-96年」と

第4章では、イングランドを代表する2大クラブである

マンチェスター・ユナイテッド(マンU)とリヴァプールの

熾烈なライバル関係にスポットが当てられます。

 

両クラブは共に北西イングランドに位置し、

長年トップタイトルを競い合ってきた伝統のライバル同士です。

 

1990年代初頭までリーグ最多優勝回数を誇っていたのはリヴァプールでしたが、

プレミアリーグ開始後はマンUが急速に台頭し、

国内タイトルを次々と獲得していきます。

 

第3章では、なぜ彼らが互いをここまで宿敵視するようになったのか、

その歴史的背景から探っていきます。

 

マンチェスターとリヴァプールの都市間の因縁(産業・経済面での競争や文化的反発)、

クラブの栄光と挫折の物語、さらにはサポーター文化まで、

具体的なエピソードを交えて解説されています。

 

さらに両章では、「代理戦争」的なドラマにも焦点が当てられます。

 

第3章ではブラックバーン・ローヴァーズの躍進、

第4章ではニューカッスル・ユナイテッドの挑戦が語られ、

それぞれが宿命のライバルたちを背景に活躍した姿がドラマチックに描かれています。

 

◆巻末付録:20の小さな物語

巻末付録「20の小さな物語」では、主要な章で扱われた出来事以外にも、

プレミアリーグの歴史を彩る興味深いミニエピソードが20項目紹介されています。

 

クラブや選手にまつわる秘話、記録的大勝負の裏話、

知られざるトリビアなどが盛り込まれており、ファンにはたまらない内容です。

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

本書を通じて改めて感じるのは、

プレミアリーグの歴史が単なる試合結果の積み重ねではなく、

社会の変化やクラブ間の因縁、人々の情熱が織り成す壮大なドラマであるということです。

 

ベン・メイブリー氏の語り口は親しみやすく、それでいて考察は的確で論理的です。

 

当時を知らない初心者でもスッと物語に引き込まれ、

要所要所で「そうだったのか!」と膝を打つような発見がある1冊です。

 

プレミアリーグファンはもちろん、すべてのフットボールファン必読の1冊と言えるでしょう。

 

本書が気になる方は、是非手に取ってみてください!

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