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『世界が青くなったら』のあらすじと感想について | 武田綾乃さん著書

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、武田綾乃さんの

『世界が青くなったら』 について紹介をしていきます!

 

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『世界が青くなったら』について 

本書の概要

本書は「響け! ユーフォニアムシリーズ」や

「愛されなくても別に」などの人気作でおなじみの

武田綾乃さんの一作になります。

 

本書をオススメしたい人

・ミステリーが好きな人

・恋愛物語が好きな人

・切ない話が好きな人

 

朝起きたら、彼氏の存在が世界から消えている!

そこから物語が始まる本書は

切ない恋愛物語になります。

 

世界からいなくなった彼氏の亮を探す

主人公の佳奈と

唯一、亮のことを知っている

番人のミツルによる

世界の謎に迫るファンタジー物語になります。

 

『世界が青くなったら』のあらすじ

あらすじの概要

もし朝起きたとき、大切な人が消えていたら?

もしあの時、別の決断をしていたら?

もしもう二度と会えないと思っていた人と会うことができたら?

人生で誰もが出会う〈if〉を問いかける物語

ある朝仲内佳奈が目を覚ますと、彼氏の坂橋亮が世界から消えていた……

LINEに履歴はないし、電話帳の中の番号もなくなっている。

不安になって亮のマンションに行ってみるが、亮の部屋はずっと空室だという。

親友に亮の話をしても「そんな人には会ったことがない」と言われてしまう。

自分の頭がおかしくなってしまったのか、それとも世界の方が壊れてしまったのか?

 佳奈は混乱しながらも、亮の手がかりを探し始める――

引用元:世界が青くなったら

 

主な登場人物

仲内佳奈:本書の主人公で大学生。

     大学で出会った坂橋亮と2年間付き合っていましたが

     ある日突然、存在が消えていました。

     亮以外との交際経験はなし

 

坂橋亮:佳奈の彼氏でしたが、世界から存在を消されます。

 

ミツル:並行世界をつなぐ「Kassiopeia」にいる番人。

    佳奈以外で唯一、亮の存在を知っています。

    素気ない性格ですが、どことなく亮に似ています。

 

土井麻莉:佳奈の大学の友人

     同じ食べ歩きサークルに属していています。

 

『世界が青くなったら』の感想

以下、多少のネタバレを含む感想になります。

 

この上なく切ない物語

佳奈がある日起きると

この世界から恋人の亮が消えていたところから

本書の物語は始まります。

 

LINEのトーク履歴や亮が住んでいた家など

亮という存在が佳奈以外の人の記憶から

徹底して居なくなっています。

 

亮を探すことを始める佳奈がたどり着いたのが

「Kassiopeia」という雑貨屋のようなお店。

 

そこには番人のミツルがおり

現実世界と並行世界の2つ世界を行き来できる

選ばれた人しか来る事ができないお店でした。

 

ただ、物語が進むにつれて

亮と似ているミツルの存在や

佳奈以外の人から亮の存在が消えた理由などの

悲しい事実が分かってきます。

 

ミツルの抱える罪悪感や

佳奈の亮を想う切実な気持ちには

胸を締め付けられる気持ちでした。

 

並行世界というファンタジーな構成

「Kassiopeia」にやってくる客には

ある共通点があります。

 

それは、夢に会いたい人が出てきたことです。

 

そして、会いたい人との

思い出の物をミツルに差し出すことで

並行世界にいる会いたい人に会えます。

 

並行世界は言わばパラレルワールドなので

同じ人物でも性格や出来事が全く違います。

 

もちろん、自分との関係性も

現実世界とは異なります。

 

この並行世界という設定が本書の1番の特徴であり

かなり綿密に書かれていると感じました。

 

並行世界へ行くための空間など

異世界への入り口という

ファンタジーさが個人的には惹かれました。

 

また、並行世界へ行く人は

ミツルから絶対に守ってほしいことを伝えられます。

 

それは、どんな些細な物でも

並行世界のものを現実世界に持ち帰ってはいけないことです。

 

理由は、世界の理から外れてしまうためで

この世界の理から外れてしまうことが

本書にとって最大のキーポイントになります。

 

世界の理から外れることと

外れてしまった場合の結果が

読み進めるうちに明らかになっていきます。

 

各章の登場人物の良さ

本書は、佳奈が亮を探すという

メインストーリーと一緒に

各章で「Kassiopeia」に訪れる人の

それぞれの物語が描かれています。

 

元彼に会いたい

死んだ祖父に会いたい

高校の同級生に会いたい

友達に会いたい 

 

会いたい人や会いたい理由は、それぞれ違いますが

「Kassiopeia」に訪れてくる理由が次第にわかってきます。

 

それぞれの登場人物の諸事情には

喜怒哀楽が大きく揺さぶられます。

 

記憶について

本書では坂橋亮の存在が

佳奈とミツル以外の人間から消えています。

 

言わば、佳奈とミツル以外の人間から

坂橋亮の記憶が消えているということです。

 

この記憶も本書では重要なテーマになります。

 

なぜなら、並行世界に行った人は

「Kassiopeia」で起こった記憶がなくなるからです。

 

どうせ忘れてしまうのに

それでも会いたいと思う人に対して

「自己満足を売る店」とミツルは言います。

 

忘れてしまうけど

会うことによって見えてくる事実に

それでも会いたいと思ってしまう!と

思わず共感してしまいました。

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

彼氏に会いたいという

切実な願いが読者に刺さると同時に

それぞれの登場人物が

記憶を無くしてでも会いたいと思う理由には

心を動かされました!

 

また、パラレルワールドの構成も

ファンタジーでありながら

 

しっかりとした設定だと感じました。

本書が気になる方は

是非手に取ってみてください!

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