こんにちは!しょーてぃーです!
今回は、上村紀夫さんの
『「辞める人・ぶら下がる人・ 潰れる人」
さて、どうする?』について紹介します。
本書の内容について、紹介していきます。
『「辞める人・ぶら下がる人・ 潰れる人」さて、どうする?』について
本書の概要
本書は医師であり、経営学修士(MBA)を取得して
現在は、産業医・経営コンサルタントとして活躍する
著者による1冊です。
離職や生産性・モチベーションの低下
人間関係のトラブル、ハラスメントなど
会社内の「人」にまつわる問題について
「組織の病」と定義されています。
本書では、「組織の病」の原因と対策について
徹底的に解説されています。
本書をオススメしたい人
・生産性の低いチームに悩んでいる人
・今後のキャリアについて考えている人
・組織について詳しく知りたい人
優秀な社員が辞めたり、
会社やチームの雰囲気が悪いなどは
会社に原因があることが多いです。
しかし、原因があるにもかかわらず
それに気づいていない会社が多いです。
正しい対策を知らないまま
闇雲に対処すると
状況が悪化する場合もあります。
人間の病気と同じで、組織の病気も
原因と対処法がきちんとあります。
本書は、経営者や管理職だけならず
一般社員の人でも納得できる1冊となっています。
『「辞める人・ぶら下がる人・ 潰れる人」さて、どうする?』の要約
組織はマイナス感情から衰える
「病んだ組織」が
増える理由の1つとして
離職が相次ぐことです。
そして、離職の原因は
「マイナス感情」によるものです。
マイナス感情とは文字通りで
会社についての不平不満のような
ネガティブな感情です。
「給料が上がらない」
「待遇が悪い」「こんな会社で働きたくない」
みたいなものです。
会社に対する不満が
溜まった結果
モチベーションやメンタルが不調になり
最終的には「離職」という選択になります。
社会人の方なら
この感覚を経験された方も多いと思います。
つまり、会社に対するマイナス感情が
離職を生む原因です。
さらに、マイナス感情は伝染します。
一部の社員にマイナス感情が生まれると
モチベーション低下や離職という流れになります。
それを見ている周りの人も
同様にマイナス感情が芽生えます。
このように伝染した結果
組織が衰えていきます。
最初は個人の問題であっても
それが組織全体に広がり
会社を衰退させてしまうのです。
プラス感情の増加よりマイナス感情の減少
社員がどんどん辞めると
「何か対策を打とう」と会社は考えます。
そんな時によくある施策は
「プラス感情を増やすための施策」です。
よくある例ですと
「フレックスタイム制」
「ノー残業デー」みたいなものです。
一見良さそうに見えますが
こういう施策は上手くいかないことが多いです。
勿論、プラス感情を増やす施策は
一時的に社員のプラス感情を増やします。
ですが、人間のプラス感情は
長続きしないのです。
そのため、こういう施策を導入しても
嬉しさを感じるのは最初だけで
すぐに「当たり前」になってしまいます。
給料が1万円増えると
最初は嬉しいですが
段々とそれが当たり前になります。
反対に1万円減給だと
「1万円少ないな・・」と
給料を受け取るたびに思います。
マイナス感情の方が
人間には残りやすいです。
なので、プラス感情を増やす施策は
あまり良いとは言えないのです。
それよりもマイナス感情を減らす施策の方が
社員にとってはインパクトが大きいです。
全員のマイナス感情は無くならない
「マイナス感情を減らす施策」の方が
社員にインパクトがあります。
ですが、社員全員のマイナス感情を
なくす施策は存在しないのです。
つまり、社員全員が不平不満なく
働けるようになるのは無理なのです。
全員が不満なく働くことは理想ですが
そもそも人によって感じ方が違います。
「働く理由」「働く価値」は
人によって違います。
お金のために働く人もいれば
社会貢献のためや
スキルの向上のために働く人もいます。
そのため、全員の要望を叶えることはできないのです。
例えば
「社内の飲み会でお金がかかるのは嫌だ」と
いう社員の要望を叶えるために
飲み会代を補填する制度を取り入れたとします。
ですが、飲み会が嫌いな社員からすると
「そんなのいらない!」と
この施策が不満の原因になってしまいます。
誰かの希望を叶えることが
全員にとって良いわけではないのです。
このように
全員のマイナス感情は減らないのです。
なので、施策を行う場合は
必ず一部の社員の希望を叶えるようになります。
それなら会社にとって
必要な人材を優先した施策をすることで
痛手となる離職が減るのです。
離職にも種類がある
人材流出を防ぎたいなら
「離職」について知るべきです。
離職といっても理由はたくさんあります。
離職には大きく3つ種類があります。
1.積極的離職
これは自分の希望を叶えるための離職です。
「もっと能力を活かせるところに行きたい」
「ステップアップしたい」などです。
2.消極的離職
これは今の環境から逃げるための離職です。
「この会社で働くモチベーションがない」
「仕事がつまらない」とかです。
3.離脱
これは心身の健康の悪化で
働けなくなった場合です。
うつ病や過労での病気です。
他には「会社都合の退職」もありますが
大体は3つのタイプに分類されます。
離職は最適化する
離職はゼロにするのではなく
最適化すると考えるべきです。
どんな施策をしても
全員が納得するわけではないのです。
そのため、完全に離職をなくすことは
現実的ではないのです。
転職にはポジティブな要素もあり
組織は適度に人材を入れ替えることで
循環するのです。
そして、最も危険なのは
「ぶら下がり社員の定着」です。
ぶら下がり社員とは
仕事にやる気はなく
言われたことしかしない
モチベーションの低い社員のことです。
モチベーションが低くても
転職する気がない人のことです。
こういう社員がたくさん定着すると
会社は衰退してしまいます。
離職を最適化することで
適切な人材に押さえて
その分新しい人材を入れて循環させます。
そんな適度な入れ替えがある組織こそ
健康な組織なのです。
WHO・WHAT・HOWで考える
会社の問題への対策は
「誰の」「どんな問題に」「どのように対処するか」
という3ポイントをおさえて考えることが大切です。
WHOについて
これは、誰の問題について考えるかです。
WHOについて考えるときは
社員を5つに分類すると考えやすいです。
「優秀人材」「ハイポテンシャル人材」
「立ち上がり人材」「普通人材」「ぶら下がり人材」
優秀人材は名前の通りで
会社で活躍している優秀な人材のことです。
ハイポテンシャル人材は
2.3年すれば優秀な人材になれる
ポテンシャルを秘めた人材です。
立ち上がり人材は
入社した直後の社員のことです。
中途入社したばかりの社員も、ここに含まれます。
普通人材はそれ以外の普通の人材です。
ぶら下がり社員は、前述した通りです。
対策を考えたり実施するときは
「どの人材に対するものか?」を
明らかにする必要があります。
WHATについて
離職にも大きく3種類があり
この中でどの問題に対処するかを考えます。
例えば、「優秀社員」の
「消極的離職」への対策を考えるというように
「WHO」と「WHAT」が決まると
ターゲットが明確になり
HOWで対策を立てやすくなります。
ハイポテンシャル人材を優先する
先ほど紹介した5つのグループで
対策するべき優先順位があります。
「ハイポテンシャル人材」→「立ち上がり人材」
→「優秀人材」→「普通人材」→「ぶら下がり人材」
といった優先順位で対策を立てるのが良いです。
優秀人材を優先するべきだと
ついつい思ってしまいます。
ですが、優秀人材は優秀なので
他社からのオファーがたくさん来ます。
つまり、優秀人材が抜けてしまうのは
ある程度仕方ないことなのです。
これがある種
避けられない離職なのです。
それに、優秀人材ばかり優遇して
上のポストが優秀人材ばかりになると
それに続く人材が伸びにくくなります。
すると、会社としても
上手く循環しなくなります。
優秀な人がずっといると
その人に頼ってしまいますよね。
それに対して
ハイポテンシャル人材は
将来、優秀人材に育つ可能性があります。
ですので、ハイポテンシャル人材の流出を
極力抑えるような対策をするのが良いのです。
最後に
ここまで本書を紹介してきました。
組織にも病があることや
人材の種類と対策の立て方は
本書を通じて、初めて知りました。
そして会社の対策は
全員が満足するものではないということは
「確かに!!」と思ってしまいました(笑)
本書が気になる方は、是非手に取ってみてください!
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