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『息が詰まるようなこの場所で』のあらすじと感想について

小説

こんにちは!しょーてぃーです!

今回は、外山薫さんの

『息が詰まるようなこの場所で』

について紹介をしていきます!

 

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『息が詰まるようなこの場所で』について 

本書の概要

本書はひとことで言うと

タワマン文学の先駆者である

窓際三等兵さんの作品を元にした

書き下ろし長編小説です。

 

本書をオススメしたい人

・タワマンのリアルが知りたい人

・人間味のある作品が好きな人

・読みやすい作品が好きな人

 

本作は、Twitterで話題の

タワマン文学の先駆者である

窓際三等兵さんの母の子である外山薫 さんが

描いた書き下ろし小説です。

 

タワマンのリアルが顕著に描かれている本作は

低階層に住むエリートサラリーマンである平田夫婦と

最上階に住む高杉家を中心とした物語です。

 

湾岸タワマンに住む3種類の家庭

『資産家』『サラリーマン』『地権者』を中心に描かれた作品で

世間から見れば、東京のタワマンで暮らすことができる

ごく一部のエリートであり成功者である登場人物たちが

それぞれ特有の悩みを抱えています。

 

また、それらの悩みは東京独自の

上を見れば見るほど

果てしなく上がいるという現実を

突きつけられるが故の悩みであり

「幸せとは何か?」を見失った登場人物たちによる

生々しさと人間味の溢れる作品となっています。

 

『息が詰まるようなこの場所で』のあらすじ

あらすじの概要

タワマンには3種類の人間が住んでいる。資産家とサラリーマン、そして地権者だ――。

大手銀行の一般職として働く平田さやかは、念願のタワマンに住みながらも日々ストレスが絶えない。一人息子である充の過酷な受験戦争、同じマンションの最上階に住む医者一族の高杉家、そして総合職としてエリートコースを歩む同僚やPTAの雑務。種々のストレスから逃れたいと思ったとき、向かったのは親友・マミの元だった。かつては港区で一緒に遊び回り、夢を語り合った二人だったが――。

幸せとはなんなのだろう。

逃げ場所などない東京砂漠を生きる人々の焦燥と葛藤!

息が詰まるようなこの場所で より

 

本作は下記の4章から成り立っています。

第1章 平田さやかの憂鬱

第2章 平田健太の焦燥

第3章 高杉綾子の煩悶

第4章 高杉徹の決断

 

同じタワマンに住んでいる平田家と高杉家ですが

大手銀行の正社員で共働きかつ低階層の平田家と

開業医と専業主婦で最上階に住む高杉家の

それぞれの夫婦の立場から物語が描かれております。

 

各章でそれぞれの登場人物目線による

多種多様なコンプレックスが描かれています。

 

主な登場人物

平田さやか

大手銀行の一般職で、息子の受験に必死になっています。

東京に住むこと、タワマンに住むことを夢見ていました。

 

平田健太

さやかと同じ銀行の総合職で

仕事では出世競争や部下に神経をすり減らします。

 

家庭では、さやかが必死になって

息子の充に勉強させる姿に賛同できていません。

 

平田充

中学受験のために日々勉強に勤しんでいます。

高杉隆とは親友です。

 

高杉綾子

元読者モデルの専業主婦で

タワマンの最上階に住んでいます。

 

息子の隆の勉強に関しては、すべて外注しています。

 

高杉徹

代々続く医者家系の長男です。

開業医として働いていますが

自分の仕事や人生に悩んでいます。

 

高杉隆

全国トップクラスの学力の持ち主で

周囲からの憧れの的となる人物です。

 

高杉玲奈

隆とは違い、受験勉強はぜずに

ピアノに打ち込んでいます。

 

『息が詰まるようなこの場所で』の感想

逃れられない地獄にハマる登場人物たち

湾岸にある高層タワーマンション

「ローゼスタワー」に住む登場人物たちの物語です。

 

タワマンには『資産家』『サラリーマン』『地権者』の3種類が住んでいて

どれもがタワマンで暮らすことができている時点で

十分に成功しているはずですが

そうではないことを本作はリアルに描いています。

 

隣の芝生は青いという言葉の通り

各家庭にそれぞれの悩みがあり

それを抱えながら日々すり減っていく登場人物たちです。

 

特に、中学受験という

子供のために尽くしてあげているはずが

いつの間にか当の本人たちよりも

親の方が偏差値に囚われている姿は生々しく感じました。

 

また、低階層のサラリーマン家庭の逼迫ぷりや

医者家系の後継問題など

それぞれの視点に立てば同情してしまいますが

そこまでしてタワマンや東京にしがみつく姿に

ドロドロとした感情を感じます。

 

タワマン内格差・中学受験・偏差値・年収など

ついつい憧れを持ちやすく

周りと比較しやすいこれらですが

他人が決めた価値観に縛られている姿は滑稽に見えますが

いざ自分もそれらを手にすることができるなら

おそらく同じように縛られるんだろうなと感じました。

 

かつて一緒に東京に住もうと約束した友人が

息が詰まる東京という競争から逃げて

千葉に移り大きな家で楽しそうに暮らしている姿は

本来人間のあるべき姿のはずですが

「負け組」と無意識に思ってしまうのは

東京という逃れられない地獄に

ハマっているんだなと思いました。

 

タワマン文学という新しいジャンルながら

非常に読みやすく面白い作品でした!

 

最後に

ここまで本書について紹介してきました。

 

非常に読みやすく、人間味のある本作は

「自分のやりたいことって何だ?」と

考えさせられる作品でした!

 

本書が気になる方は

是非手に取ってみてください!

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