こんにちは!しょーてぃーです!
今回は、多崎 礼さんの
『レーエンデ国物語』について紹介をしていきます!
『レーエンデ国物語』について
本書の概要
本書はひとことで言うと
神秘的な世界観と人間愛を描いた物語です。
本書をオススメしたい人
・ファンタジーが好きな人
・家族愛や友情を感したい人
・本屋大賞にノミネートされた作品が気になる人
本作は、西ディコンセ大陸の聖イジョルニ帝国という
架空の国を舞台にしたファンタジー小説です。
聖イジョルニ帝国の貴族の娘ユリアは、英雄である父のヘクトルと旅に出ます。
行先は呪われた地と呼ばれるレーエンデですが
ユリアはレーエンデの幻想的な世界に魅了されます。
寡黙な射手のトリスタンと出会ったり
初めての親友ができたり、初めての恋などを経験するうちに
自分の居場所や生き方について考えるようになったユリアですが
次第に争乱に巻き込まれてしまいます。
本作は、新しい世界と友情・愛を受け入れながら
成長していくユリアの旅を描いており
冒険、異文化交流、英雄、友情、恋愛、決意、世界の秘密と
多種多様なものがぎっしりと詰まった濃厚なファンタジー小説となっています。
『レーエンデ国物語』のあらすじ
あらすじの概要
異なる世界、西ディコンセ大陸の聖イジョルニ帝国。母を失った領主の娘・ユリアは、結婚と淑やかさのみを求める親族から逃げ出すように冒険の旅に出る。呪われた地・レーエンデで出会ったのは、琥珀の瞳を持つ寡黙な射手・トリスタン。
空を舞う泡虫、琥珀色に天へ伸びる古代樹、湖に建つ孤島城。ユリアはレーエンデに魅了され、森の民と暮らし始める。はじめての友達をつくり、はじめて仕事をし、はじめての恋を経て、親族の駒でしかなかった少女は、やがて帰るべき場所を得た。時を同じくして、建国の始祖の予言書が争乱を引き起こす。
レーエンデを守るため、ユリアは帝国の存立を揺るがす戦いの渦中へと足を踏み入れる。
レーエンデ国物語 より
物語は、母を失ってしまった領主の娘ユリアが
親族に結婚と窮屈なを生活から逃れるために
英雄である父ヘクトルの遠征に付いていくことから始まります。
その旅先で、ユリアは呪われた地レーエンデに辿り着きます。
そこは、空を舞う不思議な生き物がいたり、
琥珀色の巨大な古代樹が天に向かって伸びているなど
神秘的な場所でありユリアは魅力的に感じるようになります。
レーエンデで、ユリアは寡黙な射手であるトリスタンと出会います。
トリスタンは森の民で、ユリアはトリスタンとレーエンデに住んでいる仲間たちと
共に生活を始めることで、レーエンデとトリスタンの魅力に惹かれていき
同時に自分自身と向き合っていくことになります。
また本作の「序章」と「第一章は」試し読みができますので
世界観などをはじめ気になる方はこちらをチェックしてみてください!
『レーエンデ国物語』の感想
ただのファンタジーではない!
本作はただのファンタジーではなく
神秘的な世界観に包まれながらも、人間ドラマが繰り広げられます。
ユリアは父のヘクトルの親子愛については
ユリアの母であるレオノーラは、ユリアが生まれて間もなく亡くなってしまったので
2人の家族愛の強さは物語のあちこちで感じられます。
騎士団長の役務を果たす為に家を空けることの多いヘクトルを、
ユリアは英雄の娘である誇りを胸に
寂しさを押し殺しながら帰りを待ち続ける日々を送っていました。
またヘクトルとトリスタンの友情については
ヘクトルのレーエンデ案内人としてトリスタンが同行しますが
トリスタン自身、元傭兵で、弓の名手であり
ヘクトルとも面識があることから彼を心底尊敬していました。
最初はお互い警戒していたものの
ユリアを含めた旅、生活を通してベストパートナーとなっていきます。
またユリアとトリスタンもレーエンデでの生活を通じて
父親のヘクトルが認めるほどの恋仲となっていきます。
これらの関係が深まっていく過程で、数々の試練が待ち受けていますが
彼女たちがそれらを乗り越えて絆が深まっていく姿は読んでいて心に響きます!
また普段ファンタジーを読まない私でも
レーエンデの美しく幻想的かつ神秘的な世界観に引き込まれるほど緻密でした!
そして本作の重要なキーの1つである呪われた地と呼ばれるレーエンデには
「銀呪病」と呼ばれる特有の風土病があります。
それは治療法も特効薬もなく人間のみが死に至ってしまう病であり
トリスタンは「銀呪病」と向き合っていきながら物語が進みます。
限られた命しかないからこそ行き着く人生観には
読者である私たちにも深く刻み込まれますし
ラストシーンを終え本作を閉じるときには思わず天を見上げてしまいます。
物語全体の世界観が緻密であり、神秘的ながらも
生々しい戦いや人間ドラマがある本作は
ファンタジーが好きな人やそうでない人でも楽しめる作品だと思います!
最後に
ここまで本書について紹介してきました。
普段ファンタジーを読まない私ですら世界観に没頭できた本作は
本屋大賞にノミネートされるに相応しいと感じました!
本書が気になる方は
是非本書を手に取ってみてください!
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