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『やさしさを忘れぬうちに』のあらすじと感想について

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は川口 俊和さんの

『やさしさを忘れぬうちに』について紹介をしていきます!

 

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『やさしさを忘れぬうちに』について 

本書の概要

本書はひとことで言うと

「コーヒーが冷めないうちに」シリーズの5作目です。

 

本書をオススメしたい人

・「コーヒーが冷めないうちに」シリーズを読んだ人

・感動する話が好きな人

・泣ける話が好きな人

 

本作もこれまでのシリーズ作と同様で

喫茶店「フニクリフニクラ」にて

過去に戻りたい登場人物たちが

タイムスリップをして後悔を晴らす物語です。

 

時系列的に本作は、前作の『さよならも言えないうちに』の翌年と考えられ

『コーヒーが冷めないうちに』→『さよならも言えないうちに』

→『やさしさを忘れぬうちに』→『この嘘がばれないうちに』

→『思い出が消えないうちに』という順番になります。

 

本作もこれまでの過去シリーズと同じく

感動できる話が好きな人や泣ける話が好きな人にとっては

たまらない作品となっています。

 

これまでのシリーズ作の感想が知りたい方は以下になります。

「コーヒーが冷めないうちに」はこちら

「この嘘がばれないうちに」はこちら

 「思い出が消えないうちに」はこちら

「さよならも言えないうちに」はこちら

 

『やさしさを忘れぬうちに』のあらすじ

あらすじの概要

「いつか」なんて待たずに、

すぐ会いに行けばよかった——。

 

結婚を許してやれなかった父、

バレンタインチョコを渡せなかった女、

離婚した両親に笑顔を見せたい少年、

名前のない子供を抱いた妻……

止まってしまった「今」を

未来へと動かすために過去に戻る、

4人の男女の物語。

 

とある町の

とある喫茶店の

とある座席には不思議な都市伝説があった

その席に座るとその席に座っている間だけ

望んだ通りの「時間」に移動ができるという

 

ただし、そこにはめんどくさい……

非常にめんどくさいルールがあった

 

1.過去に戻っても、この喫茶店を訪れたことのない者には会うことができない

2.過去に戻ってどんな努力をしても現実は変わらない

3.その席には常に白いワンピースを着た女が座っている

4.その席に座れるのはその女が席を立った時だけ

5.過去に戻っても、席を立って移動はできない

制限時間はカップにコーヒーを注いでから、

そのコーヒーが冷めるまでの間だけ

 

めんどくさいルールはこれだけではない

それにもかかわらず、今日も都市伝説の噂を聞いた客がこの喫茶店を訪れる

 

喫茶店の名前は、フニクリフニクラ

 

この物語は、そんな不思議な喫茶店で起こった心温まる四つの奇跡。

やさしさを忘れぬうちに より

 

第一話 離婚した両親に会いに行く少年の話

第二話の主人公であるユウキくんは

ずっと後悔していることがありました。

 

それは、フニクリフニクラで両親から

離婚すると聞いたときに泣いてしまったことです。

 

ユウキくんは純粋に両親の幸せを願っており

離婚した後の両親を見て「あの日の自分は泣くのはいけなかった」と思い

「あの日に戻ってやり直したい」という理由からフニクリフニクラに来ました。

 

ユウキくんの両親を思う気持ちは

グッと胸を掴まれるような切ない感情になります。

 

第二話 名前のない子供を抱いた女の話

第二話の主人公である恵は

生まれたばかりの我が子と一緒にフニクリフニクラにやってきます。

 

恵の子には名前がまだついていません。

 

なぜなら、夫婦で名前を考えたかったのに

夫の隆二は、傷害致死事件に巻き込まれて亡くなったからです。

 

そして、その夫が生きていた時に戻って

自分の子供に名前をつけて欲しいのです。

 

そして、過去に戻った恵と隆二のやりとりや

隆二が恵を思う気持ちは感動なしに読めません!

 

第三話 結婚を許してやれなかった父親の話

第三話の主人公である望月は

妻とふたりでフニクリフニクラを訪ねますが

過去に戻るためのルールを聞いて帰ります。

 

望月は娘の結婚に反対したことで

娘が駆け落ちをしてしまったことを後悔していました。

 

ところが、娘に会えないと分かった望月が帰ってしまってすぐ

洋子という女性がフニクリフニクラに現れます。

 

洋子は望月の娘でした。

望月はフニクリフニクラに訪れた4年後に亡くなり、

この日に望月がフニクリフニクラに来ていたと

母から聞いた洋子が、父に会いに未来からやってきました。

 

洋子は駆け落ち後、荒んだ生活を送っていました。

父の望月の勘が当たってしまい、相手はろくでもない男で

洋子はその男と別れて、1人で息子を育てていました。

 

洋子は反対を押し切ったため父とは連絡はとらず

母とだけは連絡を取っていましたが

心配をかけたくない理由から、別れたことを言えずにいました。

 

そんななか洋子は別の男性と出会い

結婚を考えますが、その男は詐欺師で

騙されてお金をとられてしまいます。

 

結婚するつもりで退職し、住む場所も手放したので

「親に頭を下げるしかない」と思ったところに父の訃報が届きます。

 

本当のことを話すと、母は一緒に暮らそうと言ってくれましたが

洋子は父への罪悪感から、そうすることができません。

 

そんな娘の洋子に、母はフニクリフニクラのことを教え

父である望月に会ってくるよう言いました。

 

父が娘に言いたかったことや

やり直したかったことが明かされたとき

親子愛の素晴らしさを感じました!

 

第四話 バレンタインチョコを渡せなかった女の話

第四話の主人公であるつむぎは

中学時代からの友人である彩女と仲良しです。

 

彩女は中1の時に転入してきたとても綺麗な子で

彩女に告白する男子はたくさんいました。

 

つむぎが中学の時告白した男の子には

「彩女のこと好きだから」と振られてしまい

そのことがトラウマになってしまいましたが

彩女には言えず、ずっと仲良しで一緒に過ごしました。

 

高校で好きになった男の子には

告白しようとバレンタインチョコを用意しましたが

中学の時のトラウマを思い出して、チョコを渡せませんでした。

 

そのまま大学も一緒のつむぎと彩女でしたが

春休みの間にある噂がつむぎの耳に入ります。

 

それは、チョコを渡せなかった男の子が

彩女に振られたという噂でした。

 

仲良しの彩女はなにも悪くないと分かっていながらも

大学に入ってからは、つむぎは彩女を避けるようになってしまい

そのまま連絡を取らなくなり卒業します。

 

その6年後つむぎは、とある理由で彩女に会うためと

フニクリフニクラに訪れます。

 

長年距離が空いていた友達との再会や

「バレンタインチョコを渡せなかった女」の意味がわかったとき

「そういうことだったのか。」と腑に落ちる物語です。

 

『やさしさを忘れぬうちに』の感想

新鮮さもある安定作!

本作は、これまでのシリーズ同様

過去に戻って登場人物たちが、抱えている後悔を晴らす物語です。

 

その過程で、各々の関係性による思いやりなどを知り

読者は思わず涙を流してしまいます。

 

全章、感動できるいい物語ですが

個人的には「第二話 名前のない子供を抱いた女の話」の夫婦間の思いやりと

「第三話 結婚を許してやれなかった父親の話」の親子愛には

思わず涙を流してしまいました。

 

また「第四話 バレンタインチョコを渡せなかった女の話」の

彩女がつむぎを思う本当の気持ちは

ここ数年の価値観を反映したものであり

安定したシリーズ作ながら、新鮮さを感じました!

 

家族・恋人・友人など関係性は違えど

全部を知ることは到底不可能であり

分かっていたたつもりであった思いやりや行動が

相手にとってベストではないものだという

当たり前のことながら、ついつい忘れてしまう大事なことを

本作を含むシリーズを通じて、いつも思いださせてくれます。

 

また、いつ大事な人がどうなるかわからないので

伝えられる感謝の気持ちや言葉は

伝えないといけないなと改めて感じさせられました!

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

「コーヒーが冷めないうちに」シリーズの5作目である本作は

安定して感動できて泣ける物語でした!

 

本書が気になる方は

是非手に取ってみてください!

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