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『少年と犬』ネタバレ結末|あらすじ・登場人物・多聞の旅を解説【映画化】

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は馳星周さんの『少年と犬』について、あらすじから結末のネタバレ、多聞が南へ向かった理由、感想まで詳しく紹介していきます!

※この記事は結末までのネタバレを含みます。ご注意ください。

なお本作は2025年3月20日に高橋文哉×西野七瀬主演で映画化されています。

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『少年と犬』について

本書の概要

本書はひとことで言うと、1匹の犬と出会う人々の感動物語です。第163回直木賞を受賞した馳星周さんの代表作です。

本書をオススメしたい人

  • 犬好きな人
  • 感動作が好きな人
  • 直木賞受賞作品が気になる人

本作は1匹の野良犬・多聞(たもん)の旅を綴った物語です。東北から始まり、九州までの旅で、各章で異なる人物との出会いを描きながら、作品全体を通して1つの感動の物語となっています。

物語は東日本大震災の5年後の仙台市で、男性に拾われるところから始まります。外国人の泥棒、田舎で暮らす夫婦、訳ありの娼婦、病気の老人など、様々な人と出会いながら移動していきます。

また本作は震災もテーマの1つであり、登場する多聞はもともと岩手県釜石市で飼い主(光の祖母)と暮らしていましたが、東日本大震災で居場所を失いました。震災の情景を鮮明に描くことで「震災を忘れない」という作者の思いも強く込められています。

『少年と犬』のあらすじ(ネタバレなし)

傷つき、悩み、惑う人びとに寄り添っていたのは、一匹の犬だった――。

2011年秋、仙台。震災で職を失った和正は、認知症の母とその母を介護する姉の生活を支えようと、犯罪まがいの仕事をしていた。ある日和正は、コンビニで、ガリガリに痩せた野良犬を拾う。多聞という名らしいその犬は賢く、和正はすぐに魅了された。だが多聞はいつもなぜか南の方角に顔を向けていた。多聞は何を求め、どこに行こうとしているのか……

本作は6章で構成されており、多聞が様々な人との出会いと別れを繰り返しながら、最終的に目的の場所へ辿り着く物語です。

各章のあらすじ

第1章「男と犬」

舞台は仙台。震災で職を失った和正は収入を得るために犯罪に手を貸していました。ある日コンビニで痩せ細った犬を拾い、首輪のタグに書かれた「多聞」という名前でそのまま飼い始めます。多聞は仕事にも連れて行くとなぜかうまくいくため、和正にとって「守り神」となりました。しかし多聞はいつも車の中で南を向いており、和正は多聞が南へ行きたがっていると確信します。

第2章「泥棒と犬」

次に多聞を飼うことになったのはミゲルという外国人の泥棒。新潟へ向かうミゲルの傍らで、多聞はミゲルを守り慰める存在になりました。しかしミゲルも多聞が南へ行きたがっていることを察し、多聞を自由にします。

第3章「夫婦と犬」

舞台は富山。トレイルランニング中に熊から大貴を守ったことがきっかけで、大貴と妻・紗英のもとで暮らすことに。二人それぞれの心の支えとなりました。

第4章「娼婦と犬」

舞台は滋賀県。夜道で怪我をした多聞を病院に連れて行った美羽のもとで暮らします。多聞は体を張って美羽を危険から守ろうとしますが、西へ行きたがる多聞の気持ちを知り、美羽は多聞を解放します。

第5章「老人と犬」

舞台は島根。妻と相棒の猟犬を失い孤独だった弥一の元に現れ、孤独を癒す存在になりました。弥一は多聞が西南の方向を向いていることに気づきながらも、「自分の死を見届けるために来てくれた」と信じています。

第6章「少年と犬」

舞台は熊本。内村徹が痩せて怪我をした多聞を拾い、家に連れ帰ります。徹には東日本大震災のショックで言葉を失った息子・光がいましたが、多聞を見た瞬間に笑顔で駆け寄りました。光と多聞は深い絆で結ばれ、笑顔と言葉を取り戻した光を見て、徹夫婦は多聞を「神様からの贈り物」と信じました。

『少年と犬』の結末・ネタバレ解説

ここから結末までのネタバレを含みます。

多聞がずっと「南」へ向かい続けていた理由、それは東日本大震災で亡くなった飼い主(光の祖母)と暮らしていた岩手・釜石から、熊本にいる光のもとへ向かうためでした。多聞と光は、震災前から深い縁で結ばれていた「魂の相棒」だったのです。

長い旅の末に光のもとへたどり着き、笑顔と言葉を取り戻した光との幸せな日々を過ごします。しかしその後、熊本地震が発生。多聞は光をかばって命を落とします。

多聞の死は悲しいものですが、「守りたい人を守り抜いた」という犬としての本能を全うした最期であり、読者の多くが涙しながらも「多聞はやり遂げた」と感じる結末です。震災から震災へ、傷ついた人々に寄り添い続けた多聞の旅が、ここで完結します。

『少年と犬』の感想

犬好きにはたまらないであろう作品

本作では多聞に6つの出会いがありますが、その1つ1つで犬は特段何かをするわけではありません。しかし人間たちはそんな犬の存在に癒されて「ありがとう」と自然と感謝してしまう、犬好きには共感しかない作品です。

従順でやさしくて愛情深く、犬はいつも飼い主である人間を信頼し守ってくれます。犬への愛情や感謝の気持ちが如実に表現されており、犬好きにはたまらない一冊です。

人間側は全員訳ありの人生

多聞は素晴らしい犬ですが、登場する人間はみんな訳ありです。犯罪者や風俗嬢など、何かしらに悩んでおり、人生に迷い、病気や心の傷を抱えています。しかしそのような人物でも、多聞に対する優しい感情を持っています。多聞は彼らの心を癒し、救い、生きる希望を与えて別れていきます。

震災を風化させないという強い思い

本作は東日本大震災の半年後の仙台が物語の始まりで、ラストは震災で熊本へ流れてきた家族の物語です。そして最後に熊本地震も描くことで、「自然災害の被害は当事者にとってずっと続いている」という作者の強いメッセージが込められています。

まとめ

ここまで『少年と犬』のあらすじ、結末のネタバレ、多聞が南へ向かった理由、感想を紹介してきました。

直木賞を受賞した本作は、感動なしでは読むことができないくらいの良作でした!2025年3月公開の映画版(高橋文哉×西野七瀬主演)もぜひあわせてチェックしてみてください。

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