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『水車小屋のネネ』のあらすじと感想について

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、津村記久子さんの

『水車小屋のネネ』について紹介をしていきます!

 

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『水車小屋のネネ』について 

本書の概要

本書はひとことで言うと

人との繋がりの大切さを実感する物語です。

 

本書をオススメしたい人

・人情を大事にしている人

・人の温かさを感じる作品が好きな人

・本屋大賞にノミネートされた作品が気になる人

 

物語の中心となるのは2人の姉妹です。

 

姉である18歳の理佐は、シングルマザーである母親が

勤務先で知り合った男性と婚約しその男の起業のために

自分が短大へ入学するための入学金を使ったため、入学できなくなります。

 

妹である8歳の律はその男から虐待を受けていて

それを見かねた理佐が律を連れて実家を出て独立を決めます。

 

理佐は職業安定所で「鳥の世話じゃっかん」と記載されたそば屋の求人を見つけます。

 

すぐにそば屋がある町へ律と向かうと

川の音が響き水車を使ってそばをひく夫婦と、水車小屋でそばの実をそば粉にする際に

容器が空になると「からっぽ!」と補充する必要を人に伝えるヨウムのネネがいました。

 

その出会いがあった1981年から2021年の40年間にわたって

姉妹と姉妹に関わる人々の視点からこの物語は描かれます。

 

18歳と8歳の姉妹がたどり着いた町で出会ったネネと

ネネに見守られ、変転してゆくいくつもの人生が織りなす希望と再生の物語です。

 

『水車小屋のネネ』のあらすじ

あらすじの概要

誰かに親切にしなきゃ、
人生は長く退屈なものですよ

18歳と8歳の姉妹がたどり着いた町で出会った、しゃべる鳥〈ネネ〉
ネネに見守られ、変転してゆくいくつもの人生――

助け合い支え合う人々の
40年を描く長編小説

毎日新聞夕刊で話題となった連載小説、待望の書籍化!

水車小屋のネネ より

 

物語は、18歳の理佐が、妹で8歳の律を連れて家を出た後の2人と

水車小屋にいるネネという名のヨウムのお話です。

 

構成は10年ごとに物語が展開していきます。

第1話    1981年  理佐18歳 律8歳  ネネ10歳

第2話    1991年  理佐28歳 律18歳 ネネ20歳

第3話    2001年  理佐38歳 律28歳 ネネ30歳

第4話    2011年  理佐48歳 律38歳 ネネ40歳

エピローグ 2021年  理佐58歳 律48歳 ネネ50歳

 

第1話は18歳の姉が8歳の妹と暮らすなかで

経済的にも精神的にも親の援助は当てにできない状態でありながらも

そば屋の店主夫妻をはじめ、画家の杉子さん、律の担任の藤沢先生らの

周囲の大人たちが適度な距離感で姉妹のことをいつも気にかけているのが特徴的です。

 

第2話は律が就職してネネのところに頻繁に通えなくなり、

理佐に対して不器用ながらも思いやりのある恋心を抱く登場人物が出てきます。

 

第3話は水車が製薬会社に貸し出されたり、

律が自分の学生時代と似た境遇の男の子に勉強を教えたりすることで

今度は律が気にかける立場となります。

 

第4話では東日本大震災のことが触れられています。

 

時代が移り変わるにつれて、ネネの世話役も共に移り変わっていきますが

いつもその中心にはネネがいて、ネネが取り巻く世界は暖かさに満ち溢れています。

 

『水車小屋のネネ』の感想

人の良心に触れられる長編物語!

本作を通じてこれまで自分に対して親切にしてくれた人のことを思い出したり

今関わっている人やこれから出会う人に対して

親切にしたり無理のない範囲で支えたいと思えます。

 

母親とその婚約者から不遇な扱いを受けた姉妹が

大人とも言えない年齢の姉と小学生である妹の2人だけの生活は

自分の立場に置き換えるとお互いかなりしんどい現実がたくさんあると想像できます。

 

それでも彼女たちの生活や人生は

周囲の人たちからの小さな親切で支えられていたことで

読んでいて終始希望に満ち溢れる気持ちになります。

 

そば屋の店主夫妻をはじめ、画家の杉子さん、律の担任の藤沢先生をはじめ

この町には姉妹を見守る人がたくさんいて

はじめは姉妹だけの生活を不安視していましたが

少しずつ理解を示し、それぞれが無理のない範囲で姉妹に手を差し伸べます。

 

周囲の人からの親切を真摯に受け止めて

自分にできることで感謝の気持ちを示す理佐と

決して恵まれたとは言えない環境ながらも卑屈になったりグレることなく

地に足をつけて成長していく律の姿には心を打たれます。

 

構成上、10年単位で物語が進み月日が経つにつれて

姉妹の境遇や関わる人が少しずつ変わりますが

ネネの世話を通じて、誰かの思いや言葉は受け継がれていきます。

 

そして人と人との関わり合いは

老若男女問わず、紡がれていくものだなと温かい気持ちになりました。

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

読了後、誰かに親切にしたくなると思わせる本作は

本屋大賞にノミネートされるに相応しいと感じました!

 

本書が気になる方は

是非本書を手に取ってみてください!

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